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ペットの“もふもふプッシュ”にご用心!愛犬によって起こる火災事例や防ぐポイントを解説!

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皆さんは、ペットによる“もふもふプッシュ”という言葉をご存知でしょうか?

一見、“もふもふ”という何とも癒される単語に「可愛いペット動画か何か?」と感じてしまいそうですが、実はこの言葉、全く癒しとは正反対の飼い主さんへ向けた「注意喚起」の言葉なのです。

今回は、ペットによって起こる可能性がある火災、通称“もふもふプッシュ”による火災事例やその火災を防ぐポイントをまとめました。

火災原因の可能性がある“もふもふプッシュ”ってどんなもの?

世間一般で言うところの“もふもふプッシュ”とは、多くの飼い主さんからしたら、誰もが『可愛らしい動物からの肉球表現』を思い浮かべると思います。しかし、ここで言う“もふもふプッシュ”とは、そんな可愛いイメージを真っ向から否定するような言葉です。

というのも、この“もふもふプッシュ”。

聞こえはとても良いのですが、実際にこの言葉が使用されている内容というのは、ペットの肉球やその他様々な行為によって起こる可能性のある火災事故の総称を意味しているからです。

この言葉は、独立行政法人製品評価技術基盤機構nite(National Institute of technology and Evaluation:通称ナイト)にて表現されたもので、昨今コロナ過の影響も相まって家族の一員に迎えられることが多くなったペットの肉球やその他様々な行為で起こる火災事故、を原因として生まれた言葉なのです。

けれど、この言葉を聞いたことがない人が聞いたところで、 “もふもふプッシュ”がペットによる火災事故に繋がる恐れがあるからご用心、と果たして飼い主さんたちが容易に関連付けることはできるでしょうか?

筆者の個人的観点から申し上げれば、この言葉の意図するところとは、“もふもふプッシュ”という、「あたかも可愛らしい言葉であっても、この言葉はあくまで『ペットによる火災』を意味するもの」であるから侮らないよう、それに対する注意や理解は飼い主さん自身がしっかりと意識してほしいという意図で付けられた言葉のように感じました。

皆さんは、この“もふもふプッシュ”、どのように感じられたでしょうか?続いては、この言葉で実際に起こってしまった火災事故状況を見ていきましょう。

“もふもふプッシュ”で実際に起きた事故状況とは?

それでは、“もふもふプッシュ”によって実際に起きてしまった事故状況件数は、どのような統計になっているのでしょうか?

2013(平成25)年から2022(令和3)年までに調査されたデータ情報を確認してみましょう。

▼事故の発生状況

以下の棒グラフは、独立行政法人製品評価技術基盤機構niteが収集した製品事故状況のうち、2013(平成25)年から2022(令和3)年までのペットによる火災事故状況を表したものです。

図1をご覧頂いても分かるように、年度ごとに発生した総事故件数は61件ですが、その約9割(61件中54件)は、火災にまで発展していることが分かります。

▼製品別・ペット種類別発生事故件数

また、製品別・ペット種類別で多かった事故件数は以下の通りとなりました。

犬と猫共に一番多かった事故件数はガスコンロで、特にガスコンロのスイッチに手が届きやすい中型犬以上の犬や台所の上に乗れて、IHコンロのスイッチを意図せず押せてしまう猫にとって、圧倒的な数で事故が発生しているのが見て取れますね。

▼ペットの行動別・事象別事故発生割合

さらに、ペットの行動別・事象別で事故の発生割合を調べたところ、以下のようなペットの行動傾向、事象が見られました。

正直信じたくはありませんが、表2の【事象別の事故発生件数と被害状況】の中には、飼い主さんの留守中にペット自らの手によって起こった火災で、尊い命が2つも犠牲となった事実が存在します。

現在はガスコンロの機能も格段と良いものが多いため、地震の時の緊急停止や人の場合の火の消し忘れなどに対応して自動で消火するコンロも珍しくありません。

しかし、ペットの場合は飼い主さんが不在であれば特に…

『“もふもふプッシュ”でスイッチON⇒点火⇒その後の動向が不明』

という状況になってしまうため、食欲旺盛な子や好奇心旺盛な子、また、ガスコンロに前脚が届いてしまう中型犬~大型犬のワンコを迎えている飼い主さんは、特に注意しておきましょう。

