皆さんは愛犬と良い関係を築くことができていますか?
愛犬がなかなか懐いてくれないという場合は、知らないうちに愛犬が嫌がる行動をとってしまっているのかもしれません。
今回は犬に嫌われる行動を8つご紹介しますので、愛犬の気持ちを理解するヒントにお役立てください。
<目次>
犬に嫌われる行動①「悪いことをしたらケージにいれる」
犬が悪いことをしたら反省させるためにケージに入れたり、「ハウス」とコマンドを出してケージに閉じ込めたりしていませんか?
よく耳にするしつけの方法ですが、悪いことをしたらケージに入れるのは犬に嫌われるNG行動です。
犬とってケージは身を隠すことができ、安心して休める場所です。
その安心して過ごせる場所に叱りながら閉じ込めてしまうと、ケージを嫌な場所と認識しケージに入ること自体を拒むようになります。
ケージは叱りつけて反省する部屋ではなく犬が穏やかに過ごすための部屋なので、犬が悪さをしてもケージに入れることはやめましょう。
犬に嫌われる行動②「あとで叱る」
犬がいたずらをしたりよくない行動を取ったとき、その行動の直後ではなく後から叱っていませんか?
犬の短期記憶(一時的な記憶)は2~30秒程度と言われており、数秒前に起きたことは忘れてしまっています。
そのため後から叱っても、犬は過去に起こした事と今現在起きていることの関連付けができず混乱したり、「急に怒り始めた怖い人」と飼い主さんのことを怯えるようになってしまいます。
いたずらを起こした直後に注意するのは良いですが、後から叱ることはやめましょう。
犬に嫌われる行動③「しつけや対応が気分や家族によって違う」
▼こんなしつけや対応を愛犬にしていませんか?
・呼び戻しのときに来るのに時間がかかったので叱った
・いつもは飛びつきを許しているが、今日は人前なので叱った
・お父さんはソファーに上がるのを許しているが、お母さんは叱る
・おやつを手に持っているふりをして実際には与えず、からかって遊ぶ
上記の行動に共通するのは、今までと同じ行動を取っているのに叱られたり笑われたりして、犬が困った状況に陥っているということです。
犬はケースバイケースという考え方はできません。
「名前を呼ばれたから行ったのに叱られる」などどの行動をとっても犬にとって良くない結果が続くと、犬はその人のことを信用しなくなり、避ける行動を取ったり怖がったりするようになります。
関係が深刻になってから修正するのは本当に大変なので、自分の行動やしつけに矛盾がないかチェックするようにしましょう。
犬に嫌われる行動④「犬に覆いかぶさるようにして抱っこする」
犬を抱っこするときに正面に立って上から覆いかぶさるように抱っこをしていませんか?
相手が飼い主さんだったとしても、上からかぶさるような体勢は犬が威圧を感じやすいため嫌がります。
(前かがみになったときに愛犬が動きを止めたり耳を横に引いたり「キュッ」と委縮する場合は怖がっている)
犬を抱っこするときは、正面や上からではなく犬の真横に立ってすくいあげるようにして抱っこしましょう。
犬に嫌われる行動⑤「タバコを吸っている」
犬は人よりも鼻が良く匂いに敏感なことが知られていますね。
タバコのニオイは鼻や喉を刺激するため、嫌う犬が多いです(嗅ぐだけでストレスになる場合も)。
また、タバコから出る煙は人だけでなく犬にも影響があると言われています。
犬が暮らす空間に喫煙者がいる場合、日常的にタバコの煙を受動喫煙で吸い込んでしまうため、肺がんや鼻腔がんの発症率が増えることが報告されています。
また、高濃度の受動喫煙を受けた犬はアトピー性皮膚炎にかかるリスクが高いことも報告されています。
犬は人よりも体が小さく、有害物質が貯まりやすい床の近くで生活しているため、タバコの煙によって受ける影響は非常に大きいと考えられます。
タバコを吸っている場合は、愛犬の健康のために禁煙を検討しましょう。
犬に嫌われる行動⑥「急に体を触ろうとする」
犬は撫でられるのが好きと言われていますが、愛犬であっても急に体を触ろうとするのはNG行動です。
意識外のところを急に触られると、反射的に外敵から身を守るという本能が働き、とっさに攻撃をしてしまうことがあります。
また手や口周り、尻尾などは敏感なので特に触られたくない場所です。
犬に触ったり撫でたりするときは、犬に一声かけて目に入る範囲から撫でるようにしましょう。
犬に嫌われる行動⑦「嫌がっているのに他の犬と触れ合わせようとする」
「犬友達を作らないといけない」「犬はどんな犬とでも仲良くなれる」と思っている方がいるかも知れませんが、愛犬が望んでいないのに他の犬と無理やり触れ合わせるのはNG行動です。
人と同じように犬にも相性があります。
「今は挨拶したくない」という場合もありますし「その子とは同じ空間にいるだけで満足」という場合もあります。
仲良くじゃれあうだけが正解ではないので、愛犬が嫌がるようであれば無理に他の犬と触れ合わせることはやめましょう。
犬に嫌われる行動⑧「他の犬や先住犬と比較をする」
「前に飼っていた犬は覚えるのが早かったのに」「他の犬は利口なのにうちの子は本当にダメで」という言葉をよく耳にしますね。
ネガティブな比較を繰り返すと、その気持ちは犬に向ける行動や言葉の端々に現れます。
犬は人の顔色や気持ちを察するのが上手な生き物なので、自分に向けられているネガティブな感情に気づいて関係が悪化する可能性があります。
人と同じように犬にも個性があります。
覚えが早い子もいればマイペースに頑張る子もいます。
指示に従うのが得意な子もいれば自立心が旺盛な子もいます。
比較するのではなく、1頭1頭ときちんと向き合うことが大切です。
犬に嫌われる行動を8つご紹介しました。
どれも何気なくやってしまいがちな行動ですが、その行動が愛犬との関係にひびを入れているのかもしれません。
今回ご紹介した内容を愛犬との関係づくりにぜひお役立てください。
<参考書籍>
ドッグ・トレーナーに必要な「複数の犬を同時に扱う」テクニック (著)ヴィベケ・リーセ 藤田 りか子
<参考URL>
タバコはペットの健康にも影響する
>https://media.eduone.jp/detail/10306/3/
川俣幹雄ほか:ペットにも受動喫煙による健康被害は存在するか、またその特徴は何か?
>https://www.menicon.co.jp/company/csr/nosmoking/20171104/poster.pdf
受動喫煙でワンちゃんのアトピー性皮膚炎は増える?
>https://1013.jp/%E5%8F%97%E5%8B%95%E5%96%AB%E7%85%99%E3%81%A7%E3%83%AF%E3%83%B3%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%94%E3%83%BC%E6%80%A7%E7%9A%AE%E8%86%9A%E7%82%8E%E3%81%AF%E5%A2%97%E3%81%88/
<画像元>
canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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