「愛犬が脱走した」「愛犬が迷子になった」という場合、見つけるためにどんな場所を探してどんな行動をとればよいのでしょうか。
迷子犬が発見されたときデータを見てみると、発見された場所や行動パターンにある程度共通点があることがわかりました。
今回は「迷子になった犬の行動パターン」や「迷子犬が見つかる確率」「迷子に気づいたときに飼い主さんがとる行動」などを解説しますので、愛犬を見つけ出す手がかりにしてみてくださいね。
<目次>
「迷子になった犬はどこにいる?」迷子犬の行動範囲
愛犬が迷子になった場合、どういった場所で発見されることが多いのでしょうか。
島根県の出雲保健所が報告した「迷子犬が保護された場所」のデータによると、自宅から保護された場所までの距離は下記のようになりました。
▼迷子犬が保護された場所(自宅から発見場所までの距離)
▼迷子犬が保護された場所(自宅から発見場所までの距離)
・「自宅から半径0~0.1kmで保護」12%
・「自宅から半径0.1~0.5kmで保護」41%
・「自宅から半径0.5~1kmで保護」19%
・「自宅から半径1~2kmで保護」16%
・「自宅から半径2~3kmで保護」7%
・「自宅から半径3~9kmで保護」5%
データを見てみると「自宅から半径0.5km以内」で保護される犬の割合は53%で、「自宅から半径3km以内」だと90%以上の犬が保護されているという結果になりました。
つまり迷子になってから日数が経っていない場合、自宅からあまり離れていない場所で保護できる可能性が高いということになります。
ただ、犬が1日に移動できる距離は「小型犬が300m~1km程度」「中型犬・大型犬が1~5km程度」といわれているので、迷子になってから日数が経つほど遠くに移動している可能性があります。
迷子になった場合、一直線に自宅から離れていくというよりも知っている場所をウロウロしたり、道を何度も行き来するという行動がみられるので、愛犬の性格を考えながら少しずつ捜索範囲を広げていきましょう。
「年齢や性別で違う?!」迷子犬の行動パターン
では、迷子になった犬はどういった行動パターンを取ることが多いのでしょうか。
すべての犬に当てはまるわけではありませんが、性別や年齢などによって取りやすい行動パターンがあるので、愛犬を探す際の参考にしてみてください。
迷子犬がオスの場合
去勢をしていないオスの場合、メスの匂いに反応して追いかけている可能性があります。
数キロ先のメスの匂いを察知できるといわれているので、移動距離が広範囲になる可能性があります。
また去勢をしたオスの場合でも、他の犬のマーキングの匂いをたどって色んな場所を転々としていることがあります。
移動距離や移動スピードは早いものの、いつもの散歩コースや友達犬の家など知っている場所にとどまっているケースも多いため、愛犬のなじみのある場所を調べつつ捜索範囲を広げて行くとよいでしょう。
迷子犬がメスの場合
オスに比べると行動範囲が狭く、ゆっくり行動することが多いです。
そのため、自宅周辺やいつもの散歩コースにとどまっている可能性が高いので、自宅周辺を中心に捜索を行いましょう。
迷子犬が子犬の場合
子犬は体力があり好奇心も旺盛です。
そのため興味をもった人や物について行ったり、行ったことのない道を探索している可能性があります。
自宅近くの色んなルートを捜索してみましょう。
またなかなか発見できない場合、他の方が保護している可能性があります。
周囲に迷子犬のポスターを貼ったり、犬友達に聞き込みをするなど目撃情報も集めておきましょう。
迷子犬が老犬の場合
老犬の場合、体力があまりないのでどこかで休みながら移動している可能性があります。
ただ認知機能に衰えがあると、体力が続くかぎりひたすら歩き続けるので、予想以上の距離を移動していることもあります。
普段の愛犬の行動や体力を思い出しながら、捜索範囲を決めていきましょう。
犬が休めそうな公園や住宅地も合わせてチェックしておくとよいでしょう。
迷子犬が臆病な性格の場合
臆病な性格の犬の場合、近寄ってきた人や大きな音から逃げようと移動距離が長くなったり、行ったことのない場所に迷い込んでいる可能性があります。
パニックを起こして車道に飛び出したり、近寄ってきた人や犬に怯えて攻撃してしまうと危険です。
捜索機関や協力してくる方の手を借りながら、なるべく早く保護してあげるようにしましょう。
迷子犬が人懐こい性格の場合
人懐こい性格の犬の場合、興味を持った人について行ってしまうことがあります。
通りがかった方や近所の方が保護をしている可能性があるので、周辺の捜索に加えて迷子犬のポスターを貼るなど情報発信をしておきましょう。
愛犬が迷子になったときの連絡場所は?
