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サマーカットは犬の毛質を変化させる⁉注意が必要な犬種やサマーカットなしで涼しくする方法

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年々暑さが厳しくなる夏。

今年はさらにその暑さが例年よりも上回る予想と発表されましたが、皆さんは愛犬のトリミングなどの予定はありますか?

愛犬をサマーカットにしてあげようかと検討している飼い主さんも多いかもしれません。

けれど犬のサマーカットは、時と場合によっては毛質自体が変化する可能性があるというのです。

今回は、そんなサマーカットにまつわる内容をご紹介します。

サマーカットは案外涼しくならないの?

犬の持つ豊富な被毛をカットすることで、一見涼しくなりそうなサマーカットという技法。けれどこの方法を愛犬に試しても、実のところそれほど涼しさにはあまり効果がないと言われています。

それはなぜなのでしょうか…。

それは主に以下のような理由が挙げられます。

▼【サマーカットをしても案外涼しくならない理由】

・本来の体温調整機能が果たせなくなるから
・直射日光などの影響で逆に暑さが増してしまうから
・自然な換毛サイクル・断熱効果を妨げてしまうから

特にダブルコートの犬種については、大体春と秋の2回、季節の丁度変わり目あたりから体温調整と関係するアンダーコートの抜け変わりが盛大にやってくるため、それだけでも十分暑さ対策の役割が果たせていると言われています。

また、断熱効果についても適度な被毛の長さがあることで皮膚への直接的なダメージを防げるため、必ずしもサマーカットが涼しさに直結する対策という訳ではないことを覚えておきましょう。

犬の被毛と言うのは、人が使う素材で言うところのシルクや綿、麻といった『夏は涼しく、冬は暖かい』役割を果たしてくれる万能な機能を持ち合わせています。

そのため、サマーカットを検討する際には、まずは『サマーカットは必ずしも涼しくなる方法とは限らない』ことを念頭に置いておきましょう。

毛を刈ることで起こる毛質変化『毛刈り後脱毛症』って?

『毛刈り後脱毛症』といった、あまり聞き慣れない症状。

この『毛刈り後脱毛症』という症状は、その名の通り、例えば手術後やトリミング後、そしてサマーカット後などの毛を刈った後にその毛が伸びてこない状態のことを表しています。

そもそも犬の毛は、人の髪の毛同様『成長初期』→『成長期』→『退行期』→『休止期』という毛周期を経て毛が生え変わります。

その毛周期のおおよその期間は、通常であれば3週間ほどで育毛が見られるため、その期間を経れば刈る前の元のフサフサの被毛に戻るはずなのです。

しかし『毛刈り後脱毛症』が起こってしまった場合には、その3週間では毛が生えてこなかったり、伸びてこなかったりする子がいて、最長では毛が生え揃うまでに1年以上の期間を要することがあると言われているのです。

また厄介なことに、この『毛刈り後脱毛症』、例え無事に毛が生え揃ったとしても、毛質自体が変化してしまう可能性があるとも言われています。

『毛刈り後脱毛症』になってしまう原因は、今のところハッキリと解明されておらず、加えて治療法についても確立されていないのだとか。

さらに、特にこの症状が発症しやすい犬種にはポメラニアンが該当しやすい傾向にあるため、ポメラニアンのサマーカットを検討する場合には、今後伸びづらくなる可能性も十分理解しておくよう、心掛けましょう。

『毛刈り後脱毛症』に注意が必要な犬種

『毛刈り後脱毛症』は、犬種によって注意が必要な犬種が存在します。いくつかその種類を確認してみましょう。

▼【毛刈り後脱毛症に要注意な犬種】

・チワワ
・ポメラニアン
・シベリアン・ハスキー
・アラスカン・マラミュート
・シェットランド・シープドッグ
・ダックスフンド
・柴犬

以上が『毛刈り後脱毛症』に注意が必要だとされている犬種です。

これら犬種を見る限りでは、どの犬種もダブルコートと言うことと、比較的寒い地域とされる北欧原産犬種が多い印象だと言うこと以外、目だった特徴は見当たりません。

ただ、だからこそ『毛刈り後脱毛症』の発症自体は、どの犬種でも起こり得る可能性がある、と認識しておくことが大切です。

一説では猫に施したサマーカットによっても、『毛刈り後脱毛症』が発症した例があるとされているため、愛犬だけではなく愛猫も迎えていらっしゃるという飼い主さんにおいては、併せて注意しておくよう心掛けましょう。

そして、少なくとも上記の7犬種において言えば、ご自身の独断でサマーカットを検討される前に、獣医さんからの指示やアドバイスを仰いでから検討するよう心掛けると良いでしょう。

サマーカットが必要な犬種とは?

それでは逆にサマーカットが必要な犬種とは、果たして存在するのでしょうか?また存在するとしたら、それは一体どんな犬種が当て嵌まるのでしょうか?

