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昔の常識は今の非常識⁉シーン別で見る犬との新しい接し方、捉え方について

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犬との生活は彩を与えてくれる一方で、迎える時には必ず、一定のしつけやルールが必要になります。

ですが、そんなしつけやルールも時代と共に変化しているのをご存知でしょうか?

昔は常識とされてきた犬との接し方や捉え方が、今ではどう変わっている?どう接すればよい?どう捉えればよい?

今回の記事は、シーン別で見る犬との新しい接し方や捉え方についてまとめました。

昔の常識は犬と主従関係を築くのが当たり前!でも今は…?

昔の人の犬への常識では、狼を祖先とする犬は、狼同様社会的な序列を重んじる動物だと言われてきたため、飼い主さんは群れのボスでなければならない、と論じられてきました。

その基となる考え方は、限られた空間に『大人同士』の狼たちが集まった結果、狼たちによるボス(アルファ)抗争が見られたから、です。

ただ、ここで注目してほしいのは、“限られた空間に『大人同士』の狼たちが集まった結果、狼たちによるボス(アルファ)抗争が見られたから”という部分。

この構図というのは、本来野生で一夫一妻制の血縁家族の群れとして生活している狼たちにとっては、親はボスではなく、子も順位を巡って親に戦いを挑むことはないため、当て嵌まりません。

そしてこの構図は、野生の狼同様、人(ブリーダー)の手を借りて一夫一妻制の家族の群れを形成する犬に対しても、親はボスではなく、子は親にじゃれたり甘えたりするものの、戦いを挑む姿勢を示すといった事はないため、当て嵌まらないと考えるのが妥当です。

ではなぜ、『人は犬のボスでなければならない』という考えが定着してしまったのか…。その理由の背景としては、「飼い犬に手を咬まれる」とか、「犬にマウンティングされる人は見下されている」という強いイメージがあるからだと考えられます。

しかし、犬の生活様式が屋内飼養となり、伴侶動物、パートナーという認識が強くなってきた昨今では、犬にとって飼い主さんたちはあくまで【親】であり、【ボス】ではないというのが、一般になりつつある現在の考え方です。

シーン別で見る犬との新しい接し方・捉え方とは?

では、今まで上下関係が崩れるからNGとされてきた愛犬との接し方は、現在どういった捉え方に代わっているのでしょうか?

以下で代表的なものをご紹介します。

新常識①:犬をソファに乗せる時の接し方・捉え方

今となっては、自らソファに上ってぐっすり寝息を立てて寝る愛犬の姿は当たり前となりました。しかし、一昔前までは、人が使うソファの上に愛犬が上るという考え方は、飼い主さんとほぼ同じ目線になることで、犬自身が飼い主さんと同等かまたは下に見るようになると言われてきましたが、現在の新常識の接し方・捉え方は以下の通りです。

<現在の接し方・捉え方>

多くの飼い主さんたちが既に実践済みだと思いますが、現在犬をソファに座らせて寝かせてあげたとしても、序列が変わることはありません。

そのため、来客などが来る予定があって、犬を座らせることが難しい場合に、適切な接し方として『降りて』という指示、従った場合にしっかりと褒めるトレーニングができれば、すぐに降りてくれるようになるでしょう。

また、犬の感情への捉え方に関しても、犬は決して「自分が飼い主の上だから降りない」とか、「降りたら馬鹿にされるから嫌だ」などといった考えはありません。

新常識②:犬と一緒に寝る時の接し方・捉え方

夜、犬と一緒に同じ布団、ベッドで寝ると「犬が飼い主を下に見るようになる」や「分離不安症がひどくなる」と言われ、NG行動の一つとされていましたが、現在の新常識の接し方・捉え方は以下の通りです。

<現在の接し方・捉え方>

現在では、飼い主さんと同じ布団、ベッドで寝ることは、幸せホルモンと言われているオキシトシンの分泌やリラックス効果、信頼関係の向上も図れるとあって、一緒に寝ている飼い主さんは多いと思います。

とはいえ、布団やベッドの真ん中にまで愛犬が占領して、威嚇してしまうようなら、それは飼い主さんをボスとして認識していないわけではなく、単なる『所有欲』の問題なので、ソファの時と同様「降りて」といったトレーニングで、きちんと教えてあげましょう。

