犬の散歩は季節を問わず必要だと思いますが、皆さんは雪が降った時の散歩は、どうしていらっしゃいますか?
「室内で排泄しないから必ず行く」という人もいれば、「愛犬が嫌がるから行かない」という飼い主さんもいる事でしょう。
そこで今回は、犬にとって雪の日の散歩の必要性や愛犬・飼い主さん双方が気を付けたい雪の日の散歩対策、散歩後の犬にNGなケア方法などをご紹介します。
犬の雪の日散歩は結論、無理をさせない方が良い
見出しにもある通り、結論から先にお伝えすると、犬の雪の日散歩は、原則、無理をさせないことが現代の犬にとっては、良いかもしれません。
それはなぜなのか。それは、昔の犬の寒さに対する常識が、今の犬の寒さに対する常識と同じとは限らないからです。
多くの飼い主さんもご存知の通り、近年、犬の飼養環境は、もっぱら室内飼養が主流で、寒さに強いとされてきたダブルコートの犬や寒冷地域の犬でさえ、暖房器具を付ければ、思わず「熱くないの⁉」とツッコミを入れたくなるほど、暖房器具の至近距離で寝ていたりするのではないでしょうか?
実際、2023年の10月20日~10月22日の3日間に、ペット保険の「PS保険」を提供するペットメディカルサポート株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:米満明仁)にて実施された「愛犬の冬の散歩」に対するアンケート調査では、以下のような結果が報告されました。
この調査では、主に冬の寒い時期に愛犬自身が散歩に出たがるかどうかを、20歳~69歳の飼い主さんに回答を求めました。
上記をご覧頂いても分かるように、寒さで愛犬が散歩に出たがらないことが『ある』と回答した人は44%と、約半数を占める結果となりました。
ただ一方で、こうした犬の反応に対する飼い主さんの対処に関しては、意外にも犬の心理とは正反対に、寒さで犬が散歩に出たがらない時には、『出来るだけ散歩に出ることを促す』が、54%を占める結果となっています。
しかし、『散歩に行かない』、『室内で運動をさせる』と回答した飼い主さんを合わせると45%に上ることから、愛犬に無理強いをさせたくない飼い主さんの心理も窺がえます。
続いてのアンケート結果によると、犬がヒートショックを起こすことを『知っている』と回答した飼い主さんは、全体の41%、寒暖差によって愛犬が体調を崩したことが『ある』と回答した飼い主さんは、全体の47%という結果になりました。
このように、今となっては犬の雪の日散歩は、必ずしも必要なものではなくなってきています。
そのため、雪の日に犬の散歩に出かける際には、その日の愛犬の体調や様子に気を配りながら、無理のない範囲で出かけてあげるよう心掛けましょう。
雪の日散歩する時の愛犬&飼い主対策とは?
必ずしも必要とは限らない雪の日の犬の散歩。
とはいえ、犬によっては、頑として外でしか排泄をしない子も少なくないため、そういった場合には排泄目的で散歩に行かなければなりません。
では、そんな時に愛犬と飼い主さんに必要な雪の日散歩対策には、どんなものがあるのでしょうか?
