雷や花火が苦手なワンちゃんは少なくないですね。
夏は雷が多いうえに花火大会まであり、雷恐怖症のワンちゃんには対策をしてあげたほうがいい季節です。
犬が雷を苦手な理由
雷が苦手な犬は珍しくはありません。
私は4匹の犬を飼っていますが、そのうち1匹だけが雷恐怖症です。
数匹の猫も一緒に暮らしていますが、猫は大きな雷の音に一瞬驚くことがあってもパニック状態におちいることはありません。
全部の犬が苦手なわけではなく、特定の犬が雷に恐怖を感じてしまうようです。
15%~30%ほどの犬が雷恐怖症を発症すると言われています。
実は犬が雷を苦手な理由はよく分かっていません。
すべての犬が雷を苦手なわけではなく、全く気にせずケロッとしている子も多いからです。
ただ、理由としてあげられているのが、
・大きな音や稲光が怖い
・気圧の変化を感じ取っている
・静電気を体に感じてる
・オゾンの匂いに反応している
などです。
大きな音や稲光が怖い
犬の耳は人間よりもはるかに優れています。
人間が聞取れるのは2~2万Hzなのに対して、犬は16~12万Hzとされています。
人間の4倍~6倍の音を聞き取ることができ、音の種類によっては100倍以の聴覚であるという説もあるので、人間よりもはるかに雷の音は大きな音として犬に届いているでしょう。
気圧の変化を感じ取っている
気圧の変化は人間でも感じ取る人はいます。
私も天候が悪くなると体調が悪化する傾向があり、(人間の)医者によるとこれも理由ははっきり分かっていませんが、体が気圧の変化の影響を受けている可能性があるとのことです。
静電気を体に感じてる
雷はそもそも強力な静電気です。
雷が近い、または発生すると身の回りのものが静電気を帯びやすいですね。
人間でも静電気に反応しやすい、たまりやすい人がいますので、犬にもそういう子がいておかしくはないでしょう。
オゾンの匂いに反応している
また犬の嗅覚はなんと人間の1億倍もありますから、確かにオゾンの匂いをかぎ取っているかもしれません。
そして、犬は地磁気を感じ取ることができるともいわれていますし、人間が感じ取ることができるもの以外の感覚を強く感じることがあるかもしれませんね。
犬の雷恐怖症
私は全く雷が怖くありませんが人間でも雷恐怖症の人がいますね。
症状が深刻だと、その場を動けないほどになるのだとか。
犬の中にも雷を怖がる子がいて、かなりひどい症状を発症することがあります。
場合によっては命にかかわることもあるのです。
私の現在の愛犬のうち1匹と、もう天国に行ってしまった愛犬が雷恐怖症でした。
現在いる愛犬は軽いパニックの症状ですが、亡くなった愛犬(老衰)は我を忘れるようなパニックに陥るかなりひどい症状でした。
犬の雷恐怖症の症状
落ち着きがなくなる
雷が鳴り始めるとおびえて落ち着きがなくなります。
部屋中をうろうろと歩き回り、ハアハアと早い呼吸(パンティング)をし始めます。
がくがくと震えて、よだれが出ることもあります。
恐怖のあまりお漏らしをしてしまうことも。
体調が悪化する
不安と緊張のあまり体調が悪化することもあります。
嘔吐や下痢、ひどい症状になると血便をしてしまうこともあります。
かなりひどい雷恐怖症になるとけいれんや 失神を発症してしまうこともあるようです。
パニックになる
暴れたり、扉をガリガリ引っかいたり、パニック状態になることもあります。
犬をなだめようとした飼い主さんを噛んでしまうこともあります。
逃避行動をとる
恐怖からのがれようと、逃げ出そうとします。
雷ですから逃げ出すことはできないのですが、狭く暗い場所に引きこもったり、扉をこじ開けて逃げ出そうとする子もいます。
外でつながれて飼われている場合、鎖を引きちぎって脱走してしまう子も珍しくありません。
雷恐怖症の対策
雷恐怖症の対策には、雷でパニックになってケガをしたり迷子になったりしないようにする対策と、雷恐怖症を克服対策があります。
どちらか一方ではなく、どちらの対策もするようにしましょう。
雷恐怖症を治すことは難しいのですが、和らげることは可能な場合もあります。
脱走されないようにする