“もふもふプッシュ”で実際にあった火災事例

それでは、続いてはペットの“もふもふプッシュ”によって実際に起こってしまった火災事例をいくつか見ていきましょう。

▼【愛犬による主な火災事故事例】

①ガスコンロのスイッチ点火で火災に発展した事例
②モバイルバッテリーを噛んだことで発火に発展した事例

それぞれ詳しい事故状況などを見ていきましょう。

ガスコンロのスイッチ点火で火災に発展した事例

この事例は、飼い主さんが外出中に、愛犬がガスコンロの操作スイッチを誤って押してしまったことでガスコンロ及びその周辺が焼損する火災に繋がった事例です。

この時、ガスコンロの操作スイッチにはロックは掛かっておらず、左右のコンロの間には、愛犬のごはんが入った樹脂製のフードボウルが置かれていたとのことでした。

▽【ガスコンロの操作ボタンを押す犬(イメージ)】

モバイルバッテリーを噛んだことで発火に発展した事例

事例の二つ目は、愛犬がモバイルバッテリーを噛んだことで製品の変形を招き、結果的にモバイルバッテリーがショートして発火、製品及び床の焦げに繋がった事例です。

この手の発火は“もふもふプッシュ”で起こった事例ではありませんが、齧ってしまって起こる発火も、ややもすればれっきとした火災には変わりないことは確かです。

この時、モバイルバッテリーは床の上で充電されて置かれており、局所的に愛犬が齧ったであろう跡が残っていたことから、このことが発火・焦げを引き起こしたものと断定されました。

▽【リチウムイオンバッテリーを噛む犬(イメージ)】

“もふもふプッシュ”を防ぐ5つのポイント

先にも述べましたが、食欲旺盛な子、好奇心旺盛な子については、ガスコンロのスイッチは特に手が届きやすく大変危険です。

そのため、ここでは愛犬に絞って“もふもふプッシュ”を未然に防ぐ5つのポイントを簡単にご紹介します。

▼【愛犬の“もふもふプッシュ”を未然に防ぐ5つのポイント】

①出かける際は愛犬をゲージに入れる
②ヒーターなどの暖房器具周りは柵などで覆う
③ガスコンロの元栓またはスイッチロックを掛ける
④コンロや暖房器具の周りに愛犬の興味を惹くものを置かない
⑤容易にスイッチを押せる暖房器具製品は使用しない場合プラグを抜き、愛犬の手の届かないところに保管する

以上が、愛犬が“もふもふプッシュ”をしてしまいそうな時に気を付けたい5つのポイントです。

ただ、この中でも特に気を付けておきたい事柄を挙げるなら、④の『コンロや暖房機器の周りに愛犬の興味を惹くものを置かない』でしょう。

なぜなら、犬の嗅覚というのはものすごく鋭く、その能力はものによって1億倍以上の力を発揮すると言われています。

筆者の3代目柴犬も、自分のごはんが誤って床に転がってしまって、尚且つその居場所が特定できずにいる間は、それを取るまで幾度となく鼻を使って臭いの出所を探し出そうと必死になります。

食欲旺盛、好奇心旺盛なワンコを迎えた飼い主さんなら…、お察しになられますよね。

そのため、“もふもふプッシュ”をしてしまう可能性が高いワンコについては、上記の5つのポイントは、最低限抑えておくよう注意しておいてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?

“もふもふプッシュ”という言葉は、本当につい最近独立行政法人製品評価技術基盤機構nite(通称ナイト)にて公表され、注意喚起されたものなので、まだまだ認知度は低いものだと思います。

今後もっと広がっていくかもしれません。

今一度本当に危険なものではないのか、自分たちの生活環境をしっかりと確認することを心掛けたいものですね。

<参考サイト>

“もふもふプッシュ”にご用心~「ペットによる火災事故」を防ぐポイント~
>https://www.nite.go.jp/data/000153596.pdf

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。