愛犬と飼い主さんそれぞれの対策を、以下で確認してみましょう。
愛犬の雪の日散歩対策
まず、愛犬が雪の日に散歩をする際に心掛けておきたい対策をご紹介します。愛犬の場合、基本的に以下のような対策や意識を怠らないよう注意しましょう。
・ダウンコートやニット、レインコートを着用する
・靴に抵抗がない場合は靴を履く
・暖かい時間帯を見計らって行く
・いつもより短い時間で切り上げる
前述でも述べましたが、現在の犬は、例え、ダブルコートの犬や寒冷地域の犬であっても、寒さに対する耐性が弱まっている子は多いものです。
そのため、服や靴は嫌がらないようであれば出来るだけ着用させて、散歩に行く時間帯も暖かくなった日中を見計らって行くよう、心掛けてあげてください。
もしも、雪が降りそうかどうかわからない天気の場合であれば、【犬のおさんぽ予想】というサイトがあるため、こちらで路面温度を確認したり、散歩に行く時間帯の目安を確認したりしてみてください。とてもオススメです。
また、冬場は長めの散歩を1回よりも、短めの散歩を数回行ってあげる方が、愛犬の体の負担を軽減できます。
特別な事情がないのであれば、以上のことを踏まえた上で、愛犬の雪の日散歩に出かけましょう。
飼い主さんの雪の日散歩対策
次に、飼い主さんが愛犬の雪の日散歩へ行く際の対策を見ていきましょう。特に飼い主さんの場合、愛犬以上に気を付けた方が良い対策は多いため、普段の散歩以上の注意を払いましょう。
・傘は差さずに必ずレインコートを着用する
・レインブーツやスパイク付きの靴を履く
・歩幅を狭く保った状態でゆっくり歩く
・暖かい時間帯を見計らって行く
・いつもより短い時間で切り上げる
・多頭飼養の場合1頭ずつ行く
・ロングリードは使わない
以上が、飼い主さんが雪の日に犬を散歩させる際、最低限必要となる対策です。時々、雨の日の散歩同様、雪の日も傘を差して散歩をしている飼い主さんをお見掛けしますが、雪の日は雨の日以上に足元が悪く、転倒した時の衝撃は相当なものです。
雪の日散歩の時には、両手が開くようレインコートを着用し、出来ればお散歩バッグもウエストポーチタイプのものにすると安全です。
また、愛犬の咄嗟の行動にも対処できるようにするために、多頭飼養の場合は、面倒でも1頭ずつ散歩に行き、普段ロングリードを使っている場合には、通常のリードに切り替えてから散歩に出かけましょう。
愛犬の雪の日散歩後のNGケア方法って何?
では、愛犬の雪の日散歩が終わった後のケア方法で、NGケアになるものとは何でしょうか?
以下でいくつか確認してみましょう。
雪の日散歩後NGケア①:屋外から室内への寒暖差がある
室内から屋外へ散歩に出る時はもちろんですが、屋外から室内へ散歩から帰ってくる時にも寒暖差が激しいと、上記でご紹介したヒートショックを、愛犬が起こしてしまう可能性が考えられます。
特にエアコン暖房で部屋全体を暖めている場合、シニア犬や心臓疾患のある犬にとっては、急な温度変化で、ヒートショックや発作が起こってしまう危険性が考えられるため、室内の過度な暖房は設定しないように、気を付けてください。
愛犬が室内に入る時には、ある程度室内の温度に慣れさせてから入るように注意しましょう。
雪の日散歩後NGケア②:被毛の不十分な乾燥
愛犬との雪の日散歩から帰ってきた後は、必ずしっかりとタオルで拭いてあげると思いますが、その拭き方や乾かし方が、不十分にならないように注意しましょう。
特に長毛犬種で、足裏の毛も濡れている場合、肉球の間や内股などが生乾き状態だと、後々皮膚炎の原因にも繋がる可能性があります。
帰宅後はしっかりと毛を乾かし、水気が残らないようにしましょう。
雪の日散歩後NGケア③:頻繁な肉球の水洗い
都心の場合は、雪が降ってもそこまで長引くことはないかもしれませんが、雪の降りやすい地域の場合、連日雪という事もあることでしょう。
しかし、そうした時に愛犬の肉球を毎回水洗いするのは、かえって皮脂の取り過ぎで、肉球の乾燥やひび割れなど、別のトラブルを引き起こしかねません。
犬の肉球は、どうしても汚れが気になってしまう場合を除いては、ウェットティッシュや濡れタオルなどで軽く拭いて、その後は保湿クリームで、肉球の潤いを補ってあげるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?
散歩は犬にとって、運動やストレスの発散をするための大切な日課ですが、晴れた日の散歩と違って、雪の日の散歩は色々と注意が必要です。
雪の日が長引いてしまう場合に限っては、どんなワンちゃんであっても天候の状態を見計らって散歩に出ることも多いかと思いますが、そうでない場合に限っては、犬が必要としない以上、こうした日の散歩はパスしても構いません。
でもその代わり、散歩に代わるストレス発散や運動の方法はお家で見つけてあげてくださいね。
<参考書籍>
イラストで分かりやすい!愛犬との絆がぐーっと深まる本
いぬ大全304
<参考サイト>
寒暖差で愛犬の約半数が体調不良に:ペット保険「PS保険」調べ
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000117.000057917.html
犬のおさんぽ予報
>https://s.n-kishou.co.jp/w/sp/road/roadtemp_top.html
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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