飼い主さんが座っていると、愛犬が足や腕にあごをちょこんと乗せてくることはありませんか?
とてもかわいい仕草ですが、愛犬があごを乗せてくる心理はなんなのでしょうか。
今回は「愛犬があごを乗せてくる理由5つ」と「あご乗せをされたときの注意点」をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
「犬があごを乗せてくるのはなぜ?」あご乗せの理由5つ
愛犬があご乗せをしてくる心理はなんなのでしょうか。
考えられる理由を5つご紹介します。
▼愛犬があご乗せをしてくる理由5つ
犬があご乗せする理由①「かまってほしい」
犬があご乗せする理由②「安心している」
犬があご乗せする理由③「甘えたい」
犬があご乗せする理由④「食べ物がほしい」
犬があご乗せする理由⑤「リラックスしている」
犬があご乗せする理由①「かまってほしい」
飼い主さんの意識を自分に向けてほしくてあご乗せをしている可能性があります。
あご乗せ以外にも「鼻で飼い主さんをつつく」「服を甘噛みする」といった行動も見られることがあります。
「暇だからかまってよ」というサインなので、飼い主さんの都合がよければそのまま遊んだり、なでてあげましょう。
ただし、遊んだりなでたりする前に「おすわり」「ふせ」などのコマンドを出して、指示に従った報酬としてかまうようにしましょう。
「あご乗せ=かまう合図」になっていると、かまうことができない場合「吠える」「飛びつく」といった行動にエスカレートするおそれがあります。
犬があご乗せする理由②「安心している」
体を寄せる、寄り添うという行為は「あなたのことを信頼しているよ」という犬からのサインです。
体を寄せてあごを密着させることで、飼い主さんの体温や匂いを感じて安心しているのでしょう。
また、犬にとってあごや口周りは敏感な場所なので、触られるのが苦手です。
その苦手な場所を飼い主さんに預けているということは、心から飼い主さんのことを信頼しているという証です。
犬があご乗せする理由③「甘えたい」
飼い主さんに甘えたいときにもあご乗せをします。
あごを乗せながら上目遣いでこちらの様子を伺ってきたら「甘えたいよ」というサインかもしれません。
かわいい仕草にすぐさまなでたくなりますが、「かまってほしい」場合と同じくなでる前に「おすわり」「ふせ」などのコマンドを出し、報酬としてなでてあげるようにしましょう。
「あごを乗せる=なでる合図」になっていると、すぐになでることができない場合、なでてもらうために「吠える」「噛みつく」といった行動へエスカレートしやすいです。
犬があご乗せする理由④「食べ物がほしい」
飼い主さんが物を食べているときにちょこんとあごをのせてきたら、食べ物が欲しくてあご乗せをしているのかもしれません。
仕草がかわいいのでつい食べ物をあげたくなってしまいますが、ダラダラ食いを習慣化してしまうとあっという間に太ってしまいます。
また、人の食べ物の中には犬によくない影響を与えるものもあります。
食べ物を欲しがってあご乗せをしてきたときは、カロリーや与えるものに十分注意してください。
犬があご乗せする理由⑤「リラックスしている」
犬が休みたいときや眠りたいときは安心できる場所やリラックスできる場所に移動します。
飼い主さんのお腹や手、腕などにあごを乗せてウトウト眠るという仕草が見られたら、飼い主さんが愛犬にとって一番リラックスできる場所になっているということですね。
犬が物(クッション・段差など)にあごを乗せている理由は?
愛犬が飼い主さんにあご乗せをするのは、いろいろな理由があることがわかりました。
では、クッションや段差などにあごを乗せている場合はどうでしょうか。
飼い主さんから見ると、一見寝苦しそうな場所にあごを置いて寝ていることもありますね。
犬にとってあごは骨伝導で外敵の動きを察知することができる大切な器官です。
その異変を察知することができるあごを物に預けているということは、犬にとって十分リラックスできる場所ということです。
「なんでこんな場所にあごを乗せているの?」と感じることもあると思いますが、愛犬にとっては心地よい体制なので、無理に起こしたり移動させたりしないようにしましょう。
犬があご乗せをしてきたときの注意点
愛犬があご乗せをしてくるのは飼い主さんへの愛情であることが多いです。
しかし、愛犬からあご乗せをされたときに注意をしてほしいことが1点あります。
それは欲求がだんだんエスカレートしていくことです。
最初に少し触れましたが「あご乗せ=かまってもらえる」と学習すると、かまってもらえないときに吠えたり噛んだりして自分の欲求を通そうとする行動がみられることがあります。
また「こうすれば自分の言うことを聞いてくれる」と学習すると、自分勝手な行動が増える可能性もあります。
愛犬の欲求に応えてあげることはとても大切ですが、メリハリをつけて接するようにしましょう。
犬のあご乗せには色々な理由が隠れていることがわかりました。
仕草がかわいいので、ついかまいすぎたり愛犬が望む行動を取りがちですが、対応によっては問題行動を起こすきっかけにもなってしまいます。
愛犬の気持ちを読み取りながら、メリハリをつけて愛情をそそいであげたいですね。
<参考書籍>
「困った行動」がなくなる犬のこころの処方箋 村田 香織
動物の精神科医が教える 犬の咬みグセ解決塾 奥田 順之
画像元
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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