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「愛犬が飼い主の後をついてくるのはなぜ?」注意が必要な場合もあるってホント?

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飼い主さんの後をずっと追いかけていく犬を「ストーカー犬」というそうです。

一見ほほえましく思える光景ですが、実は注意が必要なケースもあります。

今回は「愛犬が後追いをする理由」や「注意すべき後追い」について解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

愛犬が飼い主さんの後をついてくる6つの理由

愛犬が飼い主さんの後をついてくる理由はいったいなんでしょうか。

考えられる理由は「6つ」あります。

▼愛犬が飼い主さんの後をついてくる理由6つ

①楽しいことをしてくれると期待している
➁何かやってほしいことがある
③飼い主さんと一緒に過ごしたい
④群れで行動したい犬の本能
⑤年齢
⑥一緒にいないと不安

①楽しいことをしてくれると期待している

犬は遊んでくれたり、ご飯を用意してくれる人のことが大好きです。

「この人の側にいるといいことや楽しいことがあるかも」と期待して後追いをしているのかもしれません。

➁何かやってほしいことがある

何か飼い主さんに要求がある場合も後をついてくることがあります。

「ごはんが食べたい」「トイレに行きたい」「かまってほしい」といった要求を飼い主さんに気づいてほしくて後追いをしている場合があります。

③飼い主さんと一緒に過ごしたい

愛犬にとって飼い主さんと過ごす時間は楽しくて安らげる時間です。

大好きな飼い主さんと一緒の空間にいたくて後追いをしている可能性があります。

④群れで行動したい犬の本能

犬は群れで暮らしてきた生き物です。

犬の本能で「仲間が移動したから一緒に移動しよう」と後追いをしているのかもしれません。

また、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなどの犬種は、飼い主さんとの交流を好むので、飼い主さんの側を離れたがらない子が多いです。

⑤年齢

犬が子犬やシニアの場合、飼い主さんの後追いをしやすくなります。

年齢が高くなると目や耳などの感覚器や身体能力が衰えてきます。

そういった若い時と違う感覚に不安を感じて側にいようと飼い主さんの後を追いかけていることがあります。

⑥一緒にいないと不安

飼い主さんと離れることが不安で、ずっと後を追いかけている可能性があります。

過剰な後追いは分離不安という心の病気の可能性があるので、注意をしておいた方がよいでしょう。

愛犬の後追いはやめさせた方がいいの?

犬が飼い主さんの後を追いかける理由を6つお話しましたが、愛犬に当てはまったものはあったでしょうか。

では、このような後追い行動はやめさせた方がよいのでしょうか。

ポイントは「2つ」あります。

▼犬の後追いを止めさせた方がいい場合

・飼い主さんの日常に支障がでている
・犬の後追いが異常な場合

・飼い主さんの日常に支障がでている

犬側に悪気がなかったとしても、ずっと後をついて回られると日常的に不便なことが出てきますね。

トイレやお風呂に行きにくくなりますし、ずっと監視されているようで精神的に疲れてしまいます。

飼い主さんの日常に支障が出ている、日常が過ごしにくいと感じる場合には、後追いを止めさせる訓練をした方がよいでしょう。

・犬の後追いが異常な場合

「ドアを閉めようとすると無理やり押し入ってくる」「トイレやお風呂に無理やり押し入ってくる」「離れようとすると目の色を変えて追いかけてくる」こういった過剰の後追いがある場合は、飼い主さんと離れることに過剰に不安を感じて追い回している可能性があります。

犬が不安を抱えながら生活している状態なので、後追いを止めさせる訓練をしてあげましょう。

▼後追いを止めさせなくていいケース

飼い主さんの生活に支障がなく犬も不安を感じていなければ、無理に後追いを止めさせる必要はありません。
後追いをする理由でお話したように年齢や期待感から後追いをしている場合もあります。
無理にやめさせることで、ストレスを感じたり不安感が増して悪化する可能性があるので、特に困っていなければそのままにしておきましょう。

注意が必要な後追い「分離不安」とは?

