皆さんは、散歩中に少しよそ見をしていた瞬間、愛犬が葉っぱを食べちゃっていたなんて経験ありませんか?
筆者の3代目柴犬は、動くものは基本的になんでも興味を示す子で、特に強風で落ち葉がすごい勢いで飛んできた日には、追いかけてでも掴まえようと必死になる程です。
そこで今回は、犬が葉っぱを食べてしまう理由やその際に起こりうる身体への影響、愛犬に葉っぱを食べさせないための対処法などをご紹介します。
そもそも犬が葉っぱを食べてしまう理由とは?
そもそも犬が葉っぱを食べてしまう理由には、どんなことが考えられるのでしょうか?葉っぱを食べたところでそこまで美味しいものではない気もしますが、犬には犬の葉っぱを食べる理由というものが存在するので、いくつかご紹介しましょう。
▼犬が葉っぱを食べてしまう理由
- 狩猟本能
- 胃に違和感がある
- 葉酸不足を補う
- ストレス発散のため
葉っぱを食べる理由1:狩猟本能
犬が葉っぱを食べてしまう理由の一つに、狩猟本能という習性が考えられます。冒頭でご紹介した筆者の3代目柴犬がそれに該当すると思われ、動くものについつい目が行って、最後には咥えてしまうことが度々あります。
もしもこういった行動が多くみられる場合には、思わず狩猟本能が働き、葉っぱを相手に遊んでいる可能性が高いでしょう。
葉っぱを食べる理由2:胃に違和感がある
犬は胃に違和感を抱えている時も、葉っぱを食べることがあります。
犬の祖先と言われているオオカミは、猫と同様完全な肉食動物ですが、人と生活を共にするようになった犬は、オオカミよりも雑食性の傾向があります。
胃の不調を抱える理由は様々ですが、例えばお腹が空いている時や逆にお腹がいっぱいの時に葉っぱを食べ、吐き出すことで解消する子に関しては、こういった可能性が高いと言えるかもしれません。
葉っぱを食べる理由3:葉酸不足を補う
葉酸は犬の腸内細菌によって多少の生成がされる水溶性ビタミンの一種ですが、それが1日に必要な量を補えているかは分からないため、食事から摂取させる必要がある栄養素の一つです。
中でも妊娠中の犬の葉酸欠乏は、その後生まれてくる子に障害が出てしまう要因の一つとも危惧されているため、葉っぱをよく食べ、且つ妊娠している犬の場合には、葉酸欠乏に注意してあげてください。
葉っぱを食べる理由4:ストレス発散のため
犬が葉っぱを食べる時には、ストレスが溜まっていて、それを解消させるために食べている場合も考えられます。
ストレスの原因は様々なので、これ!といった内容は各家庭違うと思われますが、このストレス発散目的で、もしも愛犬が葉っぱを食べている場合には注意が必要です。
葉っぱの大量摂取は後に嘔吐する場合が多く、それが習慣化してしまうと脱水症状や栄養不足に繋がってしまう可能性があります。
ストレスで葉っぱを食べてしまっている可能性があるなら、まずはストレスの根本を取り除くよう心掛けてあげましょう。
犬が葉っぱを食べることで起こりうる身体への影響
どのような理由であれ、犬が葉っぱを食べてしまう場合には、身体への影響も心配しなくてはなりません。
犬は本能的に、食べても大丈夫そうな葉っぱと危なそうな葉っぱをその優れた嗅覚で嗅ぎ分けていると思われますが、それも絶対とは限りません。
それでは、具体的に犬が葉っぱを食べてしまった場合の身体へのリスクを確認してみましょう。
▼<葉っぱの誤食で考えられる身体の影響>
- 腸閉塞
- 寄生虫
- 除草剤
- 有毒植物
考えられる身体への影響:腸閉塞
「葉っぱを食べるだけで腸閉塞?」と思われるかもしれませんが、異物の誤食などで起こりうる腸閉塞は、大量に食べてしまった場合の葉っぱでも起こる可能性がある病気です。
少量の葉っぱであれば便と一緒に排泄されるものの、基本的に犬はオオカミよりも雑食性とは言え、厳密に言えば雑食に近い肉食動物ですので、食物繊維の消化は苦手としています。
大量の場合には消化されることはまず難しいため、たかが葉っぱと思わず、万が一多量に葉っぱを食べてしまった際には、動物病院で診てもらうようにしましょう。
考えられる身体への影響:寄生虫
仮に犬の体内に寄生虫などが生息していた場合、すでに体内に発生してしまった寄生虫を除去するために葉っぱを食べることがある一方、落ち葉などの葉っぱを食べる行為はその寄生虫や細菌を逆に取り込んでしまうリスクも抱えています。
時に草っ原に頭ごと突っ込んで、葉っぱを食べてしまうワンちゃんの場合には、一緒に昆虫まで口にしている可能性もあり得るので、注意しましょう。
