初めて子犬を迎えたときに大変なのがトイレトレーニングです。一度覚えてしまえば楽ですが、覚えるまでには長い時間がかかります。
何度も失敗をするとがっかりした気持ちになりますが、わんちゃんも一生懸命トイレを覚えようとしています。できるようになるまで根気強くわんちゃんと向き合いましょう!
今回は子犬のトイレトレーニングのちょっとしたコツをお伝えいたします。
<目次>
- ▶ポイント1.寝る場所とトイレは離そう!
- ▶ポイント2.こまめにトイレに連れて行こう!
- ▶ポイント3.慣れるまでリードでコントロールしよう!
- ▶ポイント4.クッションやマットを床に置かないようにしよう!
- ▶ポイント5.トイレシートに匂いをつけよう!
- ▶ポイント6.広めのトイレを設置しよう!
- ▶ポイント7.静かな場所にトイレを設置しよう!
- ▶NGポイント!
- ▶これをするとGood!
ポイント1.寝る場所とトイレは離そう!
寝る場所とトイレを一緒にケージの中に入れているのをよくみかけます。トイレシート=排泄をする場所とすでに覚えているのであればいいのですが、できれば寝る場所と排泄をする場所は同じ空間でない方がトイレは覚えやすいです。
野生で生きていた頃のわんちゃんは巣穴で暮らしていました。巣穴は寝たり、くつろいだり、子育てをする無防備な空間です。そこに排泄をしてしまうとその強い匂いをたどって外敵がやってきてしまいます。また、わんちゃんには自分の寝床や居場所をきれいに保つという習性も備わっています。そのため、寝る場所と排泄をする場所が同じ場所にあるのはわんちゃんにとっては違和感に感じるのではないかと思います。
寝る場所とトイレを離すとトイレを覚えたという話も聞くので、一度試してみてはいかがでしょうか。
ポイント2.こまめにトイレに連れて行こう!
成犬と違い子犬はまだ膀胱に尿を長くためることができないので、排泄の回数は多く、間隔は短くなります。前回のトイレから1時間~2時間ほどたったら一度トイレに連れて行きましょう。
また、排泄をした回数や時間を記録に取っておくと回数を重ねるごとにおおよその間隔がつかめてきます。
ポイント3.慣れるまでリードでコントロールしよう!
ケージの中ではしてくれたのに、ケージの外に出ると失敗してしまうという声もよく聞きます。まだトイレを覚えていない子犬にとって広い空間に出るとどこがトイレなのか、どうやってトイレに行けばいいのかわからなくなってしまうことがあるのです。
そんなときはトイレを覚えるまで室内でリードを着けることをお勧めします。室内でもリードをつけておくと飼い主さんが遊べる範囲をコントロールすることができるので、排泄をしそうなしぐさをしたら、すぐにトイレに誘導することができます。少し長めのリードを選べば遊びの邪魔をすることもありません。
排泄をする前のしぐさに注目
わんちゃんはいきなり排泄をするわけではなく、排泄をする前にあるしぐさをします。そのしぐさを覚えておくとトイレに誘導しやすくなり失敗を防ぐことができます。
◆床の匂いをかぐ
◆くるくると周りをまわる
◆同じところを何度もウロウロする
◆落ち着きがなくなる
ポイント4.クッションやマットを床に置かないようにしよう!
トイレ以外のところで排泄をしてしまう原因として、部屋の環境が影響している場合があります。わんちゃんが排泄をしたくなる環境の1つに土や芝生のように柔らかい場所があげられます。室内に置いてあるクッションやマットは柔らかく排泄を誘発しやすいため失敗しやすくなります。
また、トイレシートで排泄をするということを覚えていない子犬にとってどれが排泄をしていいものなのか、悪いものなのか区別が付いていない場合があります。
トイレトレーニング中は床にクッションやマットなどを置かない方が子犬にとっても飼い主さんにとってもいい環境になります。
ポイント5.トイレシートに匂いをつけよう!
もしトイレを失敗してしまっても大丈夫。成功につなげるいいチャンスだと思ってください。尿を拭いたティッシュやタオルで新しいトイレシートの上をぽんぽんとたたき、匂いをつけてください。わんちゃんは尿の匂いをかぐと排泄を誘発しやすくなります。
また、ここは排泄をする場所だと認識することもできます。トイレシート=排泄をする場所と覚えるまでは匂いで誘導してあげるのも1つの手です。
ポイント6.広めの囲ったトイレを設置しよう!
小型犬用のトイレによく見られるのがトイレシートをはさんで床に置くタイプのトイレです。トイレシート一枚で足りますし、スペースをとらないのでとても便利ですよね。しかし、まだトイレトレーニング中のわんちゃんにとっては柵などでトイレの空間を囲ってあげた方が「ここがトイレなんだ」と認識しやすくなります。
また、わんちゃんは排泄をする前にクルクル回ったり、動いたりします。わんちゃんによっては排泄をしながら歩くという子もいます。わんちゃんにとって排泄をしやすい体勢は異なるので、スペースが十分に取れる場合はトイレシートを数枚敷いて広めのトイレを用意してあげましょう。
ポイント7.静かな場所にトイレを設置しよう!