飼い主さんが姿を見せなくなったり、外出することに強い不安を感じて自分自身をコントロールできなくなる心の病気を「分離不安」といい、過度な後追いは分離不安の症状の一つです。

過度な後追い以外に、こんな症状が見られたら愛犬は強い不安を感じている状態かもしれません。

▼分離不安の症状

・飼い主さんが違う部屋に行くとずっと鳴く
・同じところをグルグル回る
・ドアを引っかく/掘る
・息が荒くなる/よだれが多くなる
・物に噛みついたり壊したりする(飼い主さんのにおいがついている物が多い)
・トイレ以外の場所での排泄
・部屋や窓から飛び出そうとする
・帰宅したときに異常に興奮したりしつこく嗅ぎまわる
・下痢/嘔吐
・食事をとらなくなる

症状を放置しているとより不安感が強くなり、自分の足やしっぽを血が出るまで噛み続けるなどの自傷行為へと発展してしまうこともあります。

飼い主さんの後をずっと追いかける姿は非常に愛らしいですが、愛犬からの「不安だよ」というサインかもしれません。

自分や犬だけの問題ではなく、吠え声などは近所トラブルにつながることもあるので「もしかして」と感じたら早めに対処してあげるようにしましょう。

愛犬の後追いに困ったらどうする?

では「愛犬の後追いを止めさせたい」「分離不安の症状が出ているので対処してあげたい」という場合はどうすればよいのでしょうか。

▼愛犬の後追いに困ったらどうする?

・短時間ずつ離れる訓練をする
・離れるときは夢中になれるものを用意する

・短時間ずつ離れる訓練をする

不安を感じている愛犬を急に引き離すと余計に不安感が増してしまいます。

まずは短時間ずつ離れる訓練をして「少しいなくなるけどまた戻ってくるよ」と愛犬に教えてあげましょう。

▼ステップ1 ドアを開ける動作に慣らす

「ドアを開ける=いなくなる」と犬が連想しているので、まず「ドアを開けても戻ってくるよ」と教えてあげましょう。

ドアを開ける動作を「ドア付近に立つ」「ドアノブに手をかける」「ドアを数センチあける」「ドアを半開きにする」と分解して、犬が反応したら犬の側に戻り犬の反応がなくなるまで繰り返します。

▼ステップ2 ドアの外に出る動作に慣らす

部屋の外に一歩だけ出てみて犬が反応したら側に戻り、反応がなくなるまで繰り返します。

何度も繰り返すと「ドアの外に飼い主さんは出たけど戻ってきてくれる」と犬が学習します。

▼ステップ3 ドアを閉める動作に慣らす

ドアを数センチだけ閉め、犬が反応したら部屋の中に戻ります。

犬の反応がなくなるまで繰り返し、最終的にドアを閉めても犬が反応しなくなるのを目指します。

▼ステップ4 離れる時間を延ばしていく

ドアを完全に閉めることができたら、1秒後に部屋に戻ります。

犬が反応していなければ、2秒、5秒、10秒、30秒と秒単位で少しずつ部屋に戻る時間を延ばしていきます。

※トレーニングの注意点

・不安感が強い犬の場合、飼い主さんが部屋を歩き出したりソファーから移動する時点で、離れることを察して後追いをしたりストレス反応が起きます。
その場合はドアから出る訓練の前に部屋の中での移動に慣れさせましょう。

・離れるときは夢中になれるものを用意する

飼い主さんが離れてしまうと「いやだ」「怖い」という気持ちに意識が集中してしまいます。

離れるときはオヤツを詰めた知育のおもちゃやノーズワークのマットを置いて、気を紛らわしてあげましょう。

犬が遊び終える頃に部屋に戻ると「飼い主さんはいなくなったけど、怖いことはおきなかった」「遊んでいたら飼い主さんが戻ってきてくれた」と犬が学習してくれます。

※トレーニングの注意点

オヤツやおもちゃに見向きもせず、「吠える」「ドアを引っかく」「物を破壊する」などの症状が出ている場合は、不安感がかなり強い状態です。
飼い主さんだけで改善するのは難しいので、かかりつけ医に相談して専門医を紹介してもらうのを視野にいれてください。

飼い主さんの後を追う行動には、いろいろな理由が隠れていることがわかりました。

愛犬の症状によっては、飼い主さんだけで対応するのが難しいので、1人で抱え込まずに専門医に相談しましょう。

<参考書籍>

ドッグ・トレーナーに必要な 「犬に信頼される」テクニック ヴィベケ・リーセ  藤田 りか子 (著)

ドッグ・トレーナーに必要な「複数の犬を同時に扱う」テクニック ヴィベケ・リーセ  藤田 りか子 (著)

<参考URL>

犬の分離不安症 南が丘動物通信
>https://www.minamigaokaah.com/column/column_20150326_923.html

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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