「わんちゃんと一緒に寝るのはしつけ上良くない」という話を聞いたことはありませんか?半面、愛犬と毎日のように一緒に寝ているのに何の問題もないご家庭も存在します。
私もいつも愛犬と一緒に寝ていますが、大きくてふわふわ温かい愛犬とくっついて眠るのは至福のひと時。この幸せを味わうために、日々ちょっとしたことに心がけるようにしています。
「愛犬と一緒に寝たい!」という方へ、押さえておくべきポイントについてご紹介します。
愛犬と一緒に寝てはいけないといわれる理由について考えてみよう!
わんちゃんと一緒に寝てはいけないと言われる理由は、主に3つあります。ひとつひとつ、その背景と対処法について考えてみましょう!
1.飼い主と愛犬の上下関係が崩れる
一昔前のドッグトレーナーたちは、「犬と一緒に寝ると上下関係・主従関係が崩れる、逆転する」と考えていました。
飼い主の寝床を使ってはいけない、飼い主より先に食べてはいけない、さもなければ立場を勘違いした犬が飼い主に攻撃するようになる…という意見です。
しかし近年の研究ではそのような考えは否定され、わんちゃんにとって安心できるスペースが他にないことや日常的に良い関係性を築けていないことが問題行動の要因という見方が強まっています。
もしも飼い主さんのお布団で寝ているわんちゃんが唸ったり噛みついたりするのであれば、一緒に寝ること以外の部分に原因が隠れている可能性があると考えるのが正しいでしょう。
2.愛犬がひとりで寝られなくなる
いつも飼い主さんと一緒に寝ていると、いざという時にわんちゃんがひとりで寝られなくなったり、分離不安になったりするという意見もあります。確かに、わんちゃんは不慣れな環境が苦手なので可能性はあるかもしれません。
しかしここにも「一緒に寝る」ということ以外にも目を向ける必要があります。
ハウスに慣れておくこと、ひとりでお留守番ができるようになることは、毎晩一緒に寝ているわんちゃんにとっても必要なことです。飼い主さんが突然入院するなど予想外の出来事が起こるかもしれないですからね。
3.衛生面が心配
わんちゃんと一緒に暮らすということは、毛やフケ、目には見えないダニなどと共存するということ。どんなに綺麗に掃除をしても、わんちゃんのいないお宅と同じようにはいきません。
愛犬と寝床を共にすると、毛布などに毛やフケが絡まってしまうのは避けられません。特にアレルギー体質の方は注意が必要です。
また、人獣共通感染症(ズーノーシス)の原因となるという意見もあります。衛生面に関しては人それぞれ感じ方も重症化リスクも異なるため、わんちゃんと一緒に寝ることについて一概に良い悪いを言うことはできなさそうです。ただ、どのような危険性があるのかを知っておくことは必要だと感じます。
愛犬と一緒に寝ている我が家の場合
私は愛犬が生後5カ月頃から一緒に寝ていますが、今のところ上記3つの懸念点いずれも該当していません。
しかしまったく何も意識せずに過ごしているわけでもなく、私が愛犬と一緒に寝る上で心がけていることについてご紹介したいと思います。
▲生後5カ月にして一緒に寝る権利を手に入れた愛犬
1.愛犬との関係性について
生後5カ月といえば、まだまだ関係性が確立していない時期。最初は、1歳くらいになるまではハウス内で寝る習慣をつけるつもりでしたが、自己主張の強い我が愛犬は徐々に寝るためにハウスに戻ることを嫌がるようになりました。
一般的には早すぎるようにも感じましたが、愛犬は自分のおもちゃ以外口にしないし、トイレの粗相もなかったため、早々に「就寝時の自由」を与えることになりました。
自ら「一緒に寝る」と決めた愛犬ではありますが、子犬の頃から続けている基礎トレーニングのおかげで勝手な行動をすることもなく、3歳半になる今では非常に良いパートナーに育っていると感じます。
生後5カ月から毎晩一緒に寝ていても、関係性の悪化にはつながっていません。
2.愛犬の分離不安について
毎晩一緒に寝ていても、我が愛犬はお留守番もできるしハウスでの待機もできます。私の出勤日に預かってもらう実家でも、両親の買い物中ハウスで問題なくお留守番できます。これは、一緒に寝るようになってからもハウス待機やお留守番の練習をかかさなかったためだと考えれらます。
愛犬にとってハウスは「安心して過ごせる自分だけの空間」であり、それはどんなわんちゃんにとっても必要なものです。
毎晩一緒に寝ていても分離不安にならないのは、ハウストレーニングの存在が大きいと感じています。
▲ハウスが好きで、扉を開けても出てこないことも!
3.衛生面について
我が愛犬は大きな体と長い毛をしたゴールデン・レトリーバー。当然、ものすごい量の抜け毛と付き合う毎日です。
これを気にしていては大型長毛種とは暮らせないので私の感覚は参考にならないかもしれませんが、一言で言うなら「気にしていません」。部屋着やパジャマとお出かけ時の服を分けるくらいでしょうか。
ただ、お布団は毛が絡みつきにくい素材のものを使用しています。軽い花粉症持ちですが、先代の愛犬から10年以上ゴールデン・レトリーバーと寝床を共にしてきて、今のところ体調面で問題になったことはありません。
愛犬と一緒に寝たいなら!
▲私はどこに寝れば良いのか…これも贅沢な悩み!?
私が愛犬と一緒に寝ていて何も問題がないからといって、どの飼い主さんとわんちゃんも大丈夫とは言い切れません。普段の関係性がしっかり築けていない状態で、ハウストレーニングもできていなければ、一緒に寝ている時にわんちゃんの怒りや警戒のスイッチが入ってしまうこともあり得ます。
また、お留守番やハウス待機の練習をしないまま毎晩一緒に寝ていたとしたら、いざ飼い主さんと離れて寝なければならなくなった時わんちゃんはとても不安な気持ちになることでしょう。
愛犬と一緒に寝ようとお考えなら、飼い主さんとの関係性や愛犬の分離不安に少しでも心配な点がないか確認することをおすすめします。その上で「今日は一緒に寝よう!」「今晩はハウスで寝てね!」と、わんちゃんの就寝場所を気まぐれに変えることも良いトレーニングになります。
▲目が覚めたらそこに愛犬がいる幸せ♪
大好きな愛犬とくっついて眠る幸せを感じられるように、そして、飼い主さんのお布団でも自分のハウスでも愛犬が心から安心して眠れるように、普段の接し方から見直してみませんか?
長年犬と旅をしてきたノウハウが誰かのお役に立てればうれしく思います。
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