犬との散歩で欠かせない首輪やハーネス。
普段何気なく買っている首輪やハーネスですが、犬にとって首輪やハーネスはどちらの方が最適なのか?気になったことはありませんか?
今回は、犬にとって散歩に欠かせない首輪やハーネスを付ける理由やそれぞれのメリットやデメリットをご紹介します。
犬が首輪やハーネスを付ける理由
犬を飼っている人には、当たり前に普及している首輪やハーネスですが、そもそも犬が首輪やハーネスを付ける理由にはどういったことが考えられるのでしょうか?
一般的に首輪やハーネスは、どちらにおいても主に
・迷子防止のため
・しつけのため
・災害時のため
・急なハプニング防止のため
といった理由から使用されることが多く、首輪は元々オオカミから犬の首を守るために作られたもの、ハーネスは元々馬の胴体に装着する胴輪、「Harness(ハーネス)」が語源となり、犬にも応用されるようになったものでした。
筆者の愛犬たちはこれまで、初代柴犬が成犬時代は首輪、老犬時代はハーネス、2代目シェルティーが生涯を通してハーネス、3代目柴犬はハーネスという感じで、年代に応じて、また、性格や年齢などにも応じて首輪とハーネスは使い分けてきましたが、なぜそのような使い分けをしてきたのか、続いては首輪とハーネス、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
首輪のメリット&デメリット
首輪には主に、犬が引っ張ると軽く首が締まるスリップカラー(首輪)と人がつけるベルトのような形状で形が変わらないプレーンカラーという2種類の首輪が存在します。
ここでは素材などに関わらず、首輪を付けた際のメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
首輪を付けるメリット
▼【首輪を付けるメリット】
・犬に指示が伝わりやすく、犬が気付きやすい
・鑑札や狂犬病予防注射票、お守り、首輪自体も常時付けておける
・スリップカラーの場合、抜けにくい
犬に指示が伝わりやすく、犬が気付きやすい
首輪はリードを付けた際、飼い主さんの指示が伝わりやすく、子犬の頃や好奇心が旺盛な子の引っ張り癖を治したい時に重宝します。
鑑札や狂犬病予防注射票、お守り、首輪自体も常時付けておける
ハーネスとは違い首輪はベルト状になっているので、狂犬病の予防注射票やお守り、首輪は散歩後も常時付けておけます。
これだけ聞くと、中には家の中にいる時まで「首輪はちょっと…」と思うかもしれませんが、脱走経験があるワンちゃんや牧羊犬として活躍していたワンちゃんにとっては、万一の時に役立つのでオススメです。
スリップカラーの場合、抜けにくい
そして、上記でご紹介した犬が引っ張ると軽く首が締まるスリップカラー(首輪)は、【抜けない】といった点においてはメリットです。
普通のプレーンカラーの場合だと、特に柴犬は後ろに下がって抵抗を示す通称拒否柴をしやすい子が多いため、そのままスポンッ!と抜けてしまう危険性がありますが、スリップカラーにはそれがないので、引っ張り癖が治るまでの期間限定であれば、スリップカラーの恩恵は重宝します。
首輪を装着した時のデメリット
▼【首輪を装着した時のデメリット】
・スリップカラーにおける首への苦痛やストレス
・緑内障など眼圧への影響
スリップカラーにおける首への苦痛やストレス
首輪の最大のデメリットとしては、やはり首などに対する苦痛や身体的ストレスが挙げられます。首輪はハーネスと違って一点に力が加わり、首が一瞬締まる状態になるため、スリップカラーに限らず、普通の首輪であっても気を付ける必要があります。
緑内障など眼圧への影響
他にも首輪を使用することで起こるデメリットには、緑内障など眼圧に関係するものがあります。これは、犬が行く方向に逆らってリードを引っ張った時の眼圧に悪影響を及ぼすのかどうかを調べた研究結果によるもので、結果的に首輪の使用は、眼圧に違いが見られなかったハーネスと違って、眼圧の上昇及び緑内障の発症と関係性があるということが、研究結果で示されました。
ハーネスのメリット&デメリット