考えられる身体への影響:除草剤
除草剤は、公園などで管理されている木の葉っぱだけではなく、遊歩道やマンション内、駐車場など様々なところに散布されていることがあります。
犬が少量葉っぱを口にした程度であれば、除草剤が体に及ぼす影響もそこまでではないかもしれませんが、除草剤に含まれる成分の中には、肝障害や神経障害を起こすものも存在し、葉っぱを食べた後に中毒症状の食欲不振や下痢、嘔吐、血便や痙攣といった症状が見られた時には、動物病院で診てもらってください。
考えられる身体への影響:有毒植物
一口に葉っぱと言っても、犬にとって害のない葉っぱもあれば、有害なものを含む葉っぱもあります。
例えば、観葉植物でも人気の高いアイビーなんかは、ご自宅で育てている方も多いのではないでしょうか?しかし、アイビーの葉っぱや茎にはサポニンが含まれており、一時的な下痢や嘔吐の原因になります。
また、公園内や遊歩道にあるアジサイも葉っぱの部分にクマリン誘導体というめまいや消化器症状、意識障害の原因になるものを含んでいるので、そういった植物の葉っぱには、特に注意してあげてください。
犬に葉っぱを食べさせないための対処法
犬自身があえて食べている場合も考えられる葉っぱ。
しかし、あまりにもその回数が多かったり、飼い主さんの声に耳を貸さない程ムシャムシャと葉っぱを食べていたりすると、悩みの種の一つになってしまいます。そんな時は、愛犬に葉っぱを食べさせないために、拾い食いをさせないトレーニングをしましょう。
▼【トレーニング手順】
- 散歩を想定して家の中で犬に首輪とリードを付ける。
- 綺麗な室内にご褒美とは別のおやつを置く。
- おやつを食べそうになる前に「マテ」や「いけない」といった声符(掛け声)をかけて制止する。
一般的に犬の集中力は最大で20分程度しか持たないと言われています。
そのため、途中で集中力が途切れてしまう時もあるかもしれませんが、そうなった場合には、また日を改めて根気強く接してあげてください。徐々にその行動も減らせるはずです。
また、実際に散歩に出掛けた場合の対処法としては、上記のトレーニングの応用に加え、犬のリードを予め短く持ち、葉っぱを食べないように飼い主さん自身がコントロールすることで対処し、食べなかった時にはしっかりご褒美を渡して褒めてあげましょう。
まとめ
いかがでしたか?
犬が何気なく食べてしまう葉っぱには、色んな理由が関係していたかと思います。中でも、胃の不調を改善したがっている愛犬の場合、それが改善されるまではなかなか止めない場合もあるかもしれません。
ただ、そうした場合には胃の不調とは別に病気が隠れている場合も考えられるので、その時は獣医さんに相談なさってくださいね。
<参考サイト>
犬と猫の栄養成分辞典
>https://www.royalcanin.co.jp/dictionary/nutrients/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3b9
長期にわたり植物(雑草)摂食行為を示したプードル犬の高繊維含有給餌による改善症例
>https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010742663.pdf
横須賀市つだ動物病院|犬のお散歩要注意 除草剤の中毒!
>https://tsuda-vet.com/%E7%8A%AC%E3%81%AE%E3%81%8A%E6%95%A3%E6%AD%A9%E8%A6%81%E6%B3%A8%E6%84%8F%E3%80%80%E9%99%A4%E8%8D%89%E5%89%A4%E3%81%AE%E4%B8%AD%E6%AF%92%EF%BC%81/
井上動物病院|ペットに危険な植物
>https://www.inoue-animal-hospital.net/%E3%83%9A%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%AB%E5%8D%B1%E9%99%BA%E3%81%AA%E6%A4%8D%E7%89%A9
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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