雷で逃避行動が出てしまったり、パニックになってしまったりすることで迷子になり、命が危険にさらされることは珍しくありません。
雷で迷子になった事例
・鎖を引きちぎって逃走し迷子
・家の扉から飛び出してしまい、迷子
・出先で雷に遭い、車の窓やドアから脱走して迷子
などたくさんあります。
私が住んでいるところでも数年前に、雷の際に外で飼われていた子がパニックになって脱走してしまい、数日後に鎖が引っ掛かって動けなくなっていたところを高校生に救われ、奇跡的におうちに戻れたという事件が新聞記事になったことがあります。
この事例では幸運にも救助されましたが、誰にも気が付いてもらえなければそのまま命を落としてしまった可能性もあります。
雷が発生しない地域はありませんし、愛犬が雷恐怖症であることが分かっていれば十分な対策を取っておいたほうがいいですね。
室内飼育をしているときでも、雷が鳴っているときには窓やドアのかぎまで全部閉め、不用意に開けないように気を付けてください。
普段ドアや扉を開けない子でも、恐怖に駆られて開けてしまい飛び出してしまうこともあるのです。
私の老衰で亡くなってしまった愛犬は普段はおとなしく、ドアを開けてはいけないと理解していましたが、雷が鳴るたびにドアを開けて脱走しようとしました。
雷が鳴っているときはできれば愛犬からは目を離さないようにしましょう。
天気予報に気を付けて外出する
散歩や旅行で迷子になることも珍しいことではありません。
天候が変化しやすく、雷が発生しやすい時期は特に注意が必要です。
雷の恐怖で脱走した場合、犬はパニックになって逃げまどいますから呼んでも飼い主さんの声も耳に入りませんし、一目散に逃げ去ってしまいますから飼い主さんの足では追いつくことは不可能です。
スマートフォンの天気予報アプリなど、現在は1時間ごと、地域ごとのピンポイントの天気まで知ることができるので、雷が発生する危険があるときの外出はよほどのことがない限り避けましょう。
普段飼い主さんに従順な子でも、恐怖に駆られてパニックになっている状態では、制御するのは難しいです。
ケージ内を安全な場所として教える
おうちの中でも愛犬だけの安全な場所としてケージを用意してあげましょう。
雷恐怖症でなくても、安心して過ごせるケージがあったほうが犬は落ち着いて生活できます。
ケージの設置は犬の居心地がいい場所を選び、犬用ベッドや犬が好きな毛布などを置いてあげましょう。
犬は狭くて薄暗いところに安心感を感じますから、ケージの上に布などをかけてあげてもいいでしょう。
普段からその場所は犬が安心して過ごせる場所だと認識させておくと雷が鳴った際もその場所で怖いながらもやり過ごせるかもしれません。
ただし、ケージの扉は閉めないほうがいいです。
恐怖の中で逃げることができない場所に閉じ込められるのはよけいに恐怖を感じる結果になることがあります。
脱走の危険があるからとリードなどでつなぐのもよくありません。
リードが絡みついて怪我につながることもありますし、かえって大暴れすることもあるからです。
雷が鳴っているときに普段と違う行動を強いないようにしてください。
ケージのほかにもベッドの下などの犬が落ち着けるお気に入りの場所があれば、その場所に毛布を掛けてあげるなどするとより安心感を覚えるでしょう。
ケージでなくてもいいので、犬が落ち着いて過ごせる場所があることが大事です。
大げさになだめない
犬が雷を怖がっているときになぐさめの言葉をかけたり抱っこしたり、なでたりする行動は逆効果になるのでやめましょう。
犬は飼い主さんの様子を見て「自分に何か良くないことが起こる・起こっている」と解釈し、余計不安になります。
飼い主さんはつとめて冷静に普段通どおり犬に接し、過ごすようにしましょう。
怒らない
パニックになって物を壊してしまったり、粗相をしてしまったりしても怒っていけません。
犬は恐怖と不安でそういう行動が出てしまっているので、犬のせいではありませんし、飼い主さんに怒られるとよけいに雷が嫌いになります。
