犬の換毛期というと、春と秋の2回、ゴソッと毛が抜けるイメージをお持ちの方は多くいらっしゃると思います。
しかし実はそれ以外の季節においても、犬の毛は定期的に抜けています。
今回は、犬のブラッシングによって得られる効果やブラッシングの手順をご紹介します。
<目次>
犬のブラッシングは換毛期以外にも必要なの?
結論から申し上げれば、犬のブラッシングは換毛期以外にも必要です。
ご存知のように、犬には短毛種や長毛種という被毛の長さや毛量の違いはあるものの、ほとんどは体の多くの面積が毛で覆われているため、定期的なブラッシングを心掛けてあげることは、とても重要です。
特にダブルコートで、且つ長毛犬種のワンちゃんを迎えている飼い主さんについては、換毛期以外の時期もしっかりとブラッシングをしてあげないと、極端な話にはなりますが、たった1日ブラッシングを怠っただけでも、毛のもつれ、毛玉の原因になってしまいます。
筆者は短毛犬種である柴犬と長毛犬種であるシェットランド・シープドッグという同じアンダーコートでも毛量も毛の長さも違う犬種を飼養したことがあります。
この二犬種を比較すると、やはり長毛犬種であるシェットランド・シープドッグの方が換毛期以外の季節も念入りなブラッシングを必要としました。
ただ、だからといって短毛犬種である柴犬ならば、換毛期以外のブラッシングが必要ないか?というとそうではなく、どちらの犬種であっても、換毛時期以外の季節のブラッシングは大変重要です。
そのため、換毛の時期が過ぎたからその後のブラッシング感覚を空けて良いとは思わずに、皮膚や被毛に新鮮な空気を触れさせるためにも、定期的なブラッシングは心掛けるようにしましょう。
犬のブラッシング効果にはどんなものがある?
犬にブラッシングをすることによって得られる効果は、いくつか存在します。ブラッシングが苦手な子であっても、最初は飼い主さんの手櫛から徐々にブラッシングに対する恐怖心を拭ってあげることで、以下のような効果が実感できるでしょう。
ブラッシング効果①:皮膚の血行促進に繋がる
日々のブラッシングをすることによって、皮膚の血行促進が期待できます。
皮膚を刺激することは、子犬から老犬までどの年齢の子にとっても大切なことで、血行促進と同時に得られるマッサージ効果は、特に免疫力低下に気を付けなくてはならない老犬には、皮膚被毛の健康維持を促し、新陳代謝アップも期待できるので、積極的に行ってあげたいものですね。
ブラッシング効果②:ノミ・マダニの駆除が出来る
暖かくなってくる時期は特にノミ・マダニの駆除が必要になってきますが、駆虫薬とは別に短時間で良いので散歩後に軽くブラッシングを行ってあげると、散歩中についてしまう可能性があるノミ・マダニの駆除に役立ちます。
中でもトイ・プードルといったカーリーコートの子については、換毛期がない代わりに被毛はもつれやすいので、散歩が終了した後は出来るだけブラッシングしてあげて、ノミ・マダニの侵入を防いであげましょう。
ブラッシング効果③:できものや傷などの皮膚異状の早期発見
筆者の2代目シェットランド・シープドッグは、普段からブラッシングが欠かせない子でしたが、どちらかというとブラッシングは苦手な子だったため、手櫛で毛を掻き分けながら体を触っていたところ、背中の一部にカサブタの様な皮膚異状を見つけ、病院で検査してもらって早期の肥満細胞腫を見つけられて、悪化する前に無事に切除できた経験があります。
このように、手櫛であってもブラッシングのように常日頃から体を触ることは、愛犬にいつの間にか出来ていたできものや傷などの皮膚異状を早期に発見できる場合があります。
ブラッシング効果④:愛犬とのコミュニケーション向上
ブラッシングを日々行うことは、愛犬とのコミュニケーション向上にも役立てることが出来ます。
中には筆者の愛犬のようにブラッシング自体が苦手という子も居るかもしれませんが、その場合には無理にブラッシングするのではなく、優しく声を掛けて触ってあげるだけでも十分にコミュニケーション効果が発揮できます。
ブラッシング効果⑤:熱中症や皮膚炎の予防
換毛期が終わってスッキリ!と思っても、やはり日々のブラッシングを怠ってしまうと、天候や気温によっては愛犬が熱中症になる危険性や抜けた毛(死毛)が原因で起こる皮膚炎には注意が必要です。
アレルギー性皮膚炎になりやすい柴犬やゴールデン・レトリバーなどは、一度皮膚炎になってしまうとなかなか改善するには難しく、その後はずっと処方薬が必要という場合も珍しくないため、日々のブラッシングで熱中症や皮膚炎予防を心掛けましょう。
犬にブラッシングする時の手順
犬にブラッシングを行う際は、無理強いをせずに行うことが大前提です。
迎えたばかりでまだまだブラッシングに慣れていないというワンちゃんの場合には、まずはブラシ自体に慣れてもらうところから始める必要があります。
愛犬にブラシを見せたり、当てたりして抵抗を示さないようなら、その部分から始めるように心掛けましょう。
それ以前に、もしもブラシ本体に対してジーっと目を離さないようなら、それは警戒心を示しているサインなので、その時には無理にブラシを使うようなことはせず、遊びやハグで気分転換させて、徐々にブラシが怖いものではないことを教えていくことが大切です。
ただし、このケースはあくまでも極度にブラシを怖がる場合の対処法なので、そうでないのであれば、ブラシから視線を外した段階で、再びブラシに気を向ける前にゆっくりと背中に当て、ブラッシングしてあげましょう。
愛犬がブラシ本体に慣れた後は、ブラッシングを掛ける順番として、背中から腰→体のサイド→首や胸→お腹→頭部全体→足先や耳の順番で、毛並みに沿ってブラッシングを行いましょう。
長毛種の場合だと、口周りや耳の後ろ、わきの下や内股、お尻、しっぽ、足先などは飾り毛があってもつれや毛玉の原因になるため、特に念入りにブラッシングするように心掛けてあげてください。
まとめ
犬のブラッシングは、換毛期だけではなく日常のお手入れの際にも重要なものです。
基本的にダブルコート以外の犬種は換毛期がなく、抜け毛に苦労することはあまりないかもしれませんが、例えばヨークシャー・テリアの長毛犬種やトイ・プードルといったカーリーコートはその分日々のブラッシングを怠ってしまうと毛の絡まりやもつれが起こりやすく、ゴミやノミ・ダニの住処になってしまう場合も少なくありません。
日々の犬のブラッシングは、仕事や子育てに追われているとなかなか難しいことではありますが、出来る限り愛犬の健康のために、定期的なブラッシングは忘れないようにしたいものですね。
<参考書籍>
ブルース・フォーグル博士のナチュラルドッグケア
犬と楽しく暮らす知恵満杯事典 THE DOG CARE ザ・ドッグケア
<参考サイト>
日本ペットシッターサービス|犬のブラッシング
>https://www.pet-ss.com/blog/post_41/
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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