ペットを飼うことは子どもの情操教育にとても良い影響を与えると言われています。特に、犬は人間とコミュニケーションが取りやすく、信頼関係を築くことができるので、子どものいる家庭において良い影響を受けやすい動物です。
今回は、犬を飼うことで子どもにどんなメリットがあるのか調べてみました。さらに、犬を飼うということは一筋縄では行きません。デメリットもありますので合わせてご紹介します。
<目次>
犬を飼うことで子どもに与えるメリット5つとは?
イギリスの古いことわざに「子供が生まれたら犬を飼いなさい・・・」とあるように、犬を飼うことは子供の情操教育に良い影響があると言われています。
情操教育とはすなわち、心の働きを豊かにするための「感情・情緒の育み」であり、「道徳的な意識や価値観を養うこと」を目的とした教育の総称です。
犬が子どもに与えるメリットには以下のものがあります。
① 思いやり・優しい心を育てる
②コミュニケーション能力の向上
③ 責任感が芽生える
④情緒の安定
⑤命の大切さを学べる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①思いやり・優しい心を育てる
自分よりも小さくて弱い存在の犬に対して「守ってあげたい」という優しい心が芽生えます。愛犬が寒そうにしていたら毛布をかけてあげたり、おもちゃが取れずに鳴いていたら取ってあげたり、元気がない様子を知らせることで相手の様子を察し、思いやる力が身につきます。
②コミュニケーション能力の向上
犬と生活することで、犬が何を考え、何を欲しているのか考えるようになります。犬の反応を見て、何をしたら嫌がり、喜ぶのか体感することでコミュニケーション能力の向上になります。
③責任感が芽生える
犬を飼うということは毎日のお世話がつきもの。子どもだけに全ての世話を任せるのは無理ですが、トイレシートの交換、うんちの処理、餌やり、水の交換など、子どもができる仕事を任せることで責任感が芽生えます。
また、犬のしつけを学ぶことで犬と自分との信頼関係を築き、自信を高めることもできます。
④情緒の安定
犬と見つめ合うだけで愛情ホルモンのオキシトシンが人間にも犬にも増えリラックス効果があることがわかっています。脳の下垂体からオキシトシンの分泌が増えると心の癒しや体の痛みの軽減になるのです。
実際、犬と生活している子どもは情緒が安定していると言われています。
⑤命の大切さを学べる
犬の寿命は平均15才といわれています。一緒に生活している愛犬は子どもより早く死を迎えることになります。
今まで家族同然に暮らしていた愛犬の最期を家族全員で見守り、温かく天国へ送り出すことで小さな尊い命の大切さを実感せざるをえません。
愛情を持って愛犬の最期をお世話し、家族全員で悲しみを乗り越えることで「命とは何か?」を実体験で学ぶことになります。
犬を飼うのに適した子どもの年齢は?
犬を飼うのに適した子どもの年齢はよく、3~4才くらいと言われています。子どもの授乳時期が終わり、犬とお散歩で一緒に歩くことができる時期です。
しかし、あまりおすすめできる年齢ではないと私は思っています。低年齢の子どもにはまだ犬の感情を読み取る力が乏しく、力の加減が分からないからです。
犬が警戒しているのを理解できずにしつこく触ったり、頭上から撫でたりすることで、犬を怒らせて咬傷事故につながる事があります。実際にアメリカのデータでは、犬の咬傷事故の多くが0~9才の子どもを中心に占めているそうです。
筆者も愛犬を散歩中にまだ幼稚園くらいの小さな子どもに触らせてあげることがありますが、しつこくつねったり、急に抱き上げて落とされたりしたこともあります。背が小さな子どもだったので大事にはいたりませんでしたが、ヒヤッとしたのを覚えています。
乳幼児期の子どもと犬を一緒に生活させるには親が常に様子を見ることが大切です。
犬を飼う時期は、力の加減や他者の様子が理解できる小学生の頃がおすすめです。
私の息子は5年生になってから犬と生活し始めました。親が言葉で説明すれば、世話のやり方も理解し、愛犬の気持ちもくみ取ります。とても良い時期だったと思います。
子どものいる家庭で犬を飼うことのデメリットとは?
犬を飼うことはメリットだけではありません。子どもに与える良い影響はたくさんありますが、飼う上でのデメリットも考えなければ、後からこんなはずではなかったと後悔することになります。
犬を飼うデメリットは以下のものになります。
・世話の大変さ
・旅行に行けない
・アレルギー
・人獣共通感染症
犬の世話を簡単に甘くみてはいけません。子ども一人養う気持ちと覚悟、そして時間が必要です。子犬の頃はうんちやおしっこの世話が本当に大変です。散歩も毎日欠かせません。
長いお留守番は可愛そうな上、預けるのも犬のストレスになるので旅行にやすやすとは行けません。ペット可ホテルがある旅先に一緒に行くのなら別ですが、行動範囲は制限されます。
犬を飼う前に、子どもや家族に犬アレルギーがないかも確認しましょう。飼ってから気が付いたら大変です。
犬と生活することで動物から人に感染する人獣共通感染症の危険も伴います。咬まれたり、舐められたり、糞尿に触れたりすることで発症することがあります。免疫力の弱い乳幼児や高齢者は特に注意が必要です。
子どもの教育のためだけに犬を飼ってはいけない
犬が子どもに与えるメリットについて説明してきましたが、「子どもの教育のためだけ」に犬を飼うことはおすすめしません。
よく自分の子どもが犬を飼いたいと言うあまり、「しつけや世話を全部自分でやると約束するなら飼ってもいいよ」と許す親がいますが、子どもの責任だけで飼えるほど犬を飼うということは簡単ではありません。
大人でも犬の世話は時間を割き、子ども一人育てるくらい大変なことです。子供に全ての責任を負わせた結果、無理が生じ、犬を手放すという犬にとって最悪の事態を招く家族も多いのです。世話をやり切れなかった事で子どもの自信も失われます。
犬を飼ってみても、子どもが世話をするのは最初だけで何のメリットもなかったなんて事もありえます。犬にとってはとんだ迷惑な話です。
子どもの情操教育の前に、親も犬が好きだという気持ちと、一生面倒を見る覚悟と責任が必要です。
そして大切なのは、親が「犬」という小さな生き物に対し、真摯に接し、愛情を持ち、懸命に世話をする姿を子どもに見せる事だと思います。
まとめ
犬が子どもに与えるメリットは、思いやりや優しい心を育てる、コミュニケーション能力の向上、責任感が芽生え、情緒の安定、命の大切さを学べるなど色々ありました。子どもの頃から犬と一緒に生活することで、言葉にしなくても相手を思いやれる優しい子に育ちそうですね。
また、子どもの頃に犬と生活した経験は、大人になっても犬と暮らしたいと思える豊かな人生の選択肢へと繋がるのではないでしょうか。
<参考文献>
横浜市 米国での犬による咬傷の発生状況
>https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/eiken/hokenjoho/wadai/dogbite.html
フラワーアレンジメント講師
2人の息子の母
実家でパグの出産、育児を経験し、
現在はトイプードルの男の子と暮らしています。
みなさまの愛犬にお役に立てる情報を発信していきたいです。
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