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「10歳を超えたら食事をみなおし」食事の回数や食べない時の工夫、注意点をご紹介

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老犬の悩みとして「食べない」「食事量が減った」など食事に関する困りごとをよく耳にしますね。

犬のシニア期は小型犬で7歳ごろ、大型犬で5歳ごろからと言われていますが、シニアになりたての7歳と10歳前後では食事に関する注意点が大きく異なります。

そこで今回は10歳を超えたら見直してほしい食事のポイントや食べないときの工夫、注意点をお話しますので、愛犬との生活の参考にしてみてくださいね。

10歳を超えた老犬の食事の変化

シニアになりたての7歳(大型犬は5歳)と高齢期に入る10歳(大型犬は9歳前後)では、食事に対する悩みや注意点も変わってきます。

7~10歳までの犬の食事と10歳以降の犬の食事にはどんな変化があるのでしょうか。

それぞれみていきましょう。

▼7~10歳までの犬の食事の変化

7歳ごろはまだ見た目も若々しいためシニアと感じにくいかもしれませんが、体の内側も外側も少しずつ変化が起き始める年です。

筋力が少しずつ衰えてくるので、運動量が減り基礎代謝が下がってきます。

そのため若いころと同じフードや量を食べると、肥満になりやすくなります。

肥満は関節炎や膝蓋骨脱臼(パテラ)といった病気を引き起こしやすくなるので、老犬で発症すると寝たきりになるリスクがあります。

10歳まではフードの種類や量を見直して、肥満にならないように注意しましょう。

▼10歳以降の犬の食事の変化

10歳以降は筋力の低下や食事量が減ったことで痩せやすくなります。

適度な運動で筋力をキープしながら、しっかり食べて体重を維持していくことが一番大切です。

そのため食事の回数や与え方、フードの形状の見直しが必要になる年齢です。

「食事のときの姿勢」「食べ終えるまでの時間」「食べ方の変化(皿の端にフードが残るなど)」愛犬の食事の仕方をよく観察して、食べやすい工夫をとってあげましょう。

年を取ると「愛犬が食べない」「食事量が減る」のはどうして?

老犬になると「食事を食べなくなった」「食事量が減ってしまった」というお悩みが増えてきます。

どうして老犬になると食事を食べなくなったり、食事量が減ってしまうのでしょうか。

考えられる理由を6つご紹介します。

▼老犬になると食べない理由は?

①「病気にかかっている」
②「認知機能が低下している」
③「筋力が落ちて体を支えられない」
④「食器が食べにくい」
⑤「食べる高さがあっていない」
⑥「フードの形状があっていない」

①「病気にかかっている」

老犬になるとホルモンの病気や腫瘍といった病気の発症リスクが高くなります。

症状として食欲不振や体重減少がでてくる場合があるので「食べる量は変えていないのに痩せた・太った」「急に食べなくなった」「元気がない」などの症状がでている場合は、早めに動物病院を受診しましょう。

また、歯周病にかかっていると口の中の痛みや違和感で食事を嫌がる場合もあります。

②「認知機能が低下している」

10歳を超えると目や鼻といった感覚器も衰えてきますし認知機能も低下してきます。

そのため食器の場所を見つけるのに時間がかかり「これは食べ物だ」と認識するのにも時間がかかります。

愛犬自身には食べる意欲はあるけれど、食べ始めるのに時間がかかり食事がすすまないといったことも考えられます。

③「筋力が落ちて体を支えられない」

食事中に愛犬の腰が落ちたり、左右に足を深く開いて踏ん張る姿勢をとっていませんか?

筋力が落ちると食事中の姿勢をキープしづらくなります。

腰が落ちると頭が上がるのでうまく食事ができず、食べこぼしも多くなります。

食事中に頭が上がる、何度も姿勢を取り直すような仕草が見られたら、滑り止めのマットを敷いてあげましょう。

④「食器が食べにくい」

若いときには問題のなかった食器も年をとって舌の機能や嚥下機能が衰えると、合わなくなることがあります。

食べこぼしが増えたりお皿の隅に食べ残しが多くなった場合は、食器を見直して見ましょう。

⑤「食べる高さがあっていない」

嚥下機能の低下や筋力低下で低い位置での食事が難しくなることがあります。

床置きで食べさせている場合は、食事台を設置してみましょう。

頭を少し下げて食べられる位置に食器を設置してあげましょう。

⑥「フードの形状があっていない」

歯の不具合で口が開けにくくなったり、飲み込むのに形状があっていない場合もご飯の食べが悪くなります。

カリカリのドライフードで与えているという場合は、フードをふやかす、フードを砕く、ウェットフードに替えるなど、いろんな形状を試してみましょう。

「寝てばかり」「食事の回数が減る」食べない犬への工夫は?

