多頭飼いの飼い主さんをみて、ふと「うちももう1頭お迎えしてみようかな」と思ったことはありませんか?
家の中がにぎやかになったり、先住犬の遊び相手になってくれたりと飼い主さんにとって嬉しいメリットも多い多頭飼いですが、実際に飼ってみると多頭飼いゆえの苦労や大変なことも出てきます。
そこで今回は「多頭飼いを決めた理由」や「多頭飼いのいい所・苦労した所」をご紹介します。
多頭飼いを取り巻く悲しい現実も合わせてご紹介するので、多頭飼いを検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
<目次>
ペットを多頭飼いしている飼い主さんは3人に1人
最初にペットの飼育状況をみていきましょう。
ペットを多頭飼いしている飼い主さんの割合はどれくらいなのでしょうか。
SBIいきいき少額短期保険が行った、「ペットの飼育と支出」に関する調査によると、ペットの飼育状況は下記のようになりました。
▼「あなたが飼っているペットの種類と頭数を教えてください」(有効回答数:1,105名)
グラフを見てみると、犬と猫を2頭以上飼育している飼い主さんの割合は犬(9.9%)・猫(12.9%)、犬猫両方(11.1%)で犬猫を合わせると全体の33.9%を占めました。
約3人に1人が多頭飼いをしていると考えると、多頭飼いをしている飼い主さんの割合は非常に多いということがわかります。
では、飼い主さんが「2頭目を迎えよう」と思った理由は何なのでしょうか。
詳しくみていきましょう。
飼い主さんが「2頭目を迎えよう」と思った理由は?
ペット保険のアニコム損害保険株式会社が、2頭以上のペットを飼育している契約者に対しておこなったアンケートによると2頭目を迎えた理由は下記のようになりました。
▼「2頭目を迎えようと思った理由はなんですか?」(有効回答数:1,943)
▼「2頭目を迎えた理由」トップ5
・1位:「先住の遊び相手として」43.7%
・2位:「先住の子が1人でかわいそうだった」35.1%
・3位:「ペットショップで一目惚れした」26.0%
・4位:「先住の子の品種が好きだった」26.0%
・5位:「先住の子の留守番が多いため」24.8%
2頭目を迎えた理由で一番多かった回答が「先住の子の遊び相手として(43.7%)」で次に「先住の子が1人でかわいそう(35.1%)」「ペットショップで一目惚れした(26.0%)」という結果になりました。
2頭目を迎えるきっかけとしては、先住の子のことを考えてお迎えをするという方が非常に多いということがわかります。
しかし、多頭飼いの難しいところはペット同士相性やそれを取り巻く家族関係ですね。
実際に飼い主さんが2頭目を迎えて暮らしはどのように変わっていったのでしょうか。
現状をみていきましょう。
多頭飼いをしてよかったところは?
同アンケートで2頭目を迎えた飼い主さんに「2頭目を迎えてよかったこと」を聞いたところ、結果は下記のようになりました。
▼「2頭目を迎えてよかったことを教えてください」(有効回答数:1,941)
▼「2頭目を迎えてよかったこと」トップ5
・1位:「家の中がにぎやかになった」73.0%
・2位:「それぞれの特徴や性格がよくわかる」68.9%
・3位:「遊んでいる姿が楽しそう」50.6%
・4位:「家族で会話が増えた」43.6%
・5位:「先住の子が落ち着いた」12.9%
一番多い回答が「家の中がにぎやかになった(73.0%)」で次に「それぞれの特徴や性格がよくわかる(68.9%)」「遊んでいる姿が楽しそう(50.6%)」という結果になりました。
多くの飼い主さんから多頭飼いを楽しむ声があがっています。
また、ペットを通じて家族間の会話が増えたり、先住の子が落ち着いたりといった嬉しい変化も起こっていることがわかります。
それぞれの子の特徴や性格の差を楽しむのも、多頭飼いならではの楽しさですね。
では、反対に多頭飼いをして「苦労した」「大変だった」と感じたことは何だったのでしょうか。
多頭飼いで苦労していることは?
