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犬にも思春期があるの?研究で証明された詳しい反抗時期や行動、対処法を解説!

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「可愛い!」や「ぜひ我が家に迎えたい!」と思って迎えた愛犬が、ある日突然、反抗的な姿を見せるようになったと思ったことはありませんか?

せっかく可愛がりたいのに、何かにつけて唸られたり、威嚇されたりしたら悲しいですよね。しかしその反応、もしかしたら犬にもある思春期の兆候かもしれません。

今回は、海外の研究で証明された犬にもあった思春期に関する適齢時期やその主な行動、対処法をまとめました。

犬にも訪れる思春期は飼い主限定⁉

一般的に世間で知られる『思春期』とは、それまで主に人に対して使われる言葉で、その『思春期』時期に見せる特有の反抗行動や反応も、人が起こすものという考えが基本でした。

しかしつい最近、イギリスにあるニューカッスル大学とノッティンガム大学の共同によって示された研究では、今まで人で起こり得るとされてきた『思春期』は、犬にも起こり得ることだということを明らかにしたのです。

この研究対象として選ばれたのは、5か月齢~8か月齢の盲導犬候補のジャーマンシェパード、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、及びこれら2種の交雑種285匹でした。

そのうちの69匹については、雌のゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー及びこれら2種の交雑種による行動テスト、飼い主とドッグトレーナーに対するアンケート調査を実施し、その様子を観察したやり方で調査が行われました。

その結果、5ヶ月齢頃に飼い主との愛着要求が満たされなかった犬は、初回の発情時期が早まることが分かり、人で言うところの『思春期』に近い状態へ達するとのこと。

また、以下の図で示された5か月齢、8か月齢、12か月齢で比較・調査した飼い主とドッグトレーナーが感じた訓練に対する犬への反応性の違いでは、8ヶ月の時の『思春期』ほど反抗傾向が強く、言うことを聞かない結果になることが判明しました。

▽『犬の思春期における従順性』

▲(a):飼い主(b):分離関連行動への反応(c):ドッグトレーナー

出典元:https://royalsocietypublishing.org/cms/asset/2b5d1736-8c93-4537-b039-168b340bd641/rsbl20200097f02.gif

この図で示されている違いは、飼い主へ反抗的な態度を取る一方、ドッグトレーナーへはその反抗的な態度が見られないという、明らかなる人の『思春期』行動のような結果を示しています。

さらにこの反抗的な態度は、SRBという棒グラフで示された犬の分離関連行動 (愛着欲求)と関連しており、この行動(愛着欲求)が強ければ強いほど、『思春期』を迎えた時の犬の従順性は、弱く、言うことを聞きづらい反比例した結果になると明らかにしたのでした。

犬の反抗が訪れる回数は複数回ある

人の場合だと、『思春期=10代、もしくは遅くとも20代まで』という感覚がある人も多いと思います。

しかし、犬の場合は上記の研究結果に加えて、他にも適齢時期が存在すると言われているため、ここでは、その複数存在する反抗適齢時期を以下で確認してみましょう。

第1反抗時期:5か月齢~8か月齢

この時期は、愛犬が女の子であれば発情期を迎え、愛犬が男の子であればマーキング行動が始まる時期に差し掛かります。

また、上記で示した研究結果の時期とも重なるため、この時期は犬の反抗的な態度が最も多く見られるかもしれません。

ただ、人でも反抗している姿を見せる人と見せない人が居るように、犬にも反抗している姿を見せる犬と見せない犬がいるため、一概に「この時期には思春期が訪れる!」と考えないよう注意が必要です。

第2反抗時期:2歳~5歳

この時期は青年期を無事迎え、自我もしっかりと芽生えた時期になります。そのため、自己主張が強まったり、ちょっとした事でも攻撃性を示したり、何かにつけて飼い主さんに対しても反抗的な態度を取りやすい状況です。

この時期も当然人と同じように反抗的な態度が見られる場合とそうでない場合とに分かれますが、この時期の思春期兆候は、犬自身の力強さが若年期(生後半年~9か月頃)に比べてその比ではないため、慎重な行動を心掛けることが大切です。

第3反抗時期:7~8歳以降

意外なことにシニア期に突入する時期にも、反抗期というものが存在する場合があります。

ただこの場合の反抗は、筋力や視力、聴力などの衰えによって生じた怖さや憤り、また、もしかしたら病気やケガのストレスなどから来ている可能性が考えられるため、それまで大人しかった愛犬が急に反抗的な態度を示すような場合には、そうした年齢特有の傾向に注意しておく必要があります。

犬の思春期で見られる主な反抗行動とは?

それでは、犬が『思春期』を迎えた場合に見られる主な反抗行動にはどのような行動が考えられるのでしょうか?

