生まれた故郷や応援したい自治体に寄付が出来るふるさと納税。
皆さんは、そのふるさと納税で「犬の保護活動に貢献できないかな?」と考えたことはありませんか?
実はその方法あります。ふるさと納税で支援可能です!
今回は、多くがボランティアやNPO法人で構成され、寄付による支援が欠かせない動物愛護団体へ、ふるさと納税で寄付が出来る主な自治体やその寄付金の使い道、注意点をご紹介します。
<目次>
ふるさと納税で犬の保護活動が出来るって本当?
結論から申し上げれば、「ふるさと納税」で犬の保護活動を支援することは可能です。
通常、「納税」とは、例え地元が地方であっても、現在ご自身が生活している拠点が都会であれば、その納税義務はその拠点のみに発生し、故郷に限らずその他の自治体への応援は叶いません。
しかし、自らの意思で、自らが応援したいと思った自治体に『寄付』が出来る「ふるさと納税」が開始されてからは、今では多くの自治体が動物愛護のために、その寄付金を役立てています。
動物愛護に関する「ふるさと納税」での寄付は、基本的に多くの命を守る目的で募っているため、寄付をする自治体によっては返礼品がないところも存在します。
ですが、税制面の控除という点においては、返礼品の有る無しに関わらず恩恵を受けられます。
2021(令和3)年4月から2022(令和4)年3月までの最新データでは、犬猫の殺処分数は年々減少傾向にあるものの、現在もまだ若干数、犬、猫共に救えていない命があります。
▲環境省|犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況|全国の犬・猫の殺処分数の推移
出典元:https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
「ふるさと納税」は、普通に活用するだけでも地域の活性化に繋がりますが、犬や猫の保護活動に「ふるさと納税」で貢献することは、返礼品以上に大きな成果を得られる選択肢の一つになり得ると言えるでしょう。
ふるさと納税で動物愛護活動の支援を推進している自治体
では、主に「ふるさと納税」で動物愛護活動の支援を推進している自治体をここではご紹介します。
「ふるさと納税」の活用によって、保護犬の医療支援や災害救助犬や盲導犬の育成支援など、支援したい自治体には以下のような支援先があります。
東京都へのふるさと納税
東京都港区では、「ふるさと納税」で寄付する金額を好きな団体に指定できる仕組みが取られており、その中の対象団体として公益社団法人アニマル・ドネーションをインターネットまたは電話による書面申込にて選択すると、全国各地で活動されている動物愛護団体の応援に活用することが出来ます。
「ふるさと納税」で行った寄付金は、収益のうちの7割が公益社団法人アニマル・ドネーションに交付されます。
これらの寄付金の主な使い道は、犬や猫の医療費、食費、設備費を支援するアニマル・ドネーションの公益活動に充てられます。
(※この情報は2024年8月時点のものです。)
広島県へのふるさと納税
広島県神石高原町では、同町に本部を置くNPO法人ピースウィンズ・ジャパンが運営する『ピースワンコ・ジャパン』と連携して、「犬・猫の殺処分0」の取り組みを掲げています。
『ピースワンコ・ジャパン』では2016(平成28)年に広島県での犬猫の殺処分は0になり、現在に至るまで殺処分機は再稼働していません。
「ふるさと納税」による寄付金は、一部収益がフィラリア予防や去勢・避妊手術の医療費や食費、保護活動や譲渡活動、人慣れトレーニングなど様々な活動に充てられます。
また、NPO法人ピースウィンズ・ジャパンへのふるさと納税では神石高原の新米やデザートの返礼品や、寄付者への返礼品ではなく『ピースワンコ・ジャパン』で生活している保護犬へのフード提供などで支援することも出来ます。
<申込方法>
インターネット: ふるさとチョイス
(※この情報は2024年8月時点のものです。)
神奈川県へのふるさと納税
神奈川県では、神奈川県に保護された犬や猫が、新しい飼い主さんと出会い、幸せに暮らすことが出来るようにするための基金として、2018(平成30)年4月1日から、【かながわペットのいのち基金】を創設しており、この活動を通して、「ふるさと納税」で寄付された寄付金を、ケガや病気の治療、しつけや譲渡推進に役立てています。※¹
また、2021(令和3)年からは、不適切な多頭飼育による犬や猫の繁殖を防ぐ目的で、「ふるさと納税」などで募った寄付金を去勢・避妊手術や適正飼養の推進に向けた取り組みにも充てています。※²
返礼品には屋形船でのディナーペアチケットや新江ノ島水族館の入場券など、神奈川県ならではの返礼品を受け取ることが出来ます。
※¹横浜市・川崎市・横須賀市を除く全地域
※²横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市を除く全地域
<申込方法>
インターネット:ふるさとチョイス