また、犬がそうしていそいそと飼い主さんの布団に潜り込んで気持ちよさそうに寝ているなら、それは飼い主さんへの愛犬からの愛情表現だと捉えて相違ないと思います。

新常識③:犬と引っ張りっこした時の接し方・捉え方

一般的に、遊ぶことが大好きだとされる犬。

しかし、一昔前までは愛犬と引っ張りっこをする時、「最後は飼い主が必ず勝たないと犬は飼い主を下に見るようになる」と言われ、犬にとっては遊びのつもりでも、飼い主にとっては真剣勝負!というような感じになってしまう状態でした。

しかし、現在の新常識の接し方・捉え方は以下の通りです。

<現在の接し方・捉え方>

当然ですが、「引っ張りっこ」はあくまでも遊びです(笑)。

犬自身が持ってきた引っ張りっこ用のロープを、例え犬の引っ張る力に根負けしたからと言って、その後犬が威張り散らすなんてことはしないため、愛犬が「遊ぼう!」といった感じでロープを持ってきたら、思いっきりお互い楽しんであげましょう。

また、犬にしつけをする際、こういった犬がお気に入りとしているおもちゃは、ご褒美としても有能です。

筆者の3代目柴犬は宝探しゲームが得意で、ロープを隠すと必死に探して見つけた時にはそのロープがご褒美変わりとなるので、ロープに限らずおもちゃは愛犬にとって、ご褒美という捉え方もできるアイテムなのを覚えておきたいですね。

新常識④:犬よりも先に食事をする時の接し方・捉え方

筆者も昔はそう信じて疑わなかった「ボスは犬よりも先にご飯を食べる」という考え方ですが、これは“狼の群れでは、ボス(アルファ)が獲物を最初に食べるから”という、上記で述べた『飼い主はボスでならなければいけない』論から端を発しています。

しかし、現在の新常識の接し方・捉え方は以下の通りです。

<現在の接し方・捉え方>

結論から申し上げますが、犬はこの程度で「ご飯を飼い主さんより先に食べたから自分が上だ!」などといった考えには至りません。

むしろ、仕事の関係でご飯を与える時間がとても遅くなってしまうご家庭の場合、空腹状態が長く続くことによるストレスは、かえって『フードアグレッシブ(食物関連性攻撃行動)』を助長したり、逆に飼い主さんが食べるご飯に興味を持って欲しがるなんてこともあるため、食事はバラバラの時間帯で、そして、先でも後でも関係ないというのが現在の接し方・捉え方です。

新常識⑤:犬が飼い主より先を歩く時の接し方・捉え方

昔はよく、犬と散歩する時には犬を飼い主さんの横に付かせたリーダーウォークという歩き方が適切とされ、筆者も犬に関する知識を勉強している時には、そう学んでいました。

また、それが出来ない飼い主は、「犬は飼い主よりも自分を上だと思っているから好き勝手に歩く」とも言われていましたが、現在の新常識の接し方・捉え方は以下の通りです。

<現在の接し方・捉え方>

昔の常識で言えば、「犬が前を歩くのは自分が偉いと感じているから」だと言われていましたが、今まで筆者が飼養してきた初代柴犬、2代目シェルティ、そして現在生活を共にしている3代目柴犬は、3頭とも筆者が前に出たからと言って、それを阻止するために威嚇や攻撃などはしません。

とはいえ、ある程度のコントロール技術は飼い主さんに求められることは事実です。すれ違う人や犬への様子、相手との距離、リードの長さなど、それを把握し、おやつで誘導するのか、一旦立ち止まるのか、はたまたUターンしてその場を回避するのか…。

現在の愛犬との「散歩」は、愛犬の動きをいち早く察知し、気遣い、様々な方法で対処して愛犬を危険から回避、サポートしてあげることが大切で、飼い主さんによる「優れたリードコントロールによって愛犬を導いていく」という表現がピッタリだと思います。

まとめ

いかがでしたか?

犬の中でも、ひと際使役犬として活躍する盲導犬とその飼い主さんの協力関係は特別なもので、万が一飼い主さんの身に危険が迫った時には、それまでサポーターとして歩いていた盲導犬は、主導権を自分に変え、飼い主さんに降り掛かる危険を自ら判断し回避しようとします。

昔は良しとされていた犬への常識は、長い期間人と生活を共にすることで徐々に変わっていき、今では色々な場面で犬に対する尊厳を重んじる動きになってきています。

愛犬との関係性をより良いものにするためにも、私たち飼い主は飼い主で、常に情報のアンテナを張り巡らせておきたいものですね。

<参考書籍>

気持ちを知ればもっと好きになる! 犬の教科書

犬のしつけ きちんとブック

しつけの常識にしばられない 犬とのよりそイズム

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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