一般的に考えられている反抗行動を以下でご紹介します。

▼【犬の思春期に見られる反抗行動】

・飼い主さんの言うことを聞かなくなる
・飼い主さんに対して唸ったり、噛みついたりしようとする
・それまでできていたトイレなどを失敗するようになる
・要求吠えや自己主張が強くなる

それぞれ一つずつ詳しい状況を見ていきましょう。

飼い主さんの言うことを聞かなくなる

「オテ」や「お座り」など、それまで問題なく出来ていたしつけが出来なくなったり、名前を呼んでも無視したりする場合、それは愛犬が『思春期』を迎えている証かもしれません。

特に研究結果でも示された8か月齢前後を迎えている愛犬の場合、この行動は顕著に見られる可能性があります。

飼い主さんに対して唸ったり、噛みついたりしようとする

例えば、飼い主さんが愛犬と遊ぼうと思った時に、愛犬お気に入りのおもちゃに手を伸ばそうとしたら唸られた、噛みつこうとしたといった場合、こうした場合も反抗の表れかもしれません。

また、気に入らないことがあった時にもこうした反応を見せる場合があり、最悪は飼い主さんに対して本当に噛んでしまう子もいるため、注意が必要です。

それまでできていたトイレなどを失敗するようになる

しっかりとトイレをマスターしたにも関わらず、ある日を境にマスターしたはずのトイレを失敗するようになってしまった場合も、反抗心からくる行動の表れかもしれません。

というのも、犬はとても賢い動物なので、飼い主さんが愛犬のトイレ成功に対して適当に褒めているかそうでないかはバレてしまっていることがあります。

そのため、しっかり愛犬を褒めていない場合はその反抗心から、愛犬はトイレ以外で粗相をする可能性があります。

要求吠えや自己主張が強くなる

自我が芽生えてくると、飼い主さんへ何か要求をする時に、しつこいくらいに要求吠えをしたり、自己主張したりすることがあります。

散歩中は自分の行きたい方向に行きたがったり、嫌だと思った方向は逆に行きたがらなかったり、また、愛犬がオスの場合には、縄張り意識が強くなることで、他犬に対して威嚇をしたり、強気に出たりすることもあります。

犬に反抗行動が見られた時の対処法

愛犬が『思春期』を迎え、飼い主さんに対して反抗的な態度ばかりが目に付くようになった時には、愛犬は成長期をしっかりと迎えている証だと受け止め、飼い主さん自身もこの行動は一時的なものだと割り切ることが大切です。

愛犬の『思春期』が落ち着くまでは、基本的には怒ったり叱ったりするのではなく、今出来ている事や反抗していない時の態度などを褒めてあげるように心掛けましょう。

また、繰り返しになりますが、犬の『思春期』というのは人の思春期同様、いつどんな時に行動・態度として表れるかは分かりません。

そして、上記でも述べたように、犬が『思春期』に見せる反抗行動は、親しい飼い主さんほど見せる傾向が強いため、飼い主さんは愛犬がこういう態度を見せるのは決して嫌っているからではなく、心を開いているからこそと受け止めておくことも肝心です。

犬の『思春期』はいつ始まって、いつ終わるかはその子次第なので一概にいついつまでには落ち着くといった正確なことは言えません。

しかし、少なくともそれまで出来ていたトイレトレーニングやオテ、お座りなどの基本的なしつけが出来なくなってしまった場合には、叱ったり怒ったりするのではなく、また始めからトレーニングをする気持ちで愛犬と接するよう心掛けるようにしましょう。

そうすることで、愛犬の気持ちも落ち着きやすくなるはずです。

まとめ

犬の『思春期』は、人の思春期と同じように親しい間柄にある人に対してその反抗行動を示します。

また、その態度というのも、若者が見せる10代の反抗的態度のそれと似ています。

そのため、間違っても、マズル(口)を掴んだり、叩いたり、大声で怒鳴ったりといった力で抑え込むようなことはせず、飼い主さんは一貫して親のような心持で愛犬と接するよう心掛けると良いでしょう。

<参考書籍>

気持ちを知ればもっと好きになる! 犬の教科書

イラストでわかりやすい! 愛犬との絆がぐーっと深まる本

<参考サイト>

イヌの思春期、どう過ごしてる?|ジェネプロ研究
>https://www.azabuderukui.info/wp-content/uploads/2023/05/pj2023_20.pdf

Teenage dogs? Evidence for adolescent-phase conflict behaviour and an association between attachment to humans and pubertal timing in the domestic dog|10代の犬?家庭犬における思春期の葛藤行動と人間への愛着と思春期の関連性の証拠
>https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rsbl.2020.0097#RSBL20200097F1

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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