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クリスマスやお正月は要注意!12月が最多!犬の誤飲事故【動物看護師が解説】

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冬はクリスマスにお正月など、イベントが多くてワクワクしている方も多いのではないでしょうか。

でも実は、冬は犬の誤飲事故が多く、特に12月は最も犬の誤飲事故が起こりやすい時期でもあります。

楽しいイベントシーズンに誤飲事故を起こさないように、対策をしっかりと覚えましょう!

犬の誤飲事故は12月が最多!

上の図はアニコム損保が報告した、月別の犬の誤飲事故の発生件数のグラフです。

発生件数が一番多いのが12月で、次に2月と続き、冬に誤飲事故が増えていることがわかります。

どうして12月に誤飲事故が多いのでしょうか?

原因として考えられるのが「イベントや冬休みで来客が増えること」や「大掃除や来客対応などで愛犬から目を離す時間が多い」ことです。

来客は犬に慣れている人や詳しい人ばかりが来るわけではありません。与えてはいけない物を知らなかったり、子供が誤って食べさせてしまうこともあります。

また、来客対応で目を離した隙にテーブルの上の料理を食べたり、ゴミ箱を漁ってしまうこともあります。(竹串や鳥の骨、ラップや包装紙の誤飲はかなり多いです。)

誤飲は一瞬のうちに起こるので、冬は特に注意が必要です。

誤飲事故は「食べたい」だけが理由じゃない?

獣医師さん172人に聞いた誤飲事故が多い物の1位は「ひも」で2位は「靴下やタオルなどの布類」でした。

どうして食べ物じゃないものも誤飲してしまうのでしょうか?

誤飲を起こしてしまうきっかけは、大きく分けると3つあります。

①飼い主さんの気を引きたい、もしくは取られたくない

物をパッと取って逃げる、気に入っている物に近寄ると怒る子は、飼い主さんの気を引きたかったり、所有欲が強い傾向にあります。

取られないようにすぐ物を飲んでしまったり、飼い主さんの気を引こうとして噛んでいる内に誤飲してしてしまいます。

➁物が落ちている

いつでもおもちゃで遊べたり、床に物が置いてある環境だと、興味を持ったらすぐに口に入れることができるので誤飲を起こしやすくなります。(破損にも気づきにくいです。)

➂食いしん坊、好奇心が強い

好奇心が強かったり食いしん坊な子は何でも口に入れて、どんなものなのかを確認しようとします。

食べられそうな物であればそのまま食べてしまいますし、口に含んでいるうちに飲み込んでしまうこともあります。

3つに共通していえるのが「わんちゃんにとって良い事」が起きるからです。

「良いこと」は報酬になってしまうので、わんちゃんは強く学習してしまい、誤飲をくり返すようになってしまいます。

誤飲事故を起こさないために大切なこと

誤飲をする理由を探す

誤飲をさせないためには、どうして誤飲をしてしまうのかを考えることが大切です。

例えば、オモチャが出しっぱなしでいつでも齧れるようになっている、愛犬から無理やり物を取り上げたことがある(所有欲が強くなります)、避妊去勢をして食欲が増している、ダイエットをしていて空腹時間が長くなったなど、一見誤飲とは関係ないように見えても、誤飲を誘発しやすい原因はたくさんあります。

愛犬のことをよく観察して、誤飲に繋げないようにしましょう。

誤飲させない環境を作る

誤飲をさせないためには、誤飲をさせない環境づくりも大切です。

ティッシュやぬいぐるみの綿など「まさか食べないよね?」と思うの物も意外と誤飲してしまうので、日ごろから家族みんなで注意するようにしましょう。

<誤飲のリスクがあるもの>

誤飲をさせないトレーニング

わんちゃんから無理やり物を取り上げると、わんちゃんは飼い主さんが来ると物を取られると学習します。オヤツと交換する「ちょうだい」を覚えさせましょう。

また床に食べ物が落ちていると、拾い食いや誤飲をしやすくなります。

拾い食いやつまみ食いはその都度注意して、誤飲するリスクを下げていきましょう。

子犬は特に注意する

0~1歳までの誤飲件数は全体の57%を占めています。好奇心が強く判断力のない子犬は誤飲のリスクがぐっと高くなるので注意しましょう。

高いところも要注意

手が届かないと思っていても、椅子や台の上によじ登ってしまうこともあります。(特に大型犬は注意)テーブルに物を置きっぱなしにしない、食べ物や危険なものは引き出しやロックがかかるところに入れましょう。

誤飲を見つけて過剰反応しない

口にくわえているのを見つけても「ダメ!」と大声を出したり、慌ててかけ寄ることはやめましょう。取られまいと飲み込んでしまう可能性がありますし、声掛けなどの反応が報酬になってしまいます。

冷静にオヤツと口の中のものを交換してもらいましょう。

※口にあるものとその都度交換していると、物を咥えるとオヤツがもらえると学習するので「ちょうだい」は誤飲防止の最終手段です。基本は環境を整えるなどで誤飲をさせないようにしましょう。

誤飲をしたら(誤飲したかも)どうする?

誤飲をした、もしくは誤飲をした可能性がある場合、正しい対応は以下のうちどれでしょうか?

①すぐに動物病院に電話or行く

➁様子を見る(異変があったら動物病院に行く)

➂ネットで対処方法を調べる

④便で出てくるだろうとあまり気にしない

正解は①の「すぐに動物病院に電話・行く」の一択です。

誤飲の恐ろしいところは、危険なものを飲み込んでしまっても無症状の場合があることです。

嘔吐や下痢などすぐに症状が出ると、動物病院に行くと思いますが無症状で元気があると一旦様子を見ようかな、便で出てくるかもしれないしと様子を見てしまう方が多いのです。

実際にあった誤飲事故で印象に残っているのが、数年たってから誤飲の症状が出てきたケースと脱毛と体重減少の原因が誤飲だったというケースです。

飲み込んだらすぐに症状が出るとは限りませんし、誤飲の手術をしたら別の誤飲物がゴロゴロ見つかったという話はよく聞きます。

飲み込んだ物や時間によってできる対応も変わってきますし、様子を見て問題ないかの判断は獣医師さんのお仕事です。

誤飲をしたと思ったら迷わず動物病院に電話してください。

知ってほしいこと!

誤飲の対処法で「塩を飲ませて吐かせる」「オキシドールを飲ませる」などが口コミサイトでよく見られます。

これはリスクの高い危険な方法で家庭でやる対応ではありません。

間違った対応による死亡例も報告されているので、自己対応をせず動物病院に任せましょう。

誤飲した物がわかる場合は、同じものを動物病院に持っていきましょう。

レントゲンに映らない物もあるので、対処法を決める大事な判断材料になります。(誤飲した量と時間もわかるとよりGood)

これから誤飲が増える時期がやってきます。

悲しい事故を起こさないように、しっかりと対策を取っていきたいですね。

<参考文献>

・塩やオキシドールによる催吐方法に関して 上板橋リズ犬猫病院

・異物誤飲の症状は、忘れたころにやってくる アレス動物医療センター

・犬、猫の誤飲:傾向と対策【傾向編】アニコムホールディングス

<画像元>

illust STAMPO

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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