散歩のときに飼い主さんに飛びついてくる、他のわんちゃんに会うと飛びつこうとするなど、わんちゃんの飛びつきに困っている飼い主さんは多いです。
愛犬が飛びついてくる仕草は愛らしいですが、関節を悪くしたり他の方の洋服を汚したり怪我をさせてしまったら大変です。
愛犬が飛びつく理由と止めさせる方法を一緒に覚えていきましょう。
<目次>
わんちゃんが飛びつく5つの理由
①嬉しい
飼い主さんが帰ってきて飛びつくのは、嬉しさの感情表現です。
留守番による不安や退屈が終わるという解放感で興奮して飛びついてくることもあります。
➁抱っこをしてほしい
小型犬に多くみられますが、飼い主さんに抱っこしてほしいとねだるときに飛びつきがみられます。
また怖い物から守ってほしい、散歩で歩きたくないときにも、飛びつくことがあります。
➂動くものを追いたい
動くものに反応する、追おうとする行動は狩猟犬や牧羊犬によく見られます。
走っている人や犬、バイクや自転車に反射的に反応してしまい、追おうとして飛びつこうとすることがあります。
④要求を通したい
自分に注目してほしい、遊んでほしいなど自分の要求を通すために、飛びつくわんちゃんもいます。
また、飼い主さんが手に持っているものを見たい、欲しいというときにも飛びつくことがあります。
➄威嚇や攻撃したい
自分と距離を取ってほしい、止めてほしい行為がなくならないなど自分の身を守るために飛びついて攻撃してくることもあります。
また、攻撃的なわんちゃんや臆病なわんちゃんは、相手の態度や雰囲気(怯えている等)を敏感に感じ取って攻撃のために飛びついてくることがあります。
愛犬にとって良いことがあるから飛びつく?
飛びつきを止めさせるには、どうして飛びつくようになったのか原因を考えることが大切です。
どうして愛犬は飛びつくようになったのでしょうか。それは飛びつくと愛犬にとって良いことが起こるからです。
わんちゃんの良いことは、褒められる事やオヤツだけではありません。
例えば、かまってほしい時に飼い主さんに飛びつくとかまってもらえた、自分の苦手な人に飛びつくと近寄って来なくなったなど、自分の欲求が満たされたり、嫌なことがなくなることも犬にとっての良いことになります。
飼い主さんや家族が何気なくやっている行動が、わんちゃんにとっての良いことになり、飛びつきを強化させる原因となってしまいます。
愛犬の飛びつきを放置するとどうなる?
飛びつくことがいけない事だと認識していないので、自分の要求を通したり、コミュニケーションの一環として飛びつきを行います。
飛びつきは体の大きさにかかわらず、大きな事故につながる可能性があります。
子犬や小型犬だと体が小さいので問題ないと思うかもしれませんが、飛びつかれたことに驚いて転倒したり、爪が目に当たってしまうなど思わぬ事故を招いてしまうかもしれません。
相手の洋服を汚してしまったり、子供を泣かせてしまうなど、お付き合いをしていくうえで困ったことも起きてしまいます。
また、飛びつきやジャンプで二足歩行になると背中や足の関節に圧力がかかるため、繰り返すことにより関節を傷めたり椎間板ヘルニアになる可能性があります。
愛犬の飛びつき癖を失くすためには?
散歩のときに飛びつくのを止めさせる
飛びついても良いことがないよ、落ち着かないと散歩に行けないよと教えてあげましょう。
飛びついてくる間は、声をかけず、反応もせず無視をします。
リードや体に飛びいてくるようなら、リードを体から離してやや下にもち、わんちゃんが上に飛び跳ねにくい状況にしましょう。
騒いでも飼い主さんからの反応がないので、わんちゃんの動きが落ち着いてきます。
静かになったらわんちゃんの気をひく音(指を鳴らす等)を出して、注目を集めたら「スワレ」などのコマンドを出しましょう。
指示に従ったら、褒めて散歩にいきます(また興奮したら無視の所に戻ります)。
走っている人やバイクに飛びつくのを止めさせる
動くものを追いかけたいという欲求を我慢させるのは非常に大変です。そのため、追いかけたいものから意識をそらすことが大切。
自転車や走っている人が近づいてきたら、手でわんちゃんの顔を覆う、わんちゃんの前に立つなど意識が飼い主さんの方に向くようにします。(意識を向けたら褒める)
道路わきに誘導して「スワレ」などのコマンドを出します。そして対象物が通過するまで褒めながら、飼い主さんに意識を向けさせます。
飼い主さんのコマンドが通りにくい場合は、まず対象物に慣れることが必要です。
対象物と距離をあけ、どの距離だったら飼い主さんに意識を向けられるか、コマンドが通るかを確認しましょう。
慣れたら少しずつ対象物との距離を縮めていきます。
人に飛びつくのを止めさせる
犬が飛びついた瞬間に、無言でオヤツを鼻先に掲げます(飛びつかせ続けたり声を出すと飛びつくと報酬があると学習してしまうので注意)
オヤツに意識が集中したら「スワレ」などのコマンドを出し、従ったらオヤツを与えて褒めます。
慣れると飛びつこうとする仕草がわかってくるので、飛びつこうとした瞬間に「スワレ」とコマンドを出します。(従ったらすかさず褒めます)
飛びつくよりもオスワリをしようね、オスワリをすると良いことがあるよと教えてあげるのです。
飼い主さんに飛びつかなくなったら、ご家族やお友達など人を変えてトレーニングしましょう。
わんちゃんの欲求を満たすことも大切
飛びつきを止めさせるときは、わんちゃんの欲求もちゃんと満たせているかを考えましょう。
例えば、一日の大半を留守番している、運動が足りていないわんちゃんが散歩の時に嬉しくて飛びついてしまうのは無理もありません。
犬の欲求を満たさずにトレーニングだけ行えば、興奮しやすいだけでなく、飼い主さんへの不満は募り問題行動に発展する可能性もあります。
体の大きさで運動の量を決めない、散歩の質を良くする、鼻を使った遊びをするなど、わんちゃん側の欲求も満たしたうえで、飛びつきを止めさせるトレーニングを行いましょう。
日常的にわんちゃんの欲求を満たしてガス抜きをさせてあげれば、極度の興奮状態による飛びつきは抑制することができます。
また、飛びついて触れ合うのが大好きなわんちゃんの場合は、飛びついていいよというコマンドを教えてメリハリをつけてあげましょう。
大型犬の飛びつきは問題視されますが、小型犬だと問題視されず許されているケースが多いです。
わんちゃんの飛びつき癖は関節の病気や事故につながる可能性があるので、体の大きさにかかわらず子犬のうちから止めさせることが大切ですね。
<参考文献>
・How to Train Your Dog to Stop Jumping Up on People
・しつけTIPS:ハイパーアクティブな犬を静めるテクニックについて/DOGGY STATION
・ドッグ・トレーナーに必要な「犬に信頼される」テクニック
著者ヴィベケ・S・リーセ 著者 写真: 藤田 りか子
<画像元>
シルエットデザイン
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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