愛犬が食事を食べないのには色々な理由があることがわかりました。

ではなかなか食事食べてくれない、老化によるライスフタイルの変化で食事がうまく取れない場合にはどういったアプローチをすればよいのでしょうか。

タイプ別に解説していきます。

「だんだん痩せてきた」場合の工夫

だんだん体重が減ってきた、体がほっそりしてきたという場合は、ドッグフードの種類を見直してみましょう。

7歳以降はシニア用のドッグフードを利用する方が多いと思いますが、種類によっては運動量の低下を想定してカロリーを低くしているドッグフードもあります。

食欲の低下や食事回数が減った場合、十分な量が食べられず必要なカロリーに達していないことがあるので、今の体にあったドッグフードを選びましょう。

「食事の回数が減った」場合の工夫

高齢になると若い時と同じ量、同じ回数で食事を食べられなくなることも少なくありません。

一度に食べさせると吐いてしまうこともあるので、1日の食事を3~4回に分けて与えるようにしましょう。

1日1回、少量しか食べてくれないという場合は、カロリー不足になる可能性があるので、一度獣医師さんに健康状態をチェックしてもらいましょう。

「寝てばかりいる」場合の工夫

高齢になると睡眠時間が増え、1日の大半を寝て過ごしている場合もありますね。

寝ているタイミングと食事の時間がかぶると、どうしようと悩まれるかもしれませんが、寝てばかりいると老化や寝たきりを進行させるおそれもあります。

健康を保つためにも「寝るときは寝る」「食べるときは食べる」とメリハリをつけましょう。

食器で食事をさせることにこだわらず、ノーズワークや知育のおもちゃにご飯を隠して遊びながら食べさせたり、外での日向ぼっこタイムに食事をさせるのもオススメです。

「なかなか食べない」場合の工夫

なかなか食事を食べないという場合は、食欲がわく工夫を取ってみましょう。

▼食欲がわくための工夫

・手作り食
・ドライフードにトッピング
・温める
・ドライフードをふやかす

お湯でふやかしたり温めたりすると、香りが強くたつので食欲がわく場合もあります。

また、りんごやバナナ、ヨーグルトなど簡単にトッピングできるものを加えて日替わりで与えるのもオススメです。

老犬の食事の注意点2つ

愛犬が10歳を超えたら食事で気をつけてほしいことが2つあります。

▼老犬の食事の注意点

①食事の日記をつける
②介助や医療ケアも視野にいれる

①食事の日記をつける

食事のムラがあると、2~3日のトータルで見たときに総カロリーが足りていないことがあります。

何をどれくらい食べたのか記録をつけておきましょう。

獣医師さんに食事の相談をするときにも役立ちます。

②介助や医療ケアも視野にいれる

食事内容や食器などを工夫しても自力で食事が難しくなった場合、食事中に支える、シリンジで食事といった飼い主さんの介助が必要になることもあります。

また、食事をほとんど取らない、水分も取らないという場合は点滴などの医療ケアも必要になることがあります。

1度の食事時間が20~30分かかっているという場合は、飼い主さんにも愛犬にも負担が大きくなっているので、一度食事スタイルを獣医師さんに相談してみましょう。

食事は愛犬の健康を保つのに欠かせないことですが、高齢になると若い時と同じ対応では対処できないことも増えてきます。

愛犬が10歳に近づいたら、食事や食事環境を一度見直してみてくださいね。

<参考書籍>

イヌの老いじたく 7歳からの最適な飼い方を伝授 サイエンス・アイ新書

犬もよろこぶシニア犬生活 

心や体の変化にあわせた老犬とのコミュニケーションがわかる 愛犬の友編集部

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。