わんちゃんと暮らす上で欠かせない「お散歩」。運動のため、排泄のためと考えていませんか?
実はわんちゃんにとってお散歩とはそれ以上に大切な目的があるのです。愛犬がなぜお散歩に行きたがるのか、お散歩をすることでどのようなメリットがあるのかを知れば、その重要性に気がつくはず!
大きい子も小さい子も、晴れの日も雨の日も大切なお散歩の真の目的について考えてみませんか?
勘違いされがちな愛犬の「お散歩の目的」
▲運動も大事だけど、それがお散歩の目的ではありません。
愛犬とのお散歩は運動のためにおこなうものではありません。私たち人間の歩行スピードに合わせて住宅地や公園の遊歩道を歩くだけでは、ほとんどのわんちゃんにとって運動という意味ではまったく足りないのです。
自転車で引いて走ったり、広場でボール遊びをしたりすれば運動にはなりますが、それでは後述するお散歩の目的を果たすことができません。運動が目的の場合は、広場まで歩いて行ってさせるか、お散歩とは別のタイミングでおこなうと良いでしょう。
また、排泄のためだけにお散歩するのも、わんちゃんにとっては不十分です。家の中のトイレや庭先では排泄したがらない場合は特に、お散歩は「○回オシッコ・ウンチしたら帰る」という風に排泄のためのものになってしまいがち。しかしわんちゃんが外を歩くことには、用を足す以外に大切な役割があるのです。
愛犬のお散歩の真の目的とは?
わんちゃんにとってのお散歩には、運動や排泄以外に様々な目的があると考えられています。特に重要だと感じるものを2点挙げてみましょう。
情報収集・伝達
▲におい嗅ぎは大切! 汚れるけど、あとでお手入れすればいいんです。
わんちゃん同士は、相手のオシッコから年齢や性別、健康状態、感情、性格など様々な情報を得ることができるとされています。
ご近所にどんなわんちゃんが住んでいるのかを知り、同時に自分の情報を残して相手に伝えているのです。そうやって自分の住むエリアについて把握することは、安心感にもつながります。
お散歩中に草むらなどについた他のわんちゃんのオシッコのにおいを嗅いで、時には上書きをしたりする様子は、まるで手紙を送り合っているかのよう。私たち人間がSNSで情報をやり取りし、気に入った人をフォローするように、愛犬も他のわんちゃんの「投稿」を読んでいると考えてみたら微笑ましいですよね!
チラッとにおいを嗅ぐだけでスルーしたり、リプ(上書きオシッコ)したり、わざわざ戻って行って確認したり。お散歩中、におい嗅ぎをすることはわんちゃんにとって非常に大切なコミュニケーションツールなのです。
気分転換
▲雨降りでもお散歩行くよ♪ 気分転換にお天気は関係なし!
わんちゃんにとってお散歩は、日常の中で欠かせない気分転換のひとつでもあります。一説によると、わんちゃんの時間感覚ではたった7時間が人間にとっての1日に相当するのだとか。
1日中家の中で、テレビや本など何の娯楽もなく過ごすことがどんなに退屈か想像すると、最低でも朝夕2回のお散歩の重要性が分かる気がしますよね。
家族全員が日中仕事や学校などに出かけてしまって、わんちゃんだけでお留守番しているとしたらなおさらです。来年にも施行されるドイツの法案によると「1日2回、合計で最低1時間は散歩に連れて行かなくてはならない」とあります。
「今日は朝いつもよりたくさん歩いたから、夕方のお散歩は行かなくていいだろう」ということがわんちゃんにとって望ましくないのは、上記の通り時間感覚の違いから考えると納得ですね。
もちろん体調の良し悪しもあるし、やむを得ない事情で2回行けない日もあるかもしれませんが、原則として1日に少なくとも2回のお散歩は、愛犬のために必要なことだと考えられます。
正しくお散歩することで得られるもの
▲時々お勉強しながら歩きます。
愛犬にとっていかにお散歩が大切かということがお分かりいただけたでしょうか?
お散歩時間を上手に活用することで、さらにうれしい相乗効果が生まれます。私が愛犬とのお散歩中におこなっているのは、簡単なトレーニングです。ただ歩くだけではなく、ペースを変えたり急に立ち止まったりしても愛犬が私に合わせてくれるように教えることで、歩行者や自転車と出くわした時に適切にコントロールができるようになります。
また、愛犬の好きに歩いたりにおいを嗅いだりしても良い時と、私に集中して歩く時とを分けることも、こちらに意識を向けながら行動する習慣づけに役立ちます。
トレーニングと並行して、愛犬の好みに合わせて道順を選ぶこともします。みなさんの愛犬にも、なぜかお気に入りの道や必ず立ち寄る家などがありませんか? 愛犬の好みを把握して希望を叶えてあげれば、きっと満足してくれるはず!
▲愛犬との絆を深めるお散歩、楽しく歩こう♪
わんちゃんとの暮らしの中で大きな意味を持つお散歩。運動や排泄のためと考えると義務感が生まれてしまいますが、真の目的を理解すれば愛犬と歩くことがとっても幸せに感じられるはず。
決して長くはない愛犬との時間、毎日のお散歩でよりいっそう充実したものにしていきたいですね。
長年犬と旅をしてきたノウハウが誰かのお役に立てればうれしく思います。
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