飼い主さんへの信頼も揺らぎますので、イラっとしても「この子は恐怖のただ中にいるのだ。」ということを理解して対応してあげましょう。
サンダーシャツを使用する
サンダーシャツとは犬の雷恐怖症を軽減させる効果が期待できる服です。
犬の体に適度な圧力をかけることによって恐怖を和らげる効果があるというものです。
サンダーシャツの効果は劇的に効く子とそうではない子がいるようですが、一度試してみてもいいでしょう。
すごく効果がある子は雷の最中でも寝てしまうのだとか。
犬が雷の間中、ガクガクと震えておびえている様子は、かまうなと言われても見ているだけでもかわいそうですよね。
それが軽減する可能性があるのなら試してみる価値はあるでしょう。
普段から十分に運動させる
運動が足りないと犬は力があり余るので、暴れる度合いや破壊行動が大きく出てしまうことがあります。
普段から十分に運動をさせておくと家で静かに過ごせる子がほとんどです。
雷が事前に来ることが分かっていて時間的余裕があるときは運動をさせてエネルギーをあらかじめ発散させておきましょう。
雷が苦手な子は花火も苦手
雷恐怖症の子は花見も苦手な場合が多いです。
私の愛犬の雷が苦手な子は、花火も苦手で同じようにおびえます。
以前は川沿いに住んでおり、川開きの花火大会のたびに怖がるので、その時間帯は花火が聞こえない実家に避難しておりました。
花火大会は開催日時は決まっているので知人の家などに避難してもいいですね。
雷嫌いを克服するために
現在私の愛犬は雷をそれほど怖がらなくなりました。
静電気などの影響もあるかもしれませんが、花火を同様に怖がっているということはやはり音の影響が大きいと判断し、音に慣れさせる訓練をしました。
訓練の方法
1.雷の音源を用意する。フリー音源でもいいですし、雷を録音したものでもいいです。
2.最初はごく短い時間(10秒程度)音を聴かせ、大好きなおやつをあげます。
3.何度か繰り返し、だんだん音を聴かせる時間を長くしていきます。
4.雷の音が聞こえたらおやつをもらえると理解できるとだいぶ雷への恐怖心が薄らぎます。
実際に雷が鳴ったときも同じようにおやつをあげます。
「雷がなる=いいことがある」と認識できていれば、恐怖もやわらぎます。
雷が落ちたときなどの地がとどろくような、窓がビリビリと振動するような雷鳴のときはさすがに怖がりますが、遠くでゴロゴロ鳴っているくらいではパニックをおこさないようになりました。
雷恐怖症の克服訓練は、普段から行っておくことをおすすめします。
症状がひどいときは獣医師に相談
下痢や血便、失神などの重度の症状が現れるとき、大暴れしてしまうときなどは獣医師に相談しましょう。
犬の様子をスマートフォンなどで撮影しておくと診察しやすくなります。
雷が鳴ることが分かっていれば、事前に飲んでおく薬などを処方してくれる場合もあります。
効果には差がありますが、心を落ち着かせるサプリメントも販売されています。
かかりつけの獣医師と相談して服用してみてもいいですね。
薬はもちろんのことサプリメントの使用も獣医師に相談のうえ使用するようにしてください。
まとめ
夏から秋にかけては雷が鳴る天候のときが何度かありますね。
愛犬が雷恐怖症であるときは事前の天気予報をチェックする習慣にしておくと、対応しやすくなります。
犬の雷恐怖症は克服が難しい面もあるのですが、取り組みによっては軽減します。
以前は、よだれを垂らす、震える、下痢を発症するなど、かなりパニックに近い状態になっていた私の愛犬も、雷に慣らす訓練をして現在は、ほかの犬たちと一緒にソファに大人しくしていられるようになっています。
雷はどうしても避けられない自然現象なので、あきらめずに対処してあげたいですね。
訓練は時間と忍耐が必要です。数回でダメだったからといって投げ出さずに続けてみてください。
雷鳴を聴かせる時間の10秒が耐えられないなら、5秒から始めてもいいでしょう。
そして雷が鳴ったら、まずは犬の安全が確保できる状態にすることが大切ですね。
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