秋や冬になると足元にどんぐりが落ちていることがありますね。
愛犬が興味をもって遊んでいる内にパクっと口に入れてしまったということはありませんか?
犬が食べてはいけない食べ物はいろいろとありますが、犬はどんぐりを食べても大丈夫なのでしょうか。
今回は「犬はどんぐりを食べても大丈夫なのか」や「犬がどんぐりを食べてしまった時の注意点」などを解説します。
「どんぐりを拾い食いさせないようにする5つのポイント」も合わせて紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
<目次>
「愛犬がどんぐりを食べちゃった!」犬はどんぐりを食べても大丈夫?
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犬はどんぐりを食べてしまっても問題ないのでしょうか。
基本的には少量であればどんぐりを食べても問題ないと言われています。
現在では食べる習慣がほとんどないどんぐりですが、縄文時代には人間の主食だったそうです。
そのため、犬もどんぐりを食べても大丈夫と考えられていますが、大量に食べてしまったり、丸呑みをしてしまった場合には注意が必要です。
次章で詳しく解説するので、注意点を覚えておきましょう。
「犬がどんぐりを丸呑みしたら?」覚えておきたい注意点4つ
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もし犬がどんぐりを丸呑みしてしまったら、どんなことに注意すればよいのでしょうか。
ポイントを4つにまとめました。
▼犬がどんくりを丸呑みしたら注意したいこと4つ
・硬い外皮が犬の消化管を傷つける
・どんぐりの中に虫がいたりカビが着いている可能性
・便で排出されているかチェックする
・無理に吐き出させない
・硬い外皮が犬の消化管を傷つける
どんぐりは硬い皮に覆われています。
そのため丸呑みしてしまうと、硬い皮が口内や食道、胃などを傷つけてしまう可能性があります。
またどんぐりのサイズは2cmほどなので、小型犬が大量に食べると腸で詰まり腸閉塞を起こす可能性もあります。
腸閉塞を起こすと腸が壊死をしてしまうので、外科手術をする必要が出てきます。
犬がどんぐりを食べてしまったときは「下痢」「嘔吐」「苦しがっていないか」など異変がないかチェックしましょう。
・どんぐりの中に虫がいたりカビが着いている可能性
どんぐりで遊んでいるときに、虫が出てきてびっくりした経験はありませんか?
愛犬が丸呑みしたどんぐりの中にも虫がいる可能性があります。
またどんぐりはカビが生えやすいので、カビも一緒に食べているかもしれません。
虫がいたりカビが生えたどんぐりを食べてしまうと、嘔吐や下痢、食欲不振といった症状が現れるので注意しましょう。
・便で排出されているかチェックする
どんぐりを丸呑みしたら、便の中にきちんと排出されているかチェックしましょう。
当日から翌日中に排出される場合が多いですが、翌日以降も便の中にどんぐりが出ていない場合は、腸内に残っている可能性があります。
動物病院で診察を受けましょう。
・無理に吐き出させない
どんぐりをパクっと食べてしまうと、あわてて口を開かせようとしたり、名前を何度も呼んで取り上げたくなりますが、無理に取り上げることはやめましょう。
自分の大事な物を取り上げられると思って、かえって奪われないようにすぐに飲み込んでしまいます。
またあわてて吐き出させようとすることで、気管に入ってしまうかもしれません。
どんくりを丸呑みしてしまった場合は、家庭内で処置をするのではなく、すぐに動物病院で診察を受けてください。
「犬がどんぐりを食べた」こんな症状がでたらすぐ動物病院へ
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愛犬がどんぐりを食べて、下記のような症状がでたらすぐに動物病院にいきましょう。
▼こんな症状がでたら、すぐに動物病院へ
・嘔吐
・下痢
・便秘
・食欲不振
・元気がない
・便に血が混じる
・貧血
・すぐに座り込む
犬は少量であればどんぐりを食べても問題ないとお話しましたが、大量に食べてしまったり、継続的に食べ続けてしまう場合には「タンニン中毒」を起こす可能性があります。
どんぐりの中には、ポリフェノールの一種であるタンニンが含まれていますが、過剰に接種するとタンニン中毒を引き起こします。
タンニン中毒は鉄の吸収を阻害するので貧血を引き起こします。
