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愛犬の信頼を裏切っていない?「ごほうび」と「取り引き」の違いを生み出すおやつの使い方について

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 がんばったごほうびのつもりでおやつを差し出したら、愛犬に逃げられた・・・という経験はありませんか?

良い行動を褒めようとしたのにおやつを見て逃げてしまうのであれば、飼い主さんのおやつの与え方に問題があるのかも!? 愛犬との信頼関係にも影響を与えかねないおやつの使い方について、今一度考えてみましょう!

愛犬に「ごほうび」を差し出すと逃げるのはなぜ!?

 爪切りやシャンプーをする時、また、病院に行くためクレートに入ってもらう時など、愛犬が何かを我慢したりがんばったりした時のごほうびとしておやつをあげるという方は少なくないと思います。しかし、いつの間にかおやつを見ると愛犬が逃げ出してしまうようになった、ということはありませんか?

わんちゃんは物事が発生する状況とあわせて学習をするのがとても得意なので、ごほうびとして使っていたはずのおやつを「嫌なことが起きる前兆」ととらえてしまうことがあります。そして多くの場合、その原因は飼い主さんがおやつを差し出すタイミングや与え方にあるということをご存じでしょうか?

愛犬に与えるおやつ、「ごほうび」と「取り引き」の違いとは?

画像提供元:https://pixabay.com

 飼い主さんが「ごほうび」としておやつを差し出しても、わんちゃんがそれをどう受け取るかはそれまでに積み重ねた経験で異なってきます。

オスワリやフセなどの行動に対して「おりこう!」と伝えるために与えるおやつが、ねらい通りごほうびになるのは分かりやすいかと思います。しかし、嫌なことを我慢した後に「がんばったね!」と伝えるおやつは、与え方によっては「おやつをあげるから我慢してね」という「取り引き」になってしまうことがあるのです。

爪切りのケースで考えてみましょう。

わんちゃんが爪切りに対して苦手意識を持っている場合、決してしてはいけないことがあります。それは、大好きなおやつを見せて喜ばせておいてから爪切りをすること! たとえ、がんばったごほうびにあげようと思って用意したおやつであっても、わんちゃんからすると「おやつだ!」と喜んで飼い主さんのそばに行ったら苦手な爪切りをされた・・・という嫌な経験になってしまうのです。

爪切りが苦手なわんちゃんの場合、次にそのおやつを差し出された時に警戒するようになっても不思議ではありませんよね。どんなにこっそりとポケットに爪切りを忍ばせていても、飼い主さんの微妙な心の動きを察知するのはわんちゃんにとってたやすいこと。それに、たとえバレずに爪切りに成功したとしても、わんちゃんは「裏切られた!」という気持ちになって飼い主さんへの不信感が募ってしまうことになります。

こういったことを繰り返すと、おやつを見せるだけで逃げ出してしまうようになったり、ひどい場合は威嚇したりするようになるわんちゃんもいます。愛犬との関係が悪くなることなんて、飼い主さんも望んでいませんよね。

がんばった「ごほうび」としてのおやつ、正しい使い方とは?

 それでは、苦手なことをがんばった「ごほうび」におやつをあげたい場合は、どうすれば良いのでしょうか?

そもそも「ごほうび」とは好ましい行動をした「後」に与えるものであり、何かをする「前」に見せるのは正しい使い方ではありません。オスワリやフセなど、苦手意識のない行動であっても、先におやつを見せることは「これが欲しいならオスワリしてね」という交渉になってしまいます。

わんちゃんにとって初めての行動を教える時におやつで誘導するのは効果的ですが、一度覚えた行動に対しては「後」に使用しない限りごほうびとして成立しないのです。

 同様に、わんちゃんが嫌がることをする「前」におやつを見せることは「これをあげるから我慢してね」という取り引きになります。爪切りやシャンプーなどに対して苦手意識が生まれる前であれば上手におやつを使いながら慣らしてあげることができますが、すでに苦手になっているわんちゃんに対しては注意が必要!決しておやつで釣って愛犬の嫌がることをしないようにしましょう。

先に述べたように、このような行為は愛犬に不信感を与えてしまいますし、一度失った信頼を取り戻すのは非常に大変です。あくまでもおやつは「後」で与えて、「がんばったごほうびだよ!」ということが愛犬にとって明確になるようにしましょう。

終わった後で美味しいものがもらえるという経験を数回繰り返せば、次第に苦手なことも我慢してくれるようになります。そして、がんばった後は「ごほうびだよね!?」とキラキラした目でおやつを催促するようになるでしょう。

愛犬の苦手克服もあきらめないで!

画像提供元:https://www.photo-ac.com/

 苦手なことを我慢した愛犬にごほうびを与えるのと同時に、苦手意識を少しでも克服させてあげる努力もしたいものです。

定期的な爪切りやシャンプー、通院などは、愛犬の健康のために欠かせないものですから、できるだけストレスを小さくしてあげたいですよね。おやつで誘導して苦手なことを始めるのはNGですが、我慢している最中にちょこちょことおやつをあげることは効果的です。

爪切りであれば、小さなおやつを入れた容器を先に置いておき、その場所へ行って爪切りを始め、途中で何度かおやつをあげてみてください。もちろん、終わった後にはとっておきのごほうびをお忘れなく!

 愛犬との信頼関係にも影響を与えかねない、おやつによる「ごほうび」と「取り引き」の違い。愛犬の気持ちを裏切らないように、上手に使い分けたいものですね。

愛犬の信頼を裏切っていない?「ごほうび」と「取り引き」の違いを生み出すおやつの使い方について
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