みなさんは、犬にもマイボーム腺というまぶたの縁にある分泌腺があるのをご存知でしょうか?
マイボーム腺は、主に涙の油分を分泌することで、涙の蒸発を防いでくれています。
しかし、このマイボーム腺が何らかの原因によって閉塞してしまう場合があり、人で言うところのいわゆる「ものもらい」と似たようなものを犬が患ってしまうことがあるのです。
また、マイボーム腺の異常による病気にはいくつか種類があり、その種類によっては治療法も変わってきてしまいます。
そこで今回は、その中でも筆者が経験したマイボーム腺腫の気になるアレコレを、マイボーム腺炎などにも少し触れながらご紹介します。
犬の目にあるマイボーム腺の役割と病気の種類
細菌感染やマイボーム腺の油分の詰まりによって分泌物が溜まっていき、炎症を起こしてしまう場合を「麦粒腫(ものもらい)」と言い、感染を伴わず、マイボーム腺の油分が詰まって慢性的な炎症を起こした場合を「霰粒腫(めいぼ)」と言います。
では、マイボーム腺種とは一体何なのか。筆者が飼養していたシェットランド・シープドッグの実例と共に見ていきましょう。
麦粒腫とも霰粒腫とも違う、犬のマイボーム腺腫の主な症状
それでは、マイボーム腺腫の主な症状をご紹介します。
わかりづらいと思いますが、黒目の下の丁度縁の部分に出来ているポツっとしたモノ、これがマイボーム腺腫です。
一般的にマイボーム腺腫という病気は、高齢犬に多く発症する病気です。
筆者のシェルティも、12歳を過ぎた辺りで初めて発症し、結果的に両目に出来てしまいました。
マイボーム腺腫が麦粒腫や霰粒腫と違う一番の要因は、その症状にあります。
ものもらいである麦粒腫は、基本的に細菌感染(ブドウ球菌)でまぶたの周りが赤く腫れますが、抗生物質の投与などで比較的早く治ります。
また、マイボーム腺の詰まりで発症する霰粒腫は、小さいうちであれば内容物が排出できたり、自然と吸収されれば問題ありません。
しかし、マイボーム腺腫は例え小さくても、マイボーム腺が閉塞し、その分泌物が腫瘍化して起こってしまう病気のため、治療法としては保存療法または外科的手術のみです。
また、マイボーム腺がある限り、マイボーム腺種は1個だけとは限らず、犬種によっては2個、3個と出来る可能性も。
保存療法についても、あくまで症状を遅らせるだけで、根本的な解決には至らないため、通常は獣医さんにも外科的手術を勧められると思います。
はじめこそ小さい状態で発症しますが、やはり腫瘍ですので、時間が経つにつれ、徐々に大きくなります。
ですが、ご安心を。このマイボーム腺腫の多くは良性腫瘍のため、命に関わることは基本的にはありません。
しかし、だからといって放置はしないでくださいね。放っておくとのちに大きくなった腫瘤で角膜を傷つけたり、失明になる原因にもなるため、気が付いたら動物病院に連れていきましょう。
犬のマイボーム腺腫、自宅で簡単に出来る対処療法!
それでは、実際に筆者も実践したマイボーム腺炎やマイボーム腺腫に効果的な対処療法をご紹介します。
方法は簡単で、人も目が疲れた時など、ホットアイマスクをして目を休めたり、温めたりしますよね。
それと同じ要領で、犬にもホットアイマスクを施してあげましょう!今は電子レンジで温めて使うホットアイマスクなども豊富にあります。
温めたアイマスクをわんちゃんが火傷しない程度の温度か確認をしてから優しく目の上にのせます。
最初は短時間からでも良いのでやってみてあげてください。
筆者の愛犬は、既に出来てしまっていた両目のマイボーム腺腫については、摘出手術をしましたが、その後はこの方法で再発せずに済みました。
マイボーム腺腫は、分泌物の滞りを発生させないようにするのが最も大切で、それらはものもらいと言われる麦粒腫も霰粒腫も同じです。
そのため、もしも愛犬の目に気になる吹出物が出来ているのを発見した場合には、動物病院を受診した上でこの方法を試してみてはいかがでしょうか。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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