夏の風物詩で一大イベントとして多くの人たちから愛される花火大会。
出来ることなら可愛い愛犬と一緒に大輪の花を楽しみたいと思う飼い主さんも多いかと思いますが、その花火大会に愛犬を連れていくのはちょっと待って!
愛犬と一緒に花火大会に足を運ばないほうが良い理由や最悪死亡してしまうケースを今回はご紹介します。
<目次>
英国動物虐待防止協会RSPCAでは犬と花火大会に警鐘!?
毎年夏の楽しみと言えば、花火と海が多いのではないでしょうか?
特に花火については、打ち上げ花火から線香花火までバリエーションが豊富で、且つ体に“ドンッ”と伝わる振動があるのも魅力の一つですよね。
しかしこうした花火大会に愛犬を一緒に連れていくことは、大変危険とされていて、イギリスで代表的な『英国動物虐待防止協会(RSPCA)』では、すでに花火大会の悪影響は犬や猫だけではなく多くの動物に及ぼしかねないと警鐘を鳴らしています。
『英国動物虐待防止協会(RSPCA)』によると、毎年花火大会が原因で何かしらの異変や悪影響に関する問い合わせは数百件に上るとされており、最近では、2011(平成23)年に255件の花火に関する通報が寄せられ、2017(平成29)年のピーク時には533件と着実に件数が増え、過去5年間の通報合計は、なんと2,300件にもなったという報告があります。
そのため、イギリスでは毎年花火シーズンが近づく頃には、69%の飼い主さんたちが愛犬たちのために花火対策を講じているようで、少なくとも一つは必ず持ち合わせていると言います。
愛犬を花火大会に連れていかないほうが良い理由
では、イギリスが警鐘を鳴らすほど、愛犬や動物たちにとって危険だとする花火大会に連れていかないほうが良い理由とは何なのでしょうか?
犬を花火大会に連れていくことで起こり得るトラブルや危険性について確認してみましょう。
連れていかないほうが良い理由①:花火恐怖症(不安・パニック)
花火大会に愛犬と一緒に行ったことで、愛犬が大きな音や振動に対して恐怖心を抱いてしまい、パニック症状や不安症状、体の硬直、逃走行為などを引き起こしてしまうことを花火恐怖症と言います。
花火恐怖症は、基本的に犬にとって大きな音に対する嫌悪が原因で起こるもので、それがトラウマとなってしまうと、毎年花火シーズンに『ドンッ、ドンッ』という音が聞こえると、上記のような症状を呈してしまう場合があります。
連れていかないほうが良い理由②:予期せぬ逃走
花火大会は人が多いことから、愛犬を抱っこして観覧を考える飼い主さんも居るかもしれません。
しかし、そうであったとしても、実際に花火大会が始まって辺りいっぱいに鳴り響く轟音を愛犬が耳にすると、その音にビックリして、予期していなかった逃走をしてしまう場合があります。中には恐怖のあまり、力づくで首輪から抜け出して、思わぬ事故に発展してしまうことも…。
花火が夜空に上がっている間は、多くの人が空を見上げていることもあって、愛犬が万一逃走してしまった場合のとっさの判断が出来ないため、そのまま迷子になってしまうことも考えられます。
連れていかないほうが良い理由③:誤飲や誤食
花火大会シーズンになると、花火大会だけではなくお祭り自体を楽しむ人も多くいらっしゃいます。ただ、その中には、屋台で購入した食べものの容器や串などの後片付けをせずに帰る人も残念ながらいらっしゃるので、観覧中は辛うじて何もなくとも、帰る途中で愛犬が匂いの付いたものに興味を示して誤飲・誤食をしてしまう危険性があります。
花火大会は場所によってはそれだけを目的としているところもあるかもしれませんが、多くはお祭りに欠かせない屋台が軒を連ねているので、愛犬との花火大会は誤飲・誤食にも気を配る必要があります。
連れていかないほうが良い理由④:他者とのトラブル・事故
花火大会では多くの人が観覧しに来ますが、もしも愛犬が花火の音に対して恐怖心を抱いていた場合、そのあまりの恐怖にパニックを起こしてしまい、他の人に噛みついてしまうといった事故が起こってしまう可能性があります。
花火大会は普段大人しくて落ち着いた子であっても、花火の音によって、震えたり怯えたりということは珍しくありません。また、花火大会に限ったことではありませんが、第三者に対するトラブルや事故は当然飼い主さんの責任になってしまうため、しっかりと万全を期す必要があります。
連れていかないほうが良い理由⑤:熱中症
『夜に行われる花火大会で熱中症?』と疑問に思う飼い主さんも居るかもしれませんが、昔と違って今の夏は熱帯夜になる日が当たり前になってきています。
特に猛暑日には、夜になっても28℃や30℃など、なかなか気温が下がらないことも増えてきました。そういった時に開催される花火大会の場合、外気温に加え、人混みでも発生する熱気などの影響で、愛犬が熱中症を引き起こしてしまう可能性があります。
昔であれば【涼しい中で夏の風物詩を楽しむ】ことも可能でしたが、今となっては、夜も熱中症に気を付けなければならないため、「夜=熱中症とは無縁」という考えでは危険なことを覚えておいてください。
犬との花火大会で最悪死亡してしまうケースとは?
