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「犬を落下させてしまったら?」もしもの時の対処法と事故防止策をご紹介【動物看護師が解説】

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「犬を抱っこ中に落としてしまった」「走り回って階段から落ちてしまった」といった「犬の落下事故」は意外と多く発生しています。

子犬や小型犬であれば骨折をしてしまいますし、頭から落ちれば脳震盪(のうしんとう)を起こすこともあります。

こういった事故を防ぐために、私たち飼い主はどのような事に注意すればよいのでしょうか。

今回は、「犬の落下事故の現状」をお話ししながら「もしものときの対処法」と「事故防止策」をお話ししていきますので、ぜひ最後までご覧ください。

犬を落下させる事故は多い!

下の図は「アニコム損害保険株式会社」が契約者に対して「ペットとの暮らしで起きた事故」に関して行ったアンケートの結果です。

回答数616件のうち、怪我や事故に至ったのが「158件」、大怪我や大事故に至ったのが「34件」でした。

そして、その事故内容を調べてみると「落下」に関する事故が多く発生していることがわかります。

▼ペットとの暮らしの中でケガや事故にあった経験

特に大怪我を招いた原因の多くに「落下」が入っていることを考えると、日常的に「落下事故」に対して注意しておかなければならないことがわかります。

では、どういったことが原因で落下事故をおこしてしまうのでしょうか。

次に、落下事故を引き起こしやすい原因について学んでいきましょう。

犬の落下事故を引き起こす原因とは?

先ほどの図を見てみると、大怪我の原因の第2位が「リビングでの落下」で4位が「散歩中の落下」でした。

「リビングでの落下」や「散歩中の落下」と聞くとピンとこないかもしれませんが、下記のようなことが落下事故の発生に繋がっています。

▼こんなことが「落下事故」に繋がります
・ソファーやベッドから犬が飛び降りる
・家の階段を上り下りさせている
・犬の正しい抱っこの仕方を知らない
・子供が立ったまま、抱っこをしている
・犬が暴れたときに抱っこをした
・犬を抱っこしながら、別のことをしている
・リードを着けずにカートに乗せている

落下事故というと高いところからの落下というイメージがあるかもしれませんが、実は30cmの高さから落ちるだけで骨折をしてしまうことがあります。

30cmというと、足つきのソファーやベッドくらいの高さですね。

人にとってはちょっとした高さでも、犬は大怪我をしてしまうことがあるのです。

また、「正しい犬の抱っこの仕方を知らない」「抱っこをしながら別のことをしている」なども、落下事故を引き起こす原因になってしまいます。

気をつけていても起こってしまうのが事故ですが、できる限り事故に繋がりやすいことは減らしていくことが大切です。

犬を落下させてしまったときは、どうすればいいの?

では十分注意をしていても、犬を落下させてしまったときは、どうすればよいのでしょうか。

犬を落下させてしまったときに、すぐに確認して欲しいことが「3つ」あります。

▼犬を落下させたときにすぐに確認すること
①頭を強く打っていないか
➁足を痛めていないか
➂ショック状態になっていないか

頭から落ちてしまったり、頭を強く打ってしまうと「脳震盪(のうしんとう)」を起こす場合があります。

また歩き出したときに足を引きずって歩いたり、歩き方に違和感がある場合、骨折をしていたり靭帯を痛めている可能性があります。

力なくうずくまっていたり、口の中の粘膜の色が薄くなってきたら、ショック状態になっている可能性があります。

▼こんなときはすぐ動物病院へ行きましょう
・歩き方に違和感がある
・頭から落ちた、頭を強く打った
・痛がっている
・呼びかけに反応しない
・自力で歩けない
・嘔吐した
・元気がない

落下事故の怖いところは、一旦元気になったように見えたとしても、目に見えない所で異変が起きている可能性があるところです。

目視で確認できない所で炎症や出血が起きていることもありますし、脳震盪は時間が経ってから容体が急変することもあります。

落下後も様子が変わらなかったり、元気そうだと様子を見たくなりますが、犬を落下させた場合は、すぐに動物病院で診察してもらった方が良いでしょう。

犬の落下事故はどう防ぐ?事故防止策をご紹介

では、犬の落下事故はどうやって防いでいけば良いのでしょうか。

ポイントを「6つ」にまとめました。

▼犬の落下事故防止策「6つ」
①正しい犬の抱っこの仕方を覚える
➁子供に抱っこさせるときは注意する
➂抱っこと同時に何かをしない
④ソファーなど段差がある所には乗せない
➄階段や段差があるところにはゲートを置く
⑥カートやキャリーに入れるときはリードをつける

①正しい犬の抱っこの仕方を覚える

皆さんは正しい犬の抱っこ方法を知っていますか?

赤ちゃんと同じような抱き方をしたり、犬の腰を痛めるような抱き方をすると、犬が痛みや違和感を感じて暴れて落下事故に繋がることがあります。

正しい犬の抱っこ方法を覚えておきましょう。

下の記事では、犬の正しい抱っこの方法とNG抱っこの方法をご紹介しているので、よろしければ合わせてご覧ください。

➁子供に抱っこさせるときは注意する

子供に犬を抱っこせるときは、床に座った状態で抱っこさせるようにしましょう。

犬が暴れたり犬の重さに耐えられなかったときに、立ったまま離してしまうと、骨折をしてしまう恐れがあります。

子供に犬を抱っこさせる場合は、すぐに床に離せるように低い位置で抱っこさせるようにしましょう。

➂抱っこと同時に何かをしない

犬をひざに抱っこしながら、ついスマホを触ってしまうという方も多いのではないでしょうか。

気をつけているつもりでも、意識が別のところに反れるので、犬が予期せぬ動きをしたときにすぐに反応することができません。

事故防止のためにも犬を抱っこしているときは、別の事をしないようにしましょう。

④ソファーなど段差がある所には乗せない

犬が興奮してソファーの上やベッドに飛び乗ってしまうということもありますね。

しかし、先ほどお話ししたように犬は30cmの高さでも、骨折をしてしまうことがあります。

特に子犬はまだ危険か安全かの判断がなかなかつきません。

事故を未然に防ぐために、段差があると所には乗せないようにトレーニングをして、どうしても乗ってしまう場合は、ソファーやベッドを低いものに変えるなど工夫をしてあげましょう。

➄階段や段差があるところにはゲートを置く

家の階段の多くは人に合わせて設計されているので、犬の体には不向きのことが多く、落下事故を引き起こしやすいです。

階段の上り下りは極力控えて、階段や段差の前にはゲートや柵を置き、落下させないようにしましょう。

⑥カートやキャリーに入れるときはリードをつける

移動にキャリーやペットカートを使う方も多いと思いますが、何かの拍子に外に飛び降りてしまう事故は意外と多いです。

乗せるときは必ずリードをつけて、短く持っておくようにしましょう。

落下事故を起こしてしまうと、多額の治療費がかかりますし、犬が痛い思いをします。

特に骨折は治療期間が長いので、散歩や遊びが大好きな犬をずっと安静にさせておかなければならず、お世話をしている飼い主さんも辛くなります。

悲しい思いをしないためにも、今回ご紹介した落下事故の原因や防止策を覚えて、愛犬の日常管理に役立ててくださいね。

<参考URL>

ペット保険のアニコム損保 ペットとの暮らし「ヒヤリ・ハット」経験は1:5:10
>https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2014/news_0141209.html

<参考書籍>

ドッグ・トレーナーに必要な「子犬レッスン」テクニック ヴィベケ リーセ (著)藤田 りか子  (編集)

こころのワクチン 村田 香織  (著)

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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