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犬がいたずらをする理由と防止策について!実はNGないたずら対処法とは?【動物看護師が解説】

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いたずらの対処法としてよく「無視をする」と聞きますね。

確かに無視も有効な手段なのですが、実はそれだけでいたずらが改善するわけではありません。

愛犬にいたずらを繰り返させないために、大切なことを一緒に学んでいきましょう!

犬はどうしていたずらを繰り返すの?

「物を噛む」「スリッパを持っていく」など飼い主さんにとっては、困ってしまういたずらですが、わんちゃんにとっては自然な行動であったりします。

わかりやすく一覧表にしてみました。

いたずらをしてしまうわんちゃんの多くが、困らせたいからではなく飼い主さんの気を引きたくて行っている場合が多いです。

「なんでいたずらばっかりするの!」となげく前に、愛犬の行動の後ろに隠れた気持ちに寄り添って対処してあげましょう。

いたずらをした愛犬に対してNGな対応は?

反応する(叱るも含む)

いたずらをしたときに、愛犬を叱っていませんか?

愛犬を叱れば、「悪いことをしたことに気づく」と思うかもしれませんが、「叱られてしまった」と思うか「飼い主さんが反応してくれた」と思うかはわんちゃん次第です。(無視が有効といわれるのはこのため)

いたずらを止めさせるために叱っていると思っているのは飼い主さんだけで、実際にはいたずらを増加させる原因(犬の報酬となっている)ということもあるのです。

「なぜ」の視点を持たない

愛犬がいたずらをした場合、ついその行動だけを止めさせようとします。

でも目の前のいたずらを止めたとしても、根本的な改善をしないと別のいたずらが起きてしまうだけです。

大切なのは「なぜ」この行動をとったのかまで考えること。

いたずらの裏には「ストレス発散をしたい」「飼い主さんと遊びたかった」などの理由がかくれていることもあるのです(だから無視では解決しません)

愛犬のいたずらを防止する5つの対策

上の図は「わんちゃんがいたずらを繰り返す仕組み」を表したものです。

わんちゃんにいたずらをさせないためには、その場だけの対応ではなく、この仕組みを知って対処することが大切です。

①愛犬がいたずらしたシーンを把握する

まずわんちゃんがいたずらをする「背景」を知ることが大切です。

わんちゃんがいたずらを起こしやすいシーンというのは大まかに決まっています。

❖犬がいたずらをしやすいシーン
・忙しくて目を離しやすい夕飯前
・起きて元気が有り余っている朝
・みんなで集まっているとき
・飼い主さんが帰ってきて興奮しているとき
・散歩前で興奮しているとき

「いたずらの対象になった物」と「どんなシーンでいたずらが起きたか」を把握するだけでも、いたずらは予防しやすくなります。

愛犬の行動を注意深く観察して、どんなシーンでいたずらが起きたのかをピックアップしてみましょう!

❖いたずら防止の例
朝起きる→いたずらをする→散歩
いたずらの報酬が散歩になっている可能性があるので、散歩の時間をずらした

➁愛犬のストレスを発散させる

わんちゃんがいたずらをする「背景」でもう一つ重要なことがあります。

どうして、わんちゃんがいたずらをするようになってしまったかです。

最初に説明したように、飼い主さんにとっては問題行動でも、わんちゃんにとっては自然な行動だったりします。

それをただ「ダメ」と封じてしまうと、わんちゃんは不満が募るだけです。

元々飼い主さんの気を引きたくていたずらをしている子が多いので「たくさん一緒に遊んであげる」「散歩にたくさん行く」「全身運動をする」など、ストレスも発散させてあげることが大切です。

➂愛犬がいたずらするきっかけをなくす

わんちゃんがいたずらを起こすきっかけをできる限りなくしましょう。

ただきっかけをなくすだけでは再発したり、隙をみていたずらをしてしまうので、いたずらをする根本的な原因(背景)も一緒にさぐりましょう。

❖いたずらのきっかけをなくすには?
・ティッシュやリモコンは目に入らない場所に置く
・ゴミ箱をロック付きのものにする
・キッチンにペットガードをつける
・ソファーや椅子の足にカバーを付ける
・かじり癖のある子はクッションを置かない
・スリッパやくつを出しっぱなしにしない
・洗濯物を犬の手の届く場所に置かない

④愛犬にとって報酬となることをなくす

いたずらをされても無視をして、反応するのをやめましょう。(誤飲の危険がない場合)

大事なものをかじられるとつい「あーっ!」と反応してしまいたくなりますが、何度も繰り返すと余計に行動が定着してしまいます。

悲しいですが、いたずらを見つけた場合は「あきらめる」か「2度と同じ状況を作らないようにする」の2択になります。

➄愛犬がオモチャで遊んでいる時にほめる

正しい行動をしているときに、たくさん褒めてあげてください。

いたずらをしている時に声をかけるのではなく、オモチャで遊んでいるときに「いい子だね」「楽しそうだね」と声をかけましょう。

何度も繰り返すと「いたずらをするとかまってもらえない」「おもちゃで遊んでいると褒められる」と学習します。

また、いたずらされそうなシーンや時間をピックアップして、いたずらをされる前に遊んであげる、噛んでもいいものを渡すなどの手段も有効です。

わんちゃんの行動の裏には、思わぬメッセージが隠れていることがあります。

「ただのいたずら」「止めさせたい」の一言で片付けるのでなく、愛犬自身のことを見直してあげることも大切です。

<参考文献>

・動物看護のための動物行動学  動物看護学全書 森 裕司  (著), 武内 ゆかり

・アニマルウェルフェア―動物の幸せについての科学と倫理 佐藤 衆介著

・犬はあなたをこう見ている —最新の動物行動学でわかる犬の心理/ Bradshaw J 著 (西田美緒子訳)

・イヌの動物行動学/ 行動、進化、認知/ Miklosi A 著 藪田 慎司ら訳

・動物の「行動」から、痛みやストレスを探る 講義No.07390 夢ナビ

<画像元>

Unsplash

写真AC

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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