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「犬の体重を減らすには?」肥満度チェックの方法もご紹介【動物看護師が解説】

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愛犬を見てふと「あれ?なんだか肉付きが良くなった?」「ちょっとぽっちゃりした?」と感じたことはありませんか?

「まぁ、まだ大丈夫」と安心していると、いつのまにか適正体型をオーバーして「肥満」になっているかもしれません。

そこで今回は、「愛犬の肥満度のチェック方法」や「犬の体重を減らすときに大事な5つのこと」を解説いたしますので、「最近、愛犬の体重が気になってきた」という方はぜひ参考にしてくださいね。

知っておきたい!犬の肥満度チェック方法

犬の体型をチェックするときに「体重」を気にされる方が多いと思います。

もちろん体重も大事なのですが、犬種によって体格差がありますし、同じ犬種でもその子によって理想の体重は異なります。

そのため「この犬種は〇Kgだから肥満」「〇kgだから適正体重」とはなかなか一概にいえません。

では、どうやって自分の犬が太っているのか、適正体型なのかを知れば良いのでしょうか。

犬には「BCS(ボディ・コンディション・スコア)」という体型をチェックするための「表」があります。

▼犬の体型チェックの表「BCS(ボディ・コンディション・スコア)

「BCS4」と「BCS5」が「適正体型」と言われています

「BCS((ボディ・コンディション・スコア)」は5段階、または9段階の数字で体型を評価しており、犬の体を見たり触ったりして、愛犬の体型がどの数字に該当するのかをチェックします。

▼「BCS(ボディ・コンディション・スコア)」のチェック手順

愛犬の体を見たときに腰にくびれがほとんどなかったり、肋骨がほとんど手に当たらないという場合は、要注意な体型です。

まずは体型チェックの表を元に、愛犬の体型がどの段階にあるのかというのをチェックすることからはじめましょう。

「犬が太るとよくない」と言われる理由は?

「犬が太るとよくない」「犬は肥満にさせるとよくない」というのをよく聞きますね。

では犬が太ってしまうと、具体的に何がよくないのでしょうか。

「肥満」になると犬に起きることを画像にまとめてみました。

▼犬が「肥満になると起きる事」の一例

ギョッとするようなキーワードがたくさん並んでいますね。

体重が増えるとその分が腰や足に負荷大きくかかりはじめます。

その結果、腰や足を傷めやすく、痛みから動くのを嫌がってさらに太りやすくなるという悪循環を生み出します。

腰や足の痛みは、将来寝たきりになってしまうリスクもはらんでいます。

また、首回りに脂肪がついてしまうと、気道が圧迫されるので呼吸がしづらくなり、呼吸器系の疾患を引き起こす可能性もあります。

つまり、犬が「肥満になる」といいことは一つも起こらないのです。

獣医師さん100人が回答「犬の肥満の原因」

では、犬が肥満になったり太ったりする原因は一体何でしょうか。

獣医師さん100人に「犬の肥満のよくある原因」を聞いたアンケートでは、下記のような回答が寄せられました。

▼獣医師さん100人に聞いた「犬の肥満の原因でよくあるものは?」

なんとアンケートに回答した獣医師さん100人全員が「オヤツの与えすぎが原因」と回答しました。

その他にも、「フードの量が多すぎる」「フードが不適切である」という回答が「9割」近く続きました。

このアンケート結果を見てみると、「食べ物」が犬の肥満に大きく関わっているという事実がよくわかりますね。

また、獣医師さんに個別に聞いた意見では「ドキッ」とするような意見が並びました。

▼獣医師さんに聞いた「よくある肥満の原因」
・飼い主さんの認識が間違い
  (オヤツの与えすぎが原因なのに犬の運動不足だと認識している)
・人の食べ物を犬に与えている
・運動量が少ない室内犬に高カロリーのオヤツやフードを与えすぎている
・避妊手術の後の食事管理と間食が適切じゃない

食べ物のカロリーと消費できるカロリーが伴っていなければ、どうしても犬は太ってしまいます。

特に小型犬に与えるドッグフードは少ない量でカロリーがまかなえるように設計されているので、運動量が合っていないと太りやすくなります。

最初にご紹介した「BCS(ボディ・コンディション・スコア)」の表で愛犬のスコアが高かった方は、一度「食べ物」も見直してみることが大切ですね。

犬の体重を減らすために「覚えておきたい5つのこと」

では最後に、愛犬の体重を減らしていくために覚えておきたいことを「5つ」お話ししていきたいと思います。

▼愛犬の体重を減らすために「大事なこと5つ」
①「体重」ではなく「パーセンテージ」で考える!
➁「ダイエットの計画」を立てる!
➂「ダイエットフード」に切り替える!
④散歩の距離、時間、質を見直す!
➄食事やオヤツは量を測る

