犬を1頭迎えると、その愛らしさや多頭飼育への憧れから、もう1頭…と、考える方も少なくないのではないでしょうか?
かく言う筆者も、これまで3頭の犬を迎えてきましたが、一時期多頭飼育を経験した一人です。しかしそんな多頭飼育ですが、いくつか押えておきたいポイントがあるんです。
今回は、犬の相性や注意点、年齢差など、多頭飼いの実例も交えてご紹介します。
犬をもう一頭迎えたいと思った時は…
もしも、もう既に犬を1頭迎えていて、もう1頭迎えようか検討している場合には、大前提として、今いる先住犬との相性などをご家族と入念に相談してください。
犬と暮らす楽しさを実感すると、もう1頭居たら…と考えただけで想像は膨らんでしまうと思いますが、実際のところは、楽しさは2倍、大変さは3倍、金銭面について言えば、新しく迎える、または元居る先住犬によっては、随分と生じる可能性があります。
筆者が飼養していた柴犬とシェルティは、性格、体質ともに正反対でした。クールで病気知らずの柴犬に対し、シェルティは穏やかで晩年は多くの病気と闘ってきました。
多頭飼育を検討する場合は、しっかりと家族と相談することが大切です。
迎える犬は血縁よりも相性を見る
それでは、2頭目を迎える際に大切な先住犬との相性についてご紹介します。
まず、新たに犬を迎える場合には、愛犬同士の相性をしっかりと見た上で迎えるように心掛けてください。
一般的に下記の性格の子については、新しい子を迎えるのを一旦見直す、または見送る必要性があるので、ご自身の愛犬がこの中に当てはまっていないか確認してみましょう。
①怖がりな犬
②攻撃的な犬
③飼い主さんへの依存心が強い犬
一概にこれらの性格を持ち合わせている先住犬が全て多頭飼育をしてはダメというわけではありませんが、場合によっては、喧嘩に発展してしまう危険性やストレスを抱えてしまう可能性があるので、2頭目を迎える際には慎重に検討してください。
犬の多頭飼育をする際の注意点とは?
ここまで見ると、血縁関係のある犬なら問題ないのでは?と感じてしまうかもしれませんが、犬の場合は、猫と違って必ずしもそうとは限りません。
猫の場合であれば、血縁関係のある子は仲良く出来る可能性が高いと言われておりますが、犬の場合では行動や体質が似ていることで、好きなおもちゃを巡り争ったり、遺伝的な病気を患いやすいといったデメリットがあったりします。
では、具体的に多頭飼育をする上で注意しておきたい点はどこでしょうか?
注意点①:2頭目を迎える時は必ず先住犬と顔合わせする
どうしても2頭目を迎えたいと思っても、迎える時には先住犬との顔合わせは必ずさせてあげるように気をつけましょう。
やはりどんなにフレンドリーな子であったとしても、今まで築いてきた自分の居場所に突然知らない誰かがやって来ることは、多かれ少なかれストレスを感じます。
その後の2頭の関係性を良好にするためにも、必ず一度は顔合わせをして、お互いのフィーリングを見てあげてください。
ペットショップなどでは後輩犬になる子がまだ幼いことから、ショップ内を共に歩かせてあげる、ということは難しいかもしれませんが、保護犬やある程度成長した犬の場合、可能であればお互いを散歩させてみて、落ち着くまで歩かせてみると良いでしょう。
注意点②:先住犬優先よりもお互いの関係性を見る
よく新しく子犬を迎えると、先住犬を優先させるべきといった内容を目にしますが、実際のところはその優先順位は先住犬、後輩犬双方が自然に配慮する形になる場合が多いため、「優先」ではなく、「関係性」を重視するようにしましょう。
我が家の場合、先住犬であった柴犬は比較的気の強い子だったので、自分のお気に入りのテリトリーなどは自分で守っていました。
そのため、ご飯時などもフードボウルを分けて与えさえすれば、時間をずらして与える必要は余りなく、同じタイミングで与えても問題はありません。
ただ、中には食いしん坊な子が先住犬の分までご飯を食べようとする場合には、与える時間を分けるといった工夫が必要になるでしょう。
注意点③:犬の性格の違いをしっかりと理解する
わんちゃんの性格はそれぞれ違います。
筆者の愛犬達のように一方はクールでも一方は穏やかと、正反対の組み合わせになることも珍しくありません。
そのため、例え同じ犬種であっても、人と同じように犬の性格は千差万別で、同じようにしつけたからと言って、先住犬と同じ反応を後輩犬が示すとは限らないことを理解しましょう。
問題行動(いたずらや甘噛み)を起こした際の注意の仕方も、先住犬には伝わっても、後輩犬には伝わっていないかもしれません。
特に甘噛みなどの成長するにつれ困る行為は、一貫した「ダメ!」や「待て」という意思表示を、短くしっかりと犬に伝え、その子にはその子に合った対応を心掛けてあげるように注意しましょう。
注意点④:犬の体格差に違いがある時は性別にも気をつける
また、時々超小型犬と超大型犬を多頭飼育している飼い主さんを見かけることがありますが、こういった場合にも注意が必要です。
元々体格差に大きな違いがあると、超小型犬の子に思わぬケガをさせてしまったり、一方の遊び方の激しさや散歩の時間の長さ等、負担がかかってしまう場合があります。
ですので、もしも体格差の違う犬種を迎える時は、競争の起きにくいメスとオスの組み合わせにしたり、散歩に対する工夫などが必要でしょう。
注意点⑤:犬の年齢の開きすぎに気をつける
いくらお互いの関係性に任せる面倒の見方でいいと言っても、年齢の開きすぎには注意しましょう。
余りにも年齢が開きすぎていると、先住犬の年齢が上がるにつれ、後輩犬のペースに追いつけなくなってしまうことや思いがけない喧嘩でケガをさせてしまう場合があるので気をつけましょう。
また、基本的に高齢犬であっても、身体面、精神面でまだまだ若々しいという犬なら問題ありませんが、何かしら病気を患い日々の生活をゆったり過ごしている犬の場合には、新しい子を迎えるのではなく、その子との時間を優先してあげましょう。
犬の年齢差のベストは5~8歳差!
多頭飼育では、犬の年齢差も大切なポイントの一つです。
基本的には近からず遠からずの年齢差がベストですが、具体的には5~8歳差程度にすると、シニア犬であっても無理なく後輩犬と過ごすことが出来る年齢差です。
逆に、同時期にパピー2頭や半年~1年くらいの年齢差だと、しつけや日々のお世話で飼い主さんが大変になってしまうキッカケになり、且つ性格の違いも相まってしつけに差が出る可能性がありますのでご注意を。
我が家の場合は、シェルティを迎えるのが相当遅く、柴犬との年齢差は13歳もあったため、散歩は途中から柴犬だけをカートに乗せてシェルティは歩かせる、寝ている間は邪魔させない、などの工夫をしながら過ごしていました。
まとめ
多頭飼育は楽しさが倍になる一方、先住犬を亡くした後の後輩犬のケアやご自身の心身のケアも必要になってくるものです。
そのため、安易に「1頭だけではかわいそうだから」とか、「もう1頭迎えても大丈夫」と考えるのではなく、先住犬の性格や後輩犬との相性、ご自身のお財布事情やご家族との考え方の違いなど、色々な事を考慮した上で、2頭目のわんちゃんを迎えてあげてくださいね。
<参考書籍>
いぬ大全304
ザ・カリスマドッグトレーナー シーザー・ミランの犬と幸せに暮らす方法55
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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