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「老犬の夜泣きはどうしたらいい?」夜泣きの原因や試してみたい対処法をご紹介

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愛犬の年齢が高くなるにつれて夜泣きや夜間徘徊が始まることがあります。

夜泣きが始まると「ほとんど眠れない」「吠え声が近所迷惑になっているのでは」と飼い主さんが精神的に追い詰められて疲弊していくケースも少なくありません。

今回は老犬が夜泣きをする原因や夜泣きへの対処法をご紹介します。

夜泣きは愛犬が老いていく中で誰にでも起こりうることなので、高齢の犬を飼っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

夜泣きする老犬はどのくらいいるの?

「愛犬が高齢になる=夜泣きが始まる」というイメージがありますが、実際に夜泣きをする犬はどのくらいいるのでしょうか。

Vet’s Eyeが獣医師100名におこなったアンケートによると夜泣きをする犬の割合は下記のようになりました。

▼夜泣きをする犬はどれくらいの割合でいますか?

グラフを見てみると子犬や成犬で夜泣きをする犬は1割程度という回答が多かったのに対し、老犬になると2~3割の犬が夜泣きをすると回答している獣医師が多いですね。

6~7割の犬が夜泣きをすると答えた獣医師も10%ほどいることから、夜泣きをする犬は意外と多く、どんな犬でも夜泣きが始まる可能性があるということがわかります。

夜泣きは他人事ではなくいつかはじまるものとして備えておくほうが安心ですね。

老犬の夜泣き、その原因は?

老犬の夜泣きというと認知症のイメージがありますが、それ以外にもいろいろな原因で夜泣きをすることがあります。

今回は考えられる原因を7つご紹介します。

▼老犬の夜泣きの原因は?

老犬の夜泣きの原因①「体調不良」
老犬の夜泣きの原因②「排泄がしたい」
老犬の夜泣きの原因③「空腹/喉のかわき」
老犬の夜泣きの原因④「睡眠環境が悪い」
老犬の夜泣きの原因⑤「日中に眠りすぎている」
老犬の夜泣きの原因⑥「認知症」
老犬の夜泣きの原因⑦「不安」

老犬の夜泣きの原因①「体調不良」

老犬になると寝ている時間が増えます。

長時間同じ体勢で過ごしたことによる体のこわばりや血行不良により床ずれに痛みを感じて夜泣きをする場合があります。

また、高齢になると腫瘍や循環器疾患などの病気を発症しやすくなります。

目で見つけにくい部分に不調が起きている可能性があるので、夜泣きが始まったら一度動物病院で診察を受けることをおすすめします。

老犬の夜泣きの原因②「排泄がしたい」

関節に痛みがあって踏ん張れない、トイレが遠い、暗くてトイレがわからないなど、排泄をしたいけれど一人でトイレができず、飼い主さんに助けを求めて夜泣きをすることがあります。

また、排泄障害を起こしている場合は痛みで夜泣きをすることもあります。

老犬の夜泣きの原因③「空腹/喉のかわき」

夕食から朝食までの時間が空いている、寝室と水飲み場が離れているなど空腹や喉の乾きを訴えて夜泣きをすることがあります。

また高齢になると記憶力の低下や満腹中枢の働きが鈍くなり空腹を訴えることがあります。

老犬の夜泣きの原因④「睡眠環境が悪い」

・使っているベッドが合わなくなった
・眠っている環境が暑い/寒い
・窓際で外の明かりが気になる
・外の音が気になる(車の音・人の話し声など)
・ドアや廊下の近くにベッドが設置してある

