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「犬は吠えて当然」ではないと気づいて!わんちゃんにとって「吠える」こととは。

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お散歩中やお出かけ先などでワンワンと激しく吠えるわんちゃんに出会うことがよくあります。わんちゃんにとっては一大事のようですが、一緒にいる飼い主さんはさほど気にしていないみたい・・・。犬だから吠えて当然、という言葉も聞きますが、本当にそうなのでしょうか? 「吠える」ということが愛犬の心と体にどんな影響を与えるのか、考えてみましょう。

「犬は吠えて当然」ではない!?

 住宅街のお散歩中、すれ違うわんちゃんや家の窓越しに見えるわんちゃんがけたたましく吠える姿をよく見かけます。また、出かけた先の駐車場で、車内からひっきりなしに吠えるわんちゃんにもたびたび出会います。飼い主さんにとっては普段通りのことなのでしょう、気にしてやめさせようとする様子はめったに見られません。

 わんちゃんが吠える時、どんな精神状態にあるのでしょうか? 多くの場合、何かに警戒しているか、恐怖を感じているか、興奮しているかといった状態だと思います。そのどれもが「ストレス」として認識されるものですよね。つまり、吠えているわんちゃんはストレスを感じていると言えるのです。実際、心も体も安心して安定しているわんちゃんが吠えることはありません。吠えて異常を訴える必要がないからです。

 また、わんちゃんが興奮すると脳内にアドレナリンが分泌されますが、それは数時間から数日間残ると言われています。引っぱりっこやフリスビーなどの本能を刺激するような遊びを長時間、毎日続けていると、アドレナリンが出続けた状態となり、過剰に興奮しやすくなります。吠えるという行動も同様に、続ければ続けるほど少しの刺激で吠えやすくなり、悪循環となってしまうのです。

 「犬だから吠えて当然」と思うのではなく、吠えているということは何かしらのストレスを感じていて、精神的に安定していない状態なのだと考えれば、些細なことに過剰に反応するわんちゃんを見る目も変わってくるのではないでしょうか。

愛犬の吠え対策のトレーニングをしよう!

 大切な愛犬にはできるだけ心穏やかに、ストレス少なく過ごしてもらいたいですよね。現在吠えるクセがついていない子にはその状態を維持するため、そしてすでに吠えやすくなってしまった子には少しでも軽減するために、わんちゃんの現状に合わせてトレーニングすることを考えてみましょう。

子犬の場合

 吠える習慣がつく前の子犬の時期には、出会う人や物、動物たちを怖がらなくても良いのだと理解してもらいましょう。家や車の窓越しに人が来ることにも慣れておけば、テリトリー意識からの吠えも起こりにくくなります。警戒心や恐怖心が芽生える生後3カ月頃までに可能な限り多くの楽しい経験を積ませ、それ以降も慎重に社会化トレーニングを続けることが大切です。

▲窓越しに人が現れても、警戒よりうれしさが勝るといいですね。

現在吠えない子の場合

 現在吠えるクセがついていないわんちゃんでも、成長とともに吠えるようになったり、何かの拍子に吠えが定着してしまったりする可能性はあります。ご自分の愛犬が吠えないことを当然と考えるのではなく、たとえば他のわんちゃんとすれ違った時や来客時など、吠えてもおかしくないような状況で吠えなかった時にはたくさん褒めてあげましょう。特に愛犬がまだ若い場合は油断せず、刺激に対して吠えずにやり過ごすことが、飼い主さんが求めていることなのだと伝え続けてあげてください。

▲道を通る人を見ていても吠えなければ褒めましょう!

すでに吠えるクセがある子の場合

 現在、すでにちょっとしたことで吠えてしまう子や、一度吠えるとなかなかやめない子の場合は、地道なトレーニングが必要となります。吠える習慣のついてしまったわんちゃんにとって、「吠える」という行為自体が報酬となっていることが多いため、叱ってもオヤツで気を引こうとしても効果はあまりありません。家の窓越しに吠える場合は、カーテンなどで愛犬から外が見えないようにして吠えにくい環境を整えることが先決です。興奮状態にあると学ぶことができませんから、まずは愛犬が安心して過ごせるようにしてあげましょう。

すでに吠えるクセがついている子の場合は、しつけ本やインターネットの情報のみではなく、実際にドッグトレーナに見てもらうことを強くおすすめします。わんちゃんの行動だけではなく、環境や飼い主さんの対応などを含めて対処しなければ改善されないからです。

愛犬が吠える必要のない状態を目指して

 吠えることがすべていけないことだとは、私は思いません。せっかく声を持つ生き物として生まれてきたのだから、コミュニケーションツールとしてそれを使うことは何も間違っていません。しかし、ちょっとした刺激に対して吠えたり、激しく吠え続けたりすることが愛犬の精神衛生上好ましくないということは、飼い主として知っておかなければならないと思います。

本来くつろぐ場所である家の中や歩き慣れたはずの散歩道で、不必要に警戒・緊張しなければならないというのは気の毒ではありませんか? 愛犬が日常生活を送る上で吠える必要がないような状態を目指してあげたいものですね。

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