それでは、犬と花火大会に行くことで最悪死亡してしまうケースとは一体どんなことなのでしょうか?
起こってしまうと最悪死亡してしまう危険性があるケースには、以下のようなことが考えられます。
【犬と花火大会に行くことで最悪死亡するケース】
・てんかん発作
・心臓発作
愛犬と花火大会に行くことで最悪死亡してしまうケースに、『てんかん発作』と『心臓発作』が挙げられます。
『てんかん発作』は、様々な原因で犬には起こりやすい病気と言われておりますが、大きな音や光にも反応してしまうことがあるようです。
その『てんかん発作』の中でも、特に注意が必要なのが、『てんかん重積』と言われる発作症状で、最悪死に至ってしまうケースとして知られています。
『てんかん重積』は、てんかん持ちの子が花火の音や光によって、立て続けに発作を繰り返したり、5分以上発作が続いたりする症状の事で、もしも花火大会による驚きや恐怖で治まる気配がない『てんかん重積』発作を起こしてしまった場合、その発作の後に死亡してしまう危険性があります。
また、心臓の弱い人でも起こり得る『心臓発作』は、心臓が弱い犬や心臓病を抱えている犬でも起こる危険性があります。
2019年には、イギリスのサウスヨークシャー州の近くで生後18週の子犬が連発する花火の爆音や破裂音によって『心臓発作』を起こし、死亡してしまった痛ましい事例が存在します。
その飼い主さん宅の近くでは、毎年恒例の花火大会が開催されていて、18週の子犬はその爆音や破裂音にひどく怯え、最後にはうめき声をあげて死亡してしまったとのこと…。
人にとっての花火大会はとても見応えがあって綺麗なものですが、犬にとっては最悪死亡してしまう危険なものだということを忘れないように花火大会シーズンを過ごすよう心掛けてあげてください。
まとめ
いかがでしたか?
筆者の初代柴犬は、花火や強風、雷が大の苦手で、花火大会シーズンになると決まってどこかに隠れて、そのうちの一回は、あまりの恐怖に家から逃走してしまったことがあります。
無事に何事もなく我が家に連れ帰ることが出来たので事なきを得ましたが…、こうしたことからも分かるように、犬の聴覚はとても発達しているため、ただでさえ大きい音はさらに大きな音となって、愛犬たちの耳に響き、恐怖を与えてしまう危険性があります。
飼い主さんにとっては、愛犬と一緒に花火大会を楽しめないのは少し残念なところもあるかもしれませんが、最悪のケースを考えれば、愛犬と一緒に花火大会に行くのではなく、その時ばかりは愛犬にはお留守番してもらって、お友達やご家族と一緒に夏の風物詩を楽しんでください。
<参考サイト>
RSPCA|Pets and fireworks|ペットと花火
>https://www.rspca.org.uk/adviceandwelfare/pets/general/fireworks
飼い主が「花火大会やめて」連発打ち上げの爆音で子犬が心臓発作死
>https://sirabee.com/2019/11/10/20162193678/
石堂動物病院|てんかんの分類
>http://www.ishido-ah.com/hospitalnews/028/index3.html
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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