夏の暑さ対策に扇風機を利用する方も多いのでないでしょうか。
人にとっては涼しさを感じる扇風機ですが、犬にとってはどうなのでしょうか。
今回は「犬の熱中症対策に扇風機は有効なのか」や「犬に扇風機を使用する際の注意点」をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
犬は扇風機を涼しく感じる?それとも感じない?
人は扇風機に涼しさを感じますが、犬はどうなのでしょうか。
人が扇風機に涼しさを感じるのは、全身にかいた汗が蒸発して体温が奪われるからです。
犬が汗をかける場所は肉球などごく一部なので、扇風機の風にあたっても涼しさを感じにくいと考えられています。
ただ犬の毛には空気を含む層(二次毛)があり、風に当たると層の空気の入れ替えることができるので、風に当たることで多少は体の熱を和らげることができます。
扇風機は犬の熱中症対策に効果あるの?
犬は扇風機の風で涼しさを感じにくいとお話しました。
では、扇風機は犬の熱中症対策として効果的なのでしょうか。
先ほどお話ししたように扇風機の風を涼しく感じるのは、汗が蒸発することで体温が下がるからです。
犬は全身に汗をかくことができないので、扇風機単体では涼しさを感じにくく、熱中症対策としての効果は薄いと考えられます。
ただ、他のものと併用すると効果的に部屋全体を冷やしたり、早く体温を下げることができるので、愛犬の暑さ対策に有効な扇風機の使い方を覚えておきましょう。
扇風機の効果的な使用方法は?
犬の暑さ対策に有効な扇風機の使い方は何でしょうか。
▼愛犬の暑さ対策に有効な扇風機の使い方
・エアコンと扇風機を併用する
・霧吹きと扇風機を併用する
・エアコンと扇風機を併用する
冷たい空気は下にたまるので、部屋の中でも温度差ができて床に近い場所で生活している犬は冷えすぎているかもしれません。
エアコンと扇風機を併用すると部屋の空気をかき混ぜて、部屋の温度を均一化してくれます。
エアコンの対角線上に扇風機を置くと、効率的に空気を循環させることができます。
・霧吹きと扇風機を併用する
犬の体に霧吹きで水をかけて扇風機を使用すると、気化熱で体温を下げることができます。
ただ、エアコンがきいた室内で行うと体が冷えすぎてしまう可能性があるので、屋外から帰ってきて早く体温を下げたい場合や犬が暑がっているときなどに活用するとよいでしょう。
犬に扇風機を使用するときの注意点5つ
では、犬に扇風機を使う場合に注意しなければならないことはなんでしょうか。
注意点を5つご紹介します。
▼犬に扇風機を使用するときの注意点
①「コードにカバーをかける」
②「使用するときは飼い主さんがいるときだけ」
③「扇風機が倒れないようにする」
④「犬に直接当てすぎない」
⑤「扇風機のはねで怪我をしないように気をつける」
①「コードにカバーをかける」
扇風機のコードに噛みついたり、コンセントを引っ掻いたりする可能性があります。
感電のおそれがあるのでコードやコンセントにカバーをつけたり、コードを隠すなど予防策をとりましょう。
特に子犬は事故を起こす可能性が高いので、子犬を飼っている家庭で扇風機を使う場合は注意してください。
②「使用するときは飼い主さんがいるときだけ」
扇風機を倒したりはねに毛が巻き込まれるなど、思いもしない事故が起きる可能性があります。事故が起こったときにすぐに対処できるように、扇風機を使用するときは飼い主さんがいる時間帯にしましょう。
③「扇風機が倒れないようにする」
犬がぶつかったりコードに足を引っ掛けて扇風機が倒れる可能性があります。
扇風機の周りをフェンスで囲ったり、粘着テープで床に固定するなど扇風機が倒れないよう対策をとりましょう。
④「犬に直接当てすぎない」
子犬は体が小さいので冷えやすく、老犬は暑さや寒さに敏感です。
直接風を当て続けると体調を崩すおそれがあります。
犬に扇風機を使う場合は直接風を当てることは避け、部屋の空気を循環させることに使用するのをおすすめします。
⑤「扇風機のはねで怪我をしないように気をつける」
はねがついている扇風機を使用している場合、はねの部分に触れて怪我をしたり毛が巻き込まれる可能性があります。
扇風機に挟み防止のカバーをつけたり、扇風機周りを柵で囲うなど犬が扇風機に近づきすぎないように対策をとりましょう。
また、犬に使用する扇風機ははねなしのものも選択するのもよいでしょう。
愛犬の暑さ対策として扇風機を使っている方も多いかもしれませんが、実は人ほど涼しさを感じていないようです。
ただ、エアコンと一緒に使用すると空気のむらをなくして、冷房効率をあげることができます。
節電効果も期待できるので、事故防止策を取りながら上手に暑さ対策に扇風機を取り入れていきたいですね。
<参考URL>
犬の毛のフシギ
>https://www.peppynet.com/library/archive/old/html/n1906/1/2
ペットの熱中症と対策 平成31年度熱中症対策シンポジウム
>https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/sympo/20190602_5.pdf
<画像元>
Canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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