犬を飼っていると「動物病院に行くほどではないけど質問したい」「動物病院に連れていくか迷っている」ということ、意外と多いですよね。
そんなとき、動物病院に電話相談をするという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
飼い主さんにとっては心強い動物病院への電話相談ですが、直接診ないと回答できない内容であったり、頻繁に電話をかけて知らないうちに動物病院の業務を圧迫していたということもあります。
そこで今回は「動物病院に電話相談をする前に知っておきたいこと5つ」や「電話相談をする際の注意点」をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<目次>
動物病院への相談内容トップは「受診が必要か知りたかった」
動物病院に電話をするときに気になるのが「こんなことで電話したのって思われないかな」ですね。
ペットを飼っている方はどんな内容で動物病院に電話をかけることが多いのでしょうか。
ペット医療サービスを展開している株式会社チェリッシュライフジャパンが行ったペットに関する意識調査によると、動物病院に電話をかけた理由は下記のようになりました。
▼動物病院に電話をした理由を教えてください
調査を行った飼い主さん108名のうち実際に電話をかけた17名に電話をかけた内容を調査すると、8割以上の方が「受診が必要か相談したかった」という結果になりました。
明らかな体調不良や異変であればすぐに動物病院に向かうと思いますが、緊急性が高いのかわからず判断に迷うというシーンは少なくありません。
そのため心配なので相談して決めたいという飼い主さんは非常に多く、相談の内容の大半を占めているということが調査結果から読み取れます。
動物病院に電話相談をするのは迷惑なの?
忙しそうにしている獣医師さんや動物看護師さんの姿をみていると「相談したいけれど電話をかけたら迷惑かな」と気にしている飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
動物病院に電話で相談をすることは迷惑なのでしょうか。
基本的にかかりつけの動物病院であれば、快く電話相談に応じてくれるところが大半です。
ですが頻繁に電話相談だけを繰り返したり、長々と電話をかけ続けていると知らないうちに動物病院の業務を圧迫し、獣医師さんや動物看護師さんを困らせてしまっているかもしれません。
では、どんなことが動物病院を困らせてしまう電話になるのでしょうか。
動物病院に電話をする前に知っておきたいことを次章で詳しくみていきましょう。
動物病院に電話相談をするまえに知っておきたいこと5つ
▼動物病院に電話相談する前に知っておきたいこと
①「動物看護師や受付スタッフは診断ができない」
②「獣医師も電話で診断ができない」
③「電話相談だけを繰り返さない」
④「電話相談がNGの動物病院もある」
⑤「業務を圧迫していないか考える」
①「動物看護師や受付スタッフは診断ができない」
先ほど相談内容で一番多いのは、受診をしたほうがいいのかの相談とお伝えしましたね。
電話をすると最初に対応してくれるのは、動物看護師さんや受付スタッフのことが多いです。
この「様子をみてもいい」「すぐに受診したほうがいい」という判断は医療行為の診断に当たります。
診断は獣医師の独占業務になるので、動物看護師さんやスタッフの方が勝手に判断して回答することはできません。
また、検査や触診をしないと気づかない異変が起きていることもあります。
「症状を話せば受診の判断できるのでは?」と思うかもしれませんが、電話相談だけで判断するのは難しく、万が一のことを考えてどんな相談内容であっても受診を勧めることが多いです。
②「獣医師も電話だけでは診断できない」
動物看護師さんやスタッフの方は電話で診断ができないとお話しました。
では獣医師さんであれば、電話で診断することが可能なのでしょうか。
獣医師さんであっても電話相談のみで診断をすることはできません。
獣医師さんは獣医師法によって獣医師自身が直接対面で触診や問診などを行わないといけないと定められています。
また先ほどもお話したように、検査や触診をしないとわからない異変が起きている可能性もあり、飼い主さんの申告以外の症状が出ている可能性もあります。
可能な範囲で質問に答えることはありますが、電話相談に獣医師さんが出たとしても「心配だと思うので一度診せてね」と受診を勧めることが多いです。
③「電話相談だけを繰り返さない」
愛犬を動物病院に連れて行くのは大変です。
電話相談で解決できることなら、電話だけで済ませたいと考える方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、動物病院にまったく行かずに電話相談だけを繰り返すことは控えましょう。
直接診察をしてみないとわからないことは多いですし、質問が多いと電話の時間が長くなり、他の患者さんを待たせてしまったり他の業務が滞ってしまいます。
大事な愛犬の相談だからこそ、きちんと診療費を払って時間をとって診てもらうことがマナーです。
④「電話相談がNGの動物病院もある」
動物病院によっては来院記録のない方の電話相談、病気に関する電話相談(来院しての相談は可)を受け付けていない場合があります。
また、混雑時には電話相談を受け付けない動物病院もあります。
通っている動物病院の電話相談がどんな決まりになっているか、確認してから電話をかけましょう。
⑤「業務を圧迫していないか考える」
電話をかける前にその電話をかける必要が本当にあるのかも考えてみましょう。
大きな動物病院でなければ、獣医師さんや動物看護師さんの数は限られます。
獣医師さんが1人で対応しているような動物病院であれば、電話対応をしている間は他の患者さんに待ってもらわなければなりません。
そうなると診察の時間が遅れていくので、どんどん業務が圧迫されます。
たかが電話1本と思うかもしれませんが、知らないうちに動物病院を困った状況に追い込んでいるかもしれません。
動物病院に電話相談をする時の注意点
いままでの内容をみていくと動物病院への電話相談はOKだけど、知っておきたいことや気をつけたほうが良いことが色々とあることがおわかり頂けたと思います。
では、動物病院に電話をかけるときに注意しておいた方がよいことはなんでしょうか。
▼動物病院に電話相談するときの注意点
・愛犬の情報や聞きたいことをまとめておく
・比較的空いている時間に電話する
愛犬の情報や聞きたいことをまとめておく
質問したかったことを忘れてしまったということがないように、聞きたい質問は一覧にまとめておくとよいでしょう。
また、スムーズに受け答えができるように、愛犬の情報もまとめておきましょう。
比較的空いている時間に電話する
診療が落ち着いている時間帯であれば、ゆっくり相談することも可能です。
診療が落ち着く時間として「午後」や「夕方」が多いですが、動物病院によって空いている時間帯は異なります。
診察に行ったときに空いている時間帯や相談しやすい時間帯を聞いておくのもよいでしょう。
動物病院への相談は心強いですが知らないうちに、動物病院の業務を圧迫したり、獣医師さんや動物看護師さんを困らせているかもしれません。
かかりつけの動物病院とのお付き合いは長いので、お互い気持ちよく通えるように気をつけていきたいですね。
<参考URL>
ネット時代でもペット急病時に頼るのは電話だった 株式会社チェリッシュライフジャパン
>https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M105630/201907228956/_prw_PR1fl_u2662g3H.pdf
電話相談の飼い主さん『ベッツワンプレス 2006冬号(Vol.6)』掲載分
>https://www.vetswan.com/tool/column/satisfaction/75
e-Gov 獣医師法
>https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000186
<画像元>
Unsplash
Canva
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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