犬のマウンティング行動。犬を迎えたことがある方なら一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
犬にとってはごく自然な行動であるこのマウンティング行動は、家族間であっても複雑な行動なのに、他人や他犬にまで及ぶとなかなか困りものですよね。なぜ犬はマウンティングをしてしまうのか、止めさせるにはどうしたらいいのか、今回はその方法をまとめました。
マウンティング行動ってどんなもの?
犬が見せるマウンティング行動とは、一般的に「一方の犬がもう一方の犬に対して背後から馬乗りになって腰を振る行動」の事を言います。
この行動は、犬の習性によるもので、犬同士のオス⇒メスはもちろんの事、オス⇒オス、メス⇒メス、メス⇒オスであっても見られる、性別を問わない行動になります。
また、マウンティング行動は性ホルモンの影響によっても強弱が分かれると言われていて、オス犬に挟まれ成長したメス犬の場合には、オス性ホルモンが強く出て、そうでない子犬よりもオスっぽく、マウンティング行動も出やすい傾向が強いとされています。
しかし、この犬のマウンティング行動は犬同士だけではなく、人にも行うことがあるのは、多くの方がご存じなのではないでしょうか?
筆者の3代目柴犬もそうで、隙あらば母の足にしがみ付き、マウンティングすることがしばしばあります。
その行動ゆえ性的な意味合いを連想させがちなので、なかなか私たち人には受け入れがたい行動になってしまうものですが、犬にとっては本当のところどうなのでしょう?
続いては、犬がどんな意味合いを持ってマウンティングをしてしまうのか、見ていきましょう。
犬のマウンティングの意味
犬がマウンティング行動を起こす意味合いには主に…
・相手に対する優位性
・ストレス発散目的
・退屈しのぎ
・遊びたい表れ
など
こういったものが含まれています。
この中で、犬同士で行われるマウンティング行動には「力比べ」といった優位性が関係したマウンティング行動が含まれていることがあります。
しかし、人の場合にはその優位性という意味合いだけとは限らず、遊んでほしい場合であったり、退屈しのぎであったりすることがあります。
そのため、世間一般に広く伝わっている
人に対する犬のマウンティング行動=「犬が人を見下している」
という考えは、一概にそうとは言えないので、覚えておいてください。
けれど、いずれにしてもマウンティング行動は放っておくとエスカレートしてしまう傾向があり、マウンティングし始めた時点から止めさせておくのがベストです。
犬のマウンティングは人で変わる?
犬が人に仕掛けるマウンティングがもしも優位性を示すだけではなく、遊びに誘う際にも見せる行動なのだとしたら、その行動をされる人とされない人には、決定的な違いが存在します。
というのも、筆者の3代目柴犬は、筆者に対しては全くマウンティング行動を示さず、稀に行動を起こしかけても、その時の筆者の毅然とした態度で、すぐ止めてしまいます。
一方、筆者の母の場合、3代目柴犬がマウンティングを仕掛けた時には、母はその行動に反応する時もあれば、しない時もあり一貫性がないため、結果的に愛犬は遊びに誘うように嬉々として足にしがみ付いています。
▲来た当初の3代目柴犬の様子です。表情からも楽しそうにしているのが窺えますね。
犬はマウンティングさせてくれるタイプの人とさせてくれないタイプの人を見極めている可能性があると言われています。
そのため、もしも犬のマウンティング行動で困ってしまっている場合には、中途半端な対応をするのではなく、一貫性のある対応を心掛けることが大切になってきます。
犬のマウンティングを止めさせる対処法
それでは、犬のマウンティング行動を止めさせるための対処法をご紹介します。
犬の場合と人の場合とでは多少の違いがあるため、ご自身の愛犬が誰に対して、どのような場面で、マウンティングをしてしまうのかしっかりと考慮しながら対策していきましょう。
人へのマウンティング対応
犬が人に対してマウンティングをする時には、必ず「イヤだ」としっかりとした意思表示を示すことが大切です。
マウンティングの多くは興奮した時や遊びたい時などに多く見られ、我が家の愛犬も興奮状態の時に行うことが多いです。
▲現在はだいぶ落ち着きましたが、来た当初は掃除をしている時も隙あらばマウンティング。
ですので、マウンティングを止めさせる時には、落ち着かせることを優先的に考え、足にしがみ付いてきた時には「ダメ」とハッキリした対応を示して、愛犬の事を落ち着かせます。
この方法は他人に対してマウンティング行動を取ってしまう場合も同様、重要な態度となるので、一貫した態度で愛犬に接してください。
また、あまりにもしつこくマウンティングをしてしまう場合には、一旦愛犬をゲージなどに入れるか、別の部屋に移すことで愛犬が落ち着くのを待ちましょう。
ただし、その際おやつなどでゲージまで誘導してしまうと、マウンティングは良いことという間違った認識をされてしまう場合があるので、その点だけ注意してください。
犬へのマウンティング対応
愛犬が他の犬に対してマウンティング行動を起こしてしまう時には、その犬が、同居犬なのかそうでないのかでも違ってきます。
同居犬とのマウンティングは遊びの範疇(はんちゅう)の可能性もあるので、しつこくさえしなければ、様子を見る程度で良いでしょう。
仮にしつこくマウンティング行動をしてしまう時には、その後喧嘩などに発展する危険もあるため、部屋を分けるなどの対策をしてあげてください。
一方、散歩中などに他の犬と会えたことに興奮して、その子にマウンティング行動を取ってしまう場合には、事前に「マテ」や「フセ」といったトレーニングをして愛犬を制止させるか、リードを短く持ってそもそもの行動を制限するように心掛けましょう。
犬がマウンティングする時の注意点
犬のマウンティング行動を止めさせるために、去勢手術を推奨する情報などもありますが、その際には去勢手術を行う時期に注意が必要です。
確かに去勢手術は、オスの性行動(マウンティング)への抑制や縄張り意識の低下、性格に対する温和性向上に効果的とされていますが、マウンティング行動に関しては、去勢手術をする前にすでに見られている場合、去勢手術をしても改善されないことがあります。
そのため、犬のマウンティング行動を去勢手術で抑制したいとお考えの際には、性成熟が完了し、マウンティング行動を見せ始める生後半年を目安に検討するように注意してください。
まとめ
マウンティング行動については、放置しておくとその子が気の済むまで続けてしまう行動です。
現に我が家の3代目柴犬は、避妊手術を行う前にマウンティング行動が顕著に表れ始め、その時の筆者の毅然とした態度と筆者の母の中途半端な態度の差で、避妊手術後であっても筆者にはマウンティング行動を起こさず、筆者の母にはマウンティング行動を起こすといった明確な違いが出ました。
一筋縄ではいかないことも多い犬のマウンティング行動ですが、気長に改善を図れるように愛犬と接してあげてくださいね。
<参考書籍>
愛犬の悩み解決BOOK 気持ちがわかるからしっかり伝わる!
マンガで納得! 犬の気持ちがわかる
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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