愛犬が迷子になってしまった場合、どこに連絡をすればよいのでしょうか。
愛犬を見つけるために連絡する場所をまとめました。
▼愛犬が迷子になったときに連絡場所
・保健所 動物愛護センター
・警察
・周辺の動物病院
・保健所 動物愛護センター
愛犬が迷子になった場合、一刻も早く住んでいる自治体の保健所や動物愛護センターに届け出をしておきましょう。
迷子犬は自治体の保健所や動物愛護センターで保護される可能性が高いですが、預かる期間が決まっています。
期間を過ぎても所有者が現れない場合、譲渡や処分の対象になることがあります。
自治体によってはホームページに写真付きで迷子犬の情報を掲載しているので、こまめにチェックをしたり問い合わせをしてみましょう。
・警察
パトロール中に迷子犬を発見したり保護した方が警察に犬を連れてくると、一時的に交番や警察署で犬を預かっています。
犬はバッグや財布といった遺失物と同じ扱いになりますので、愛犬が迷子になった場合は遺失物届を出しておきましょう。
遺失物届を出しておけば、保護したときに連絡をもらうことができます。
・周辺の動物病院
保護をした方が動物病院に連れて行っている可能性もあります。
動物病院にはマイクロチップの読み取り機械があるので、マイクロチップに情報を登録しておけば動物病院から連絡をもらうことができます。
またかかりつけの動物病院だけでなく、近隣の動物病院にも連絡を入れておくと安心です。
迷子になった犬が見つかる確率は?
迷子になった愛犬が見つかる確率はどれくらいなのでしょうか。
全国の犬の迷子頭数と返還率(令和3年のデータ)を見てみると、迷子頭数が21,238頭だったのに対し、犬が飼い主さんの元に戻った頭数は8,402頭でした。
都道府県によって返還率が異なるので一概には言えませんが、全国的に見ると返還率が39%ほどなので決して高くないことがわかります。
保護をした方が保健所や警察に届けず、そのまま飼っているというケースもあります。
少しでも見つかる可能性をあげるために、迷子犬のポスターやSNSで情報を発信し続けて保護したくれた方が見つけやすいようにしておきましょう。
また、ペット探偵を雇って捜索範囲を広げてみることも大切です。
犬の迷子を防ぐために飼い主さんができること
では、愛犬の迷子を防ぐために飼い主さんができることはあるのでしょうか。
一覧にまとめてみました。
▼愛犬の迷子を防ぐために飼い主さんができること
・玄関や窓に柵を設置する
・迷子札を首輪につける
・リードや首輪が外れないかチェックする
・庭に放し飼いにしない
・雷や花火の日は要注意
玄関や窓は脱走ルートになりやすいです。
玄関や窓のそばに柵を設置して、脱走しにくい環境をつくりましょう。
また、犬を登録するときにもらえる鑑札や狂犬病予防注射済票を身につけておくと、登録番号を照会して飼い主さんに連絡することができます。
首輪やリードが外れやすい、庭で放し飼いをしている、花火や雷などの音が近くで鳴るといったシチュエーションは脱走を招きやすいです。
リードや首輪は破損やゆるみが無いかをこまめにチェックし、花火や雷がなる日は特に注意しましょう(網戸を突き破って脱走する犬もいます)
犬には帰巣本能があるとよく言われていますが、迷子になった犬の返還率を見てみると非常に低く、迷子にさせない対策を取ることが重要です。
1人だけで捜索をしようとすると心身ともに疲れ果ててしまうので、自治体や警察、犬友達やペット探偵など色々な方の力を借りながら捜索にあたってくださいね。
<参考URL>
迷子の犬をなくすために 島根県
>https://www.pref.shimane.lg.jp/infra/nature/animal/aigo_izumo/doubutu_jyouhou/maigonoinuwo_nakusutameni.html
新潟県動物愛護センター統計情報 新潟県動物愛護センター
>https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/seikatueisei/1340312497991.html
迷子犬の行動範囲 迷子ペットネット
>https://maigo-pet.net/
<画像元>
Unsplash
Canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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