①「体重」ではなく「パーセンテージ」で考える

ダイエットというと「体重」で管理をするイメージがありますね。

しかし「犬のダイエット」と「人のダイエット」は異なります。

人で考えると「0.5kg」落とすというのは、そんなに大きな数字ではないように感じます。

しかし、5kgの犬が0.5kg落とすと考えるとどうでしょうか。

パーセンテージに直すと10%の減量となるので、人に例えると50kgの人が5kg落とすのと同じくらいのハードなダイエットになってしまいます。

そのため目標を体重で決めてしまうと、知らないうちに無茶なダイエットになることがあるので必ずパーセンテージで考えるようにしましょう。

➁「ダイエットの計画」を立てる

体重を減らすときは、必ずダイエットの計画を立てるようにしましょう。

また、自分一人では立てずにかかりつけの獣医師さんと一緒にダイエット計画を立てるのがオススメです。

理由は「2つ」あります。

・安全にダイエットを行うため
・ダイエット期間が長期になるため

先ほど、体重ではなく「パーセンテージ」で管理するというお話しをしましたが、1カ月に無理なく落とせる量は限りがあります。

それを超えた計画を立ててしまうと、犬の体に負荷がかかってしまい、体調不良を引き起こしてしまいます。

また、犬のダイエットは長期(半年から1年ほど)になりがちです。

長期間一人で管理するのは難しいので、定期的に獣医師さんからアドバイスをもらいながら進めるとよいでしょう。

➂「ダイエットフード」に切り替える!

体重を減らすときは、低カロリーなダイエットフードに切り替えましょう。

「今食べているフードの量を減らせばいいのでは?」と思うかもしれませんが、量を少なくすると摂取できる栄養も少なくなります。

そのため、皮膚トラブルを引き起こすなど別の弊害も起こりやすくなります。

また空腹感を感じやすいので、ストレスから問題行動(盗み食いやイタズラ)を起こすようになったり、誤飲事故を引き起こす可能性があります。

無理なく体重を減らしていくために、低カロリーなフードも検討しましょう。

④散歩の距離、時間、質を見直す!

「病気で運動ができない」などの事情がなければ、散歩の距離や時間、質も見直してみましょう。

小型犬の散歩時間は1回30分というのが定番化していますが、ジャックラッセルテリアやダックスフント、トイプードルなど俊敏でパワフルな犬は、1時間近く散歩に行っても全然へこたれません。

また、「散歩ルートに坂道を入れる(運動負荷をあげる)」「ルートを毎日変更(犬が飽きずに楽しめる)」「芝生や土の道を多く歩く(足に負荷が少ない)」など、ただ歩くだけの散歩ではなく、質も見直すと犬も飼い主さんも楽しく継続できます。

急に激しい運動をすると、犬の体に負担となり飼い主さんも継続しにくいので、まずは1、2分散歩の時間を増やしてみるという意識で取り組んでみましょう。

➄食事やオヤツは量を測る!

愛犬が喜ぶ姿を見ると、ついつい「もうちょっとだけよ」とご飯やオヤツを多く与えがちです。

特にご家族で飼っていると、みんなでかわるがわるオヤツを与えてしまい、今日1日どれだけ食べたかわからないということも起こってしまいます。

ご飯やオヤツは1日分を測って小分けにしておき、与えるときは測った分から犬にあげるという習慣を作っておきましょう。

犬を太らせることは簡単ですが、体重を減らすとなるとなかなか容易ではありません。

犬も飼い主さんも苦労をしないために「あれ?ちょっと最近太ったかな」と感じたら、すぐに意識や習慣を変えることを心がけましょうね。

▼「コチラ」の記事もオススメです!

【ダイエット中は犬の誤飲事故が起きやすいって知ってますか?】

<参考書籍>

犬が教えてくれた愛犬を太らせない7つの習慣 続田 敦 続田 孝子  (著)

動物看護のための小動物栄養学 阿部又信  (著)

<参考URL>

犬の肥満の原因とは? 無理のないダイエット法 ベッツアイ
>https://vetseye.info/opinions/op034/

Characteristics of obese or overweight dogs visiting private Japanese veterinary clinics
>https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2221169116301587

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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