結論から申し上げれば、サマーカットがどうしても必要な犬種というのは、存在しません。

犬は基本的に必要に迫られない以上、毛をあえて刈る必要性はないと言われています。

例えばご自身が迎えた犬種が長毛犬種で、ブラッシングを嫌がって毛玉が出来てしまいやすい時には、カットする必要はあるでしょう。

また、皮膚疾患を持ち合わせていたり、肥満の影響で夏バテしやすかったりする子も、そのままにしておく方が悪化してしまう危険性がある時には必要となり得ます。

しかし、これといって毛を短くする必要性もないのにサマーカットを必要とするか否かという点について言えば、あえてする必要性はありません。

むしろ必要でもないのに愛犬を安易にサマーカットをしてしまうと、『毛刈り後脱毛症』以外の意外な落とし穴に嵌ってしまう可能性があるため、注意しましょう。

サマーカットの意外な落とし穴は夏場欠かせないアレだった!

さて、これまで犬に施すサマーカットの効果の在り方や『毛刈り後脱毛症』に関する基本的なこと、また、『毛刈り後脱毛症』が起こりやすいとされている犬の種類、それとは逆にサマーカットが必要な犬種などについてもお伝えしてきました。

しかし、サマーカットの必要性の有無は、先程も述べた通り、時として獣医さんの指示やアドバイスが関係してくる場合があります。

そのため、状況によってはサマーカットないし、トリミングが必要になってくる愛犬は居ることでしょう。

ただ、そうした場合に注意しておきたい事柄に、私たち人にとっても、愛犬たちにとっても欠かせない夏場のあのアイテムがあります。

そのアイテムと言うのは、意外な落とし穴としてもご紹介したエアコンなどの冷房機器です。

エアコンは、蒸し暑くなる梅雨時期から夏場にかけて、除湿や冷風などの機能が役立つ必須アイテムですが、愛犬の被毛をあまりにも短く刈り取ってしまうと、逆にそれは体の冷えを招く原因になってしまうことがあります。

体の冷えは、下痢や軟便などの原因だけではなく、免疫力などの低下も招いてしまいかねません。

したがって、犬にサマーカットないし、トリミングをする予定がある方は、カットした後の愛犬の体調管理や被毛ケアを忘れないように心掛けることが大切です。

サマーカットをせずに愛犬に涼しさを感じさせる方法

それでは、サマーカットをせずに愛犬自身に涼しさを感じてもらう方法をご紹介します。

ご自身の愛犬で当て嵌まるような内容がある場合には、以下の方法を試してから、サマーカットを検討してみてください。

サマーカットをせず涼しくする方法①:こまめなブラッシング

犬の被毛は、本来皮膚の保護や温度調整の役割を担っています。

そのため、あえてサマーカットをせずとも、こまめなブラッシングをすることで無駄な抜け毛を取り除けば、皮膚と被毛の間に空気を送り込んで通気性の良さを体感させてあげられます。

特にダブルコートの場合は春先と秋口頃から換毛期が始まるため、その時期にしっかりとブラッシングを行ってあげることで、体感温度の低下を感じさせてあげましょう。

サマーカットをせず涼しくする方法②:愛犬の体重管理の徹底

犬が暑さを感じる大きな理由には、何も夏場の気温の暑さだけが関係しているわけではありません。

犬が普段過ごしている環境の影響で、結果的に暑さを感じやすくなっている場合も少なくなく、その最たる原因として挙げられるのが愛犬の肥満に関する問題です。

肥満傾向にある犬は、たったそれだけでも余分な脂肪の断熱効果の影響で、暑さを感じやすい体質となってしまいます。

また、運動不足や呼吸の問題も暑さを助長させてしまう原因となっているため、愛犬の体重管理の徹底は、抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、涼しさを感じさせるためにも管理してあげましょう。

サマーカットをせず涼しくする方法③:接触冷感の服を着せる

陽が落ちてもしばらくムシムシとした暑さが残りやすい夏の時期は、あえて愛犬に接触冷感生地の洋服を着せて散歩に出掛けてあげると良いでしょう。

と言うのも、ここ最近の日本の夏は35℃以上の観測など気温が暑すぎて、犬に危険なフィラリア症をもたらすあの蚊ですら活動を止めてしまいます。(蚊の一般的な活動目安温度:20℃~30℃)

ただ、それは裏を返せば日が暮れた後に多くなる愛犬たちの散歩時間と蚊の活動タイミングが被ってしまうということでもあるのです。

しかし、あえて接触冷感生地の服を愛犬に着せて散歩に出掛けてあげれば、しばらく残るムシ暑さと蚊の吸血の予防が一気に解決できるため、涼しさを感じさせる方法として、とてもオススメです。

まとめ

サマーカットは、犬の個体によっては有益に働く場合もあるカット方法ではありますが、それが万人受けするものかと問われればそうとも限りません。

ただ、適度なカット方法はお手入れのしやすさやセルフメディカルチェックなどに役立てられることもあるため、サマーカットを検討する際は、長さの調整や獣医さんへの相談など、そういった面に気を配りながら愛犬に施してあげてください。

<参考サイト>

ふかつ動物病院|毛刈り後脱毛症
>https://www.fukatsu-vet.jp/blog/2019/09/post-177-697950.html

トリミングサロン sweet♡dog’s|サマーカットの注意点
>https://www.sweet-dogs.com/news/214/

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。