電話:045-210-4947
※「お礼の品」不要の寄付を選択後、表示された寄付金の使い道で「かながわペットのいのち基金」にチェックを入れて、お手続きをします。
(※この情報は2024年8月時点のものです。)
その他オススメの動物保護支援が可能な自治体
上記でご紹介した自治体以外にも、返礼品の有無に関わらず「ふるさと納税」での支援が可能な自治体は以下のような支援先があります。
徳島県
徳島県では動物愛護センターに保護された犬の中から適性がある犬を選んで、災害救助犬やセラピードッグなどの育成、加えて新たに整備した「譲渡交流拠点施設」を活用することで、犬や猫の殺処分0を目指しています。
多くの自治体がある中、こういった取り組みを行ったのは、徳島県が全国初で、「ふるさと納税」として寄付される寄付金は、その育成事業や去勢・避妊手術に充てています。
佐賀県
佐賀県では2008(平成20)年3月に、人と動物の共生実現を目指して「佐賀県動物愛護推進計画」を策定しており、2015(平成27)年3月には、佐賀県が保護引き取った犬や猫を適切に飼養管理し、新たな飼い主さんへ譲渡とするための専用施設、「いっしょけんね」をオープンさせました。
「わんにゃんサポートプロジェクト(ふるさと納税)」で募った寄付金は、マイクロチップの装着や去勢・避妊手術費用のほか、離乳前の子犬や子猫に対するミルクボランティア制度などに充てられています。
熊本県
熊本県熊本市では、全国に先駆けて犬猫の殺処分0を掲げ、人と動物が共に共生できる安心安全な住みよい町作りを目指し、動物愛護の推進を「ふるさと納税」で支援することが出来ます。
「ふるさと納税」で寄付した寄付金は、主に保護犬保護猫の食事やミルク、医薬品等の購入や、去勢・避妊手術の実施、地域猫活動の推進などのために充てられています。
ふるさと納税で保護活動の支援をする時の注意点
「ふるさと納税」は、ご自身で応援したい自治体に寄付することで、翌年の所得税や住民税を控除、還付してもらえる制度です。
そのため、犬の保護活動を「ふるさと納税」で支援する際には、ご自身の税金の控除上限額を調べる必要があります。
また、家族構成によっても控除上限額が変化してくるため、注意が必要です。
ご自身の控除上限額はふるさと納税のサイトで必要な情報を入力することで簡単に確認することが可能ですが、以下の計算式でも確認することが出来ます。
・住民税からの基本控除額=(ふるさと納税額-2,000円)×10%
・所得税の還付額=(ふるさと納税額-2,000円)×所得税率
これらの控除や還付については、原則として後に「ふるさと納税」で寄付した自治体から『寄付金受領証明書』という書類が送られてくるため、この書類を添えて、確定申告で手続きする必要があります。
ただし、この確定申告は必ずしも必要という訳ではなく、以下の条件を満たしている場合には、郵送が不要でスマホで完結できるワンストップ特例という特例によって、確定申告が不要になります。
・ふるさと納税以外の確定申告が必要ではない(会社員など)
・1年間(1月~12月)でふるさと納税の寄付先が5自治体以内
以上が確定申告がなくても所得税の還付および所得税の控除が可能な方法です。
まとめ
いかがでしたか?
普段から愛犬、愛猫のために動物愛護団体の方々は様々な媒体や場所で寄付金を募っていますが、やはりその維持費を集めるのはなかなか骨の折れるものだと思います。
ただ、寄付する側からすると、活動内容があまりにも不透明だと本当に動物たちに寄付金が届いているのか、不安にもなってしまいますよね。
しかし、動物保護団体への寄付が出来る「ふるさと納税」であれば、その不安も払拭できるのではないでしょうか?
動物愛護団体への寄付を行いたいと思った際には、是非とも「ふるさと納税」での寄付をご検討くださいね。
<参考サイト>
環境省|犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況
>https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/statistics/dog-cat.html
ふるさと納税ガイド|
>https://furu-sato.com/magazine/37562/
公益社団法人アニマル・ドネーション
>https://www.animaldonation.org/
ピースワンコ・ジャパン ワンコとヒトの幸せのために
>https://peace-wanko.jp/
神奈川県|「かながわペットのいのち基金」への寄附のお願い
>https://www.pref.kanagawa.jp/docs/e8z/pet-inoti-kikin.html
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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