人の出入りがある場所にベッドを設置している、明かりが目に入りやすい場所で寝ているなど睡眠環境が整えられていないと眠れず夜泣きをすることがあります。

また、ペット用のベッドの中には体圧分散性が低いものがあり、腰や関節の負担になっている場合があります。

痛みで夜泣きをしていることもあるので、一度ベッドを見直してみましょう。

老犬の夜泣きの原因⑤「日中に眠りすぎている」

日中に眠っている時間が長すぎると昼夜逆転の生活になりやすいです。

そのため夜間に起きやすく、かまってほしくて吠えたり夜間徘徊をすることがあります。

老犬の夜泣きの原因⑥「認知症」

認知機能が衰えると物事を順序立ててできなくなる「遂行障害」や覚えられなくなる「記憶障害」が起こります。

こういった障害は不安や攻撃、不眠、興奮などの症状を引き起こすので認知症を発症すると夜泣きが始まりやすくなると考えられます。

老犬の夜泣きの原因⑦「不安」

運動機能の衰えでふらつきや転倒が増えます。

また認知機能の衰えからできないことやわからないことが増えていきます。

体がうまく動かせない苛立ちやわからないことが増えていく不安から夜泣きを始めることがあります。

老犬の夜泣きが始まったら試してみたい6つのこと

では、愛犬に夜泣きがはじまったらどのような対処法をとればよいのでしょうか。

対処法を6つご紹介します。

▼夜泣きが始まったら試してみたい6つのこと

①「日中の睡眠時間の見直し」
②「睡眠環境の見直し」
③「排泄環境の見直し」
④「食事の見直し」
⑤「動物病院に相談」
⑥「不安を和らげる」

①「日中の睡眠時間の見直し」

「起こすのがかわいそう」と日中寝ている時間が増えると夜間に起きて夜泣きをする可能性が高くなります。

日中は定期的に起こしてメリハリをつけた生活を送りましょう。

歩くのが難しくても外の匂いを嗅いだり音や風を感じることは精神的にも肉体的にもいい刺激になります。

また、朝日は乱れた体内時計を戻す働きがあると言われているので、朝に太陽光を浴びることも有効です。

②「睡眠環境の見直し」

老犬になると暑さや寒さの影響を受けやすくなります。

また、運動量の低下などで血液循環が悪くなり、冷えやすくなっていることがあります。

寝床を暖かくしたり、ベッドの硬さを見直すなど愛犬が寝ている環境が快適に保たれているか一度見直してみましょう。

③「排泄環境の見直し」

・行きやすい場所にトイレを設置する
・寝る前にトイレに連れて行く
・すべらないようにトイレに滑り止めを設置
・トイレに明かりをつけて見えやすくする
・排泄が不十分な場合、愛犬のストレスがない範囲で介助する(マッサージなど)

足腰が弱っていると踏ん張れず排泄がしにくくなりことがあるので、トイレに滑り止めのマットを敷いてあげましょう。

また暗くてトイレを見つけにくいこともあるので、常夜灯をつけるなど1人でトイレに行きやすい環境を作ってあげましょう。

④「食事の見直し」

喉の乾きで夜泣きをしていることもあるので、寝床の近くに水を置いておきましょう。

また空腹時間が長くて夜泣きをする場合もあるので、夜ご飯を少し取り分けておいて寝る前に夜食として与えましょう。

認知機能の衰えで頻繁に食事をねだる場合は、湯で野菜など低カロリーなものを間食として与えると良いでしょう。

⑤「動物病院に相談」

夜泣きは長期に渡ると飼い主さんの負担を大きくします。

自分たちだけで対応しようとつい頑張ってしまいがちですが、早い段階で動物病院に相談しましょう。

認知症も早い段階であればサプリメントで対応できることもありますし、自分たちでは気づかなかった夜泣きの原因がわかるかもしれません(実際に歯周病の痛みで夜泣きをしていた、寝床が寒くて夜泣きをしていたという事例もあるそうです)。

⑥「不安を和らげる」

運動機能の衰えや認知機能の衰えから不安を感じやすくなります。

不安や寂しさで泣いている場合もあるので、一緒の部屋で寝てあげるのもよいでしょう。

また寝ている時間が増えることで体がこわばりやすく、不安やできないことへのいらだちで脳が緊張状態になっています。

日中に全身を優しくマッサージしてこわばりや緊張をとってあげましょう。

老犬の夜泣きが始まったら覚えておきたい3つのこと

愛犬の夜泣きが始まったら飼い主さんに覚えておいてほしいことが3つあります。

▼夜泣きが始まったら覚えておきたい3つのこと

①自分たちだけで抱え込まない
②認知症や夜泣き相談対応の動物病院を探しておく
③睡眠メモをとる

先ほども少し触れましたが、夜泣きは飼い主さんへの肉体的、精神的負担が大きくなります。

自分たちだけで抱え込まずに、早めに専門家を頼って相談しましょう。

犬の認知症対応に力を入れている動物病院は「認知機能評価シート」を使って愛犬の状態を把握し、薬やサプリメント、生活習慣の指導など色々な面からサポートをしてくれます。

「いつから夜泣きが始まった」「どんなときに夜泣きした」など愛犬の睡眠メモを取っておくと相談をするときに役立ちます。

また老犬ホームなどに一時的に預かってもらって、飼い主さんが休む機会を作ることも大切です。

犬の寿命は飛躍的にのび、愛犬の介護に直面している飼い主さんも多いと思います。

そんな中で夜泣きは飼い主さんを悩ませる大きな問題です。

今回ご紹介した内容が飼い主さんの参考になれば幸いです。

<参考URL>

老犬の介護⑤:老犬の夜鳴きを防ぐには 若山動物病院
>https://dr-nyan.com/column/dog-night-crying/

<参考書籍>

イヌの老いじたく 7歳からの最適な飼い方を伝授 サイエンス・アイ新書

犬もよろこぶシニア犬生活 

心や体の変化にあわせた老犬とのコミュニケーションがわかる 愛犬の友編集部

<画像元>

Unsplash

canva

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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