動物にとって排泄は無防備な状態で外敵から襲われやすくなります。人でも落ち着かない環境でトイレをするのは嫌ですよね。トイレを設置する場所は人の行き来や人目が気にならない静かな場所にしてあげましょう。
やってはいけないNGポイント
失敗した後に叱る
環境を整えても対策をしていても失敗してしまうときはあります。そんなときに「もーなんでここでするの!」「ここって言っているでしょ!」と叱るのは絶対にやめましょう。
言いたくなってしまう気持ちは十分わかるのですが、わんちゃんは「過去にしたこと」と「今」を結びつけることが非常に苦手です。「トイレを失敗したこと」を叱っているのに、わんちゃんは「排泄をしたから叱られたんだ」と解釈してしまうかもしれません。
そうすると排泄を我慢するようになったり、飼い主さんに隠れて別の場所で排泄をするなど別の問題を引き起こしてしまいます。体が未発達なための失敗もあるので、1つの失敗、1つの成功で感情的にならないようにしましょう。
大声を出す
トイレ以外の場所で排泄しているのを見るとつい「あー!」と大声で叫んでしまいたくなりますね。でもまだわんちゃんは人間の言葉を覚えていないので、焦って叫んだことを「喜んでいる?」と勘違いしてしまうことがあります。
その後にわんちゃんに声をかけたり撫でたりすると「別の場所で排泄をする」→「大声を出す(反応してもらえた)」→「声をかけられる(ご褒美)」と悪い条件が重なってしまいます。これが繰り返されると排泄をすると喜んでもらえると覚えてどこでも排泄してしまうことがあります。
また大声を出されるのが怖い子の場合は、「怒られた」と思って萎縮してしまうので、どちらにしても大声を出すのは好ましくありません。排泄を失敗しても静かに片付けましょう。
じっと見つめる
きちんとトイレシートの上で排泄したとき、じーっと見つめていませんか?目線が気になってそこで排泄をするのを嫌がるわんちゃんもいます。
ちゃんと排泄してるかなと気になるかもしれませんが、ケージに入れたら見つめすぎないようにしましょう。
あわてて駆けよる
失敗しているのを見つけると被害を最小にしようとあわてて駆け寄りたくなりますね。勢いよく走ってこられるとわんちゃんはびっくりして途中で排泄を止めてしまう場合があります。
ちゃんとトイレシートの上で続きをさせないといけないと思うかもしれませんが、まだトイレを覚えていないわんちゃんにとって急にトイレに連れて行かれたことが理解できませんし、途中で排泄を止めるのは辛いことです。駆け寄りたいのをぐっとこらえて、次のトイレトレーニングに活かしましょう。
排泄をするまでケージから出さない
排泄を終えるまでケージから出さないという方法を取っている方もいるかもしれません。私たちもそうですが、排泄をしたくないときにトイレに入っても排泄はしませんね。排泄をしたくなったらトイレに行くということを覚えさせることが大切なので、排泄をする気配がなかったら一度外に出しましょう。
遊びたいときにずっとトイレに入れられているとその場所を嫌な場所と覚えてしまい、それが原因で失敗してしまうこともあります。
これをするとGood!
正しい場所で排泄をしたらほめる
きちんとトイレで排泄ができたら、終わった後にたくさん褒めてあげてください。わんちゃんにとって飼い主さんに褒めてもらえることは何よりも嬉しいことです。失敗することがなくなったり、きちんと自分でトイレに行けるようになってもずっと褒めてあげてください。
寝起きや食後にトイレに連れて行く
排泄がしたくなるタイミングはいくつかあります。寝起き、ご飯前、ご飯の後、運動中、運動の後です。このタイミングでトイレに誘導すると失敗をする可能性が低くなり、排泄をするときはトイレにいくんだなとわんちゃんが覚えやすくなります。
失敗した場所は洗って消臭スプレーをする
わんちゃんにとって排泄の匂いは排泄を誘発しやすくなります。一度失敗してしまった場所には匂いが残っています。わんちゃんは嗅覚が鋭いので、ティッシュやタオルでふいたくらいでは匂いを嗅ぎ取ってまたそこで排泄してしまう場合があります。
失敗してしまった場所はしっかりと洗い消臭スプレーで匂いを消しましょう。また買い換えることが可能なクッションやマットであれば新しいものにしたほうが失敗のリスクは少なくなります。
記録をつける
トイレをした回数や時間、排泄の状態を記録に残しましょう。記録をとると排泄の間隔をつかみやすくなるだけでなく、過去を振り返ることができます。失敗ばかりと思っていても、一週間前、一ヶ月前と比べると失敗が少なくなってきていることもあるのです。わんちゃんだけでなく自分のモチベーションにもなりますね。
またわんちゃんの体調が優れなくて動物病院に行く場合には、獣医師さんに詳しく状態を伝えることができますよ。
どうしても難しい場合はプロの手を借りよう!
「なかなかうまくトイレトレーニングができない」「どうしていいかわからない」という場合には、ドッグトレーナーさんやパピートレーナーさんなどプロの手を借りましょう。プロならではの目線で色々アドバイスをもらえます。自分達ではわからなかった気づきがあるかもしれません。
<参考文献>
動物看護のための動物行動学
著者/森裕司 武内ゆかり
監修/日本小動物獣医師会 動物看護師委員会
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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