胴全体を覆い、犬が引っ張った時に首への負担が少ないハーネス。
現在では様々な形が販売されているハーネスのメリットとデメリットには、どんなものがあるのか、それぞれ見ていきましょう。
ハーネスを装着した時のメリット
▼【ハーネスを装着した時のメリット】
・引っ張っても力が分散されるため、犬の体に対する負担が少ない
・呼吸器疾患や頸椎疾患がある犬でも使用できる
・首輪よりもハーネスの方が脱走の危険性が少ない
・足腰の弱いシニア犬の歩行の手助けが容易
引っ張っても力が分散されるため、犬の体に対する負担が少ない
ハーネスの場合、首輪と違って力の分散がされるため、首や眼球への負担が少なく、体に対する負担も軽減することが出来ます。
呼吸器疾患や頸椎疾患がある犬でも使用できる
呼吸器疾患や頸椎疾患、パグやブルドッグといった短頭種にとってもハーネスは首に負荷がかかりにくいため、オススメです。
ハーネスは犬の体を面で支えているため、首に対する圧迫感も少なく、呼吸もしやすいメリットがあります。
首輪よりもハーネスの方が脱走の危険性が少ない
ハーネスは体の広い範囲を固定できるので、首輪に比べたら容易に体が抜けないといった面があります。
筆者の3代目柴犬もハーネス着用なので、重宝しています。
足腰の弱いシニア犬の歩行の手助けが容易
いずれどのワンちゃんにも訪れ、シニア期の足腰が弱くなってしまう時でも、歩行補助用のハーネスであれば支えが広く、重宝します。
シニア期に入り関節炎持ちだった2代目シェルティーにおいても、生涯通して使っていたハーネスは、とても役に立ってくれたアイテムでした。
ハーネスを装着した時のデメリット
▼【ハーネスを装着した時のデメリット】
・引っ張り癖を治しづらい
・胴長短足の犬は抜けてしまう可能性がある
引っ張り癖を治しづらい
一般的に首輪よりも体に負担が少なく、眼圧などにも影響がないハーネスですが、元から引っ張る力が強いワンちゃんだと、首輪と比べ指示が伝わりづらく、引っ張り癖が増してしまうのはハーネスのデメリットです。
通常ハーネスは、犬が10の力でリードを引っ張った場合、飼い主さんもまた10の力で引っ張り返さないと犬の力を抑えることが出来ない特性を持っています。
そのため、犬の引っ張る力に負けてリードを緩めてしまうと、犬にしてみれば、「引っ張れば行きたい場所に行ける!」と学習させてしまう恐れがあるので、その時には引っ張り防止用のハーネスを使用するのがオススメです。
胴長短足の犬は抜けてしまう可能性がある
胴長短足の犬種の場合、本来ハーネスのメリットである抜けにくいという特徴は、逆にデメリットになってしまい、抜けてしまう危険性があります。
ダックスフンドやコーギーといった犬種は椎間板ヘルニアなど、首や腰に関係してくる疾患を持ちやすいため、出来ればハーネスの方が良いのかもしれませんが、その時には抜けにくいハーネスを選ぶなど、工夫する必要があります。
まとめ
いかがでしたか?
犬の散歩に欠かせない首輪やハーネスは、選ぶものによって様々なので、今回ご紹介したメリットやデメリット以外にも長所や短所がまだまだあるかもしれません。
ただ、首輪にせよハーネスにせよ、一番は愛犬が嫌がらず、且つ安全面や愛犬のコントロールが確保できるものを選ぶように心掛けると、愛犬にとっても、飼い主さんにとっても最善の選択が出来るのではないかと思います。
<参考書籍>
いぬ大全304
<参考サイト>
Effects of the application of neck pressure by a collar or harness on intraocular pressure in dogs|首輪やハーネスによる頸部圧迫が犬の眼圧に及ぼす影響
>https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16611932/
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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