犬と暮らす中で重要になってくるトイレ事情。
中にはウンチをした一瞬の隙に、そのウンチを食べてしまう『食糞行動』を取ってしまうワンちゃんも居ますよね。
そこで今回は、どうして犬はウンチを食べてしまうのか、困った犬の『食糞行動』の対処法、また、食糞しやすい犬種についてまとめました。
<目次>
犬はどうして『食糞行動』をしてしまうの?
犬が食糞をしてしまう理由については様々だと言われています。
しかしその一つに、2018年カリフォルニア大学デービス校が行った食糞に関する研究結果で「理論的」だとされる内容が発表されました。
その内容では、食糞癖のある犬の約80%が排泄後2日未満の新鮮なものを食すとされており、この研究結果が示しているものは、「食糞は野生時代から続く寄生虫対策かもしれない」ということ。
基本的に群れで暮らしていたオオカミは、自分の巣穴を汚さないために遠く離れた位置で排泄をするのが普通でした。
しかし、時にお腹を下してしまった個体は巣穴から離れた場所まで間に合わず、巣穴のそばで排泄してしまうことがあり、その便中に含まれる寄生虫は数日後には孵化してしまうため、感染症の蔓延に繋がってしまう恐れが。それを防ぐために、オオカミは寄生虫が孵化する前の糞便を食べて、感染拡大リスクを減らそうとしたとされています。
その結果、この仮説は現在の犬に引き継がれ、【本能で食糞をしている説】との見方がされているようですが、実際のところは他にもいろいろ原因と考えられるものはいくつかあるので、続いてはその原因について見ていきましょう。
犬が『食糞行動』を起こしてしまう原因
本来ウンチを食べてしまう『食糞行動』は、多くの動物で見られる行動ではありますが、犬の場合では特に子犬の時期に多く見られます。
ただ、そういった行動は成犬になるにつれ自然と治まっていくことの方が多く、成犬になってもなかなか『食糞行動』を止められないワンちゃんについては、何かしらの原因が考えられる場合があります。
▼【食糞行動の主な原因】
・トイレ以外でしてしまった時に叱られ、次にした時には食べて隠す習慣がついた
・ウンチは胆汁成分を含むので胸やけ防止のため、草を食べるのと同じ理由で食べた
・食糞をすると飼い主さんが注目してくれた
・空腹・退屈で食べてしまった
上記が『食糞行動』をしてしまう際の主な原因になります。
基本的に愛犬が行う『食糞行動』は、その子自身が排泄したウンチを再度食べてしまっているだけなので、そこまで心配はいりません。
けれど、もしも成犬になっても『食糞行動』がなかなか治らない場合には、上記のような原因が関係しているかもしれませんので、その時には、愛犬が食糞に至ってしまった経緯を今一度探してみてあげてください。
愛犬に『食糞行動』をさせないための対処法
結論から申し上げれば、犬が排泄した際にはすぐにその排せつ物を片付けることが大前提です。
また、犬の『食糞行動』は、飼い主さんがいる場合と飼い主さんがいない場合にも分けられることがあります。
▼<飼い主がいる状態で食糞行動をする時の対処法>
手順1 排泄する態勢になったら静かにおやつを用意する
手順2 排泄したらトイレから離れた場所で愛犬を呼びおやつを与える
手順3 おやつに気を取られている間にウンチを片付ける
▼<飼い主がいない状態で食糞行動をする時の対処法>
手順1 空腹にならないために普段のごはんが適正量か確かめる
手順2 外出予定前に十分に運動させる
手順3 食糞しても叱らず静かに片付け、在宅時に排泄したら食糞してしまう前に片付け、すぐ褒める
一般的に普段から食物繊維を多く含む植物を主食とする馬やウサギといった草食動物にとっては、盲腸でバクテリアと合成し、豊富な栄養に富んでいる盲腸便を再度摂取する『食糞行動』は、大切な消化過程の一つとされているため、必要な行動と言えますが、肉食動物である犬の場合には、見た目的にも気分的にもなくて良い行動です。
そのため、『食糞行動』が見られた時にはすぐさま片付けることを心掛け、もしも飼い主さんが出掛けている際に『食糞行動』をしてしまう場合には、退屈が原因の可能性も考えられるため、その時には毎日の散歩を多くすることを意識し、トイレトレーニングが終わっている子であっても、ウンチをした時にはしっかり褒めてあげることをしてあげましょう。
愛犬の『食糞行動』を止めさせる時の注意点
通常、子犬時期に多い『食糞行動』ですが、初めて子犬を迎える方や、飼養経験者の飼い主さんでも今まで『食糞行動』のなかった愛犬だった場合、どうしても『食糞行動』を目撃してしまうと、慌ててしまうものだと思います。
筆者も初代柴犬ではなかった『食糞行動』が、2代目シェルティで見られた時には慌ててしまった経験があります。
しかし、そういった焦りはかえって愛犬を興奮させたり、飼い主さんの気が引けたと勘違いさせたりしてしまうことがあるので、最初は難しいかもしれませんが、少しずつでも落ち着いた対応を取るようにし、決して叱らないように注意しましょう。
特に子犬の時期の散歩などは好奇心や警戒心も強いため、片付けずに放置されている糞便は寄生虫や感染症などの観点から大変危険です。
そのため、そういった排せつ物を見つけた時には、おやつや掛け声、名前を呼んであげることで気を引かせ、リードを短く持つなど、糞便から気を逸らすことが大切です。
『食糞行動』をしてしまいやすい犬種
『食糞行動』は、基本的にはどんな犬種であっても起こりうる行動ですが、その中でも『食糞行動』を起こしやすい犬種というのが存在します。
【食糞行動しやすい犬種】
・ミニチュア・ダックスフンド
・トイ・プードル
・ビーグル
・ラブラドール・レトリーバー
・フレンチ・ブルドッグ
・シェットランド・シープドッグ
比較的これらの犬種で『食糞行動』を起こす傾向が強く、筆者が飼養していた2代目シェルティも幼犬時期から『食糞行動』が見られ、成犬になってもなかなか治らない状態で、随分と頭を悩まされました。
結果的には年齢を重ねるにつれて『食糞行動』は徐々に減っていき、寄生虫などの検出も今までされなかったため、それで動物病院にお世話になるということはありませんでした。
しかし、上記で記載した犬種に限らず、どんな犬種であっても『食糞行動』を行う可能性はあるので、早いうちから対応するように心掛けてください。
まとめ
『食糞行動』は、犬たちにとっては何ら不思議な行動ではない一方、糞便に含まれる寄生虫や感染症の危険性が伴います。
『食糞行動』は、一朝一夕で改善することが難しい事柄ではありますが、じっくり愛犬と向き合うことで徐々に『食糞行動』を減らしていくことを目標に、まずは慌てず、焦らず、落ち着いて行動することを意識してみてくださいね。
<参考書籍>
愛犬の悩み解決BOOK
いぬほん
観察する目が変わる 動物学入門
マンガで納得!犬の気持ちがわかる
いぬ大全304
<参考サイト>
Newsweek日本版|犬の「うんちを食べる行為」の謎がついに解けた!?
>https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/01/post-9369.php
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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