同アンケートで2頭目を迎えて「苦労していること」「大変なこと」を聞いたところ、結果は下記のようになりました。
▼「多頭飼育で苦労・大変なことを教えてください」(有効回答数:1,697)
▼「2頭目を迎えて大変だったこと」トップ5
・1位:「散歩やお手入れに時間がかかる」40.8%
・2位:「予想以上に費用がかかる」40.3%
・3位:「一緒にいたずらをして困る」22.6%
・4位:「先住の子と仲良くできない」17.6%
・5位:「他の家の犬猫に対して攻撃的になった」8.1%
一番多い回答が「散歩やお手入れに時間がかかる(40.8%)」で次に「予想以上に費用がかかる(40.3%)」「一緒にいたずらをして困る(22.6%)」という結果になりました。
ペットが1頭増えると世話やお手入れにかかる時間も倍になります。
またペット同士の年齢が近いと病気や介護の期間や費用が重なってしまうこともあります。
高齢になると「腫瘍」や「循環器疾患(心臓病)」といった病気にかかるリスクが高くなりますが、通院や手術の費用は高額になりがちです(治療に100万円近くかかるケースも)
ペットにかける時間や費用面も含めて、2頭目をお迎えするか決めることが大切ですね。
▼こちらの記事もオススメです
「犬の通院回数が多い病気トップ5は?」 通院や治療にかかる費用も一緒にご紹介
>https://www.inutome.jp/c/column_7-193-47148.html
ペットを手放す原因の第2位は「先住ペットとの喧嘩」
今までの内容を見ていくと多頭飼いは大変なこともあるけれど、いいことの方が多いという印象をもちますね。
ですが、多頭飼いを検討している人には覚えておいてほしいショッキングな数字があるので、最後にご紹介します。
ペット保険相談サービスを運営する株式会社Wizleapが多頭飼いしている飼い主さんを対象に行った「ペットの多頭飼いの後悔」のアンケート調査によると、ペットを手放すことを検討した飼い主さんの割合は下記のようになりました。
▼「ペットを手放すことを検討したことはありますか?」(対象者:247人)
グラフを見てみるとペットを手放すことを検討した人の割合は25.1%と非常に高いことがわかります。
そしてこの中で実際に手放してしまった飼い主さんの割合は11.3%と報告されており、10人に1人がペットを手放す選択を取ってしまったと考えると、決して低い数字ではないと思います。
また、実際にペットを手放す選択を取った飼い主さんに「手放す理由」をたずねたところ、結果は下記のようになりました。
▼「ペットを手放した理由を教えてください」(対象者:28人)
▼「ペットを手放した理由」
・1位:「お世話が大変」34.5%
・2位:「先住犬猫との喧嘩」24.1%
・3位:「嫌いになった」13.8%
ペットを手放す理由で一番多いのが「お世話が大変だった」で次に「先住ペットと喧嘩する」という結果になりました。
2頭目を迎える理由として先住ペットのためと答えた方が多かったですが、犬種の組み合わせや性格の相性によっては一緒の空間で暮らすのが難しい場合もあります。
悲しい選択を取らないためにも安易に「1頭はかわいそうだから」「一目惚れしたから」と多頭飼いするのではなく「お世話をする時間はとれるか」「相性が悪い場合はどう暮らしていくか」まで踏み込んで考えてほしいと思います。
2頭目を迎えるといい効果がある反面「お世話が大変になった」「費用が高額」「先住ペットと喧嘩する」といった困り事も起きていることがアンケート結果から浮き彫りになりました。
安易にペットを迎えると飼い主さんもペットも辛い結果を迎えることがあります。
お互い不幸にならないためにペットを迎えた後の生活や費用までしっかり考えて検討することが大切ですね。
<参考URL>
ペットの飼い主 2,637 名にアンケート調査実施~
>https://www.anicom-page.com/hakusho/family/pdf/100319.pdf
SBIいきいき少短の「ペットの飼育と支出」調査
>https://pet-happy.jp/article/post-20265.html#:~:text=%E7%89%B9%E5%BE%B4%E7%9A%84%E3%81%AA%E7%82%B9%E3%81%AF,%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
犬と猫の多頭飼育に関する調査
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000052686.html
<画像元>
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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