犬が急にへたりこんだり、歯茎が白っぽくなっている場合は、貧血を起こしている可能性が高いのですぐに動物病院にいきましょう。
タンニンの量はどんぐりの種類によっても異なるので「前回食べても何も起きなかったから今回も大丈夫」と安心しないようにしましょう。
犬にどんぐりを食べさせないためのポイント5つ
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少量であれば犬はどんぐりを食べても大丈夫ですが、丸呑みで腸粘膜を傷つけたり、タンニン中毒を起こすリスクもあるので、できれば食べないように気をつけたいですね。
どんぐりの拾い食いをさせないために、飼い主さんが気をつけるポイントはなんでしょうか。
ポイントを5つご紹介します。
▼犬にどんぐりを食べさせないためのポイント5つ
①名前を呼んだらアイコンタクト
②口に入れたものを無理に取りあげない
③口の中の物を吐き出すコマンドを教える
④飼い主の横について歩くトレーニングをする
⑤どんぐりが落ちている場所を散歩コースから外す
①名前を呼んだらアイコンタクト
犬の名前を呼んだら、飼い主さんの顔を見るトレーニングをしておきましょう。
「なにか口に入れそうだな」と不安なときに有効なトレーニングです。
犬と目が合ったらそのまま「おいで」と言いながら、別の場所に誘導すると誤飲を防ぐことができます。
②口に入れたものを無理に取りあげない
犬が口にくわえた物や噛んでいる物を飼い主さんが無理やり取りあげる経験をさせないようにしましょう。
無理やり物を取りあげることを繰り返していると「この人は自分の大事な物を奪う人だ」と学習し、大事な物を守ろうと素早く飲み込んだり、攻撃して相手を退かせようとするようになります。
食べてほしくない物をくわえていると取りあげたくなりますが、ぐっとこらえてオヤツと交換してもらうか、「離せ(ちょうだい)」というコマンドを教えるようにしましょう。
③口の中の物を吐き出すコマンドを教える
口の中の物を離す「離せ(ちょうだい)」というコマンドを教えておきましょう。
先ほども少し触れましたが、大事な物を取られないように飲み込むという行為はくせになりやすいです。
そのため、自分の物になったという所有欲を満たすために、誤飲を繰り返すようになることがあります。
誤飲は命に関わる危険な行動なので、予防のためにコマンドを教えておくことをおすすめします。
④飼い主の横について歩くトレーニングをする
合図をしたら飼い主さんに寄り添って歩く「リーダーウォーク」のトレーニングをしておきましょう。
どんぐりを拾い食いしそうな場所を見つけたら、合図をして素早く通り過ぎましょう。
どんぐりの誤飲だけでなく、狭い道を通り抜けるときや他の犬とすれ違うときにもリーダーウォークは役立つので、覚えておくと便利なトレーニングです。
⑤どんぐりが落ちている場所を散歩コースから外す
過去にどんぐりを誤飲した経験がある、よくどんぐりをくわえて遊んでいるという場合は、誤飲する機会を作らないために、どんくりが落ちている場所を散歩コースから外すのもひとつの手です。
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少量であれば食べても問題のないどんぐりですが、虫やカビが付着していたり、中毒を起こす可能性もゼロではないので、できれば食べさせるのは避けたいですね。
散歩コースやお出かけ先にどんぐりが落ちているという場合は、食べさせないように注意しましょう。
<参考URL>
自然探訪2019年7月 ドングリ 国立研究開発法人 森林総合研究所
>https://www.ffpri.affrc.go.jp/snap/2019/7-donguri.html#:~:text=2007%E5%B9%B4%E3%81%AB%E5%B2%A9%E6%89%8B%E7%9C%8C,%E3%81%84%E3%82%8B%E6%B8%8B%E3%81%BF%E3%81%AE%E6%88%90%E5%88%86%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
<画像元>
canva
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・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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