「犬の健康診断」というと、年に1回、春に行くというイメージが強いですね。
でも、5歳を超えたら半年に1回、秋にも健康診断に行くのがオススメです。
「半年に1回は多いんじゃない」と感じるかもしれませんが、理由を知ると春と秋の検診を習慣化したくなりますよ。
今回は、「秋に健康診断がオススメな理由」と「健康診断を受ける前に飼い主さんにやってほしい3つのこと」をお話ししていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
犬の健康診断は5歳を超えたら半年に1回?!
犬の健康診断は「春に行く」「年に1回行く」というイメージが強いですが、飼い主さんの実態はどうなのでしょうか。
アニコム損害保険(株)が行ったアンケートによると、下記のような結果が浮かび上がってきました。
▼愛犬が健康診断を受ける頻度は?
▼愛犬が健康診断を受ける時期は?
アンケート結果を見てみると、やはりイメージ通り、半数近く(47.0%)が「健康診断の頻度は1年に1回」「受ける時期は春が多い」と回答しました。「半年に1回」受ける方はわずか「16.4%」に留まっているのがわかります。
では、なぜ5歳を超えると半年に1回の健康診断がオススメなのでしょうか。
それは、人と犬とで時間の感覚が異なるからです。犬の1日は人にとっての3~4日分にあたるといわれています。
つまり犬にとっての1年は人にとっての3~4年分くらいにあたり、1年に1回受けているつもりでも実際には4年に1回くらいのペースになっていることになります。
4年健康診断を受けていないというと、「かなり期間が空いてしまっているな」という感覚がありますよね。
年齢が高くなるにつれ、ホルモンの病気や内臓の病気など、目視だけではわからない病気も増えてきます。
犬の5歳は人間でいうミドル世代なので、体にトラブルが起きてもおかしくない年齢になりますし、病気の早期発見は何よりも大事です。
半年に1回健康診断に行くと、人でいう1~2年に1回くらいのペースになるので、春と秋の健康診断を習慣化するのがいいですね。
愛犬が健康診断を受ける5つのメリット
半年に1回の健康診断が大切なのはお分かりいただけたと思いますが、「愛犬が病院が苦手で気が重い」「なかなか時間がとれない」という方も多いのでないでしょうか。
では、健康診断を受けるメリットはどんなことがあるのでしょうか。
ポイントを「5つ」にまとめてみました。
▼健康診断を受けるメリット5つ
①愛犬の普段の数値を知ることができる
➁目視ではわからない異常がわかる
➂異常を早期発見できる
④時期によってはキャンペーン価格でお得
➄しつけや日常生活の相談ができる
①愛犬の普段の数値を知ることができる
健康診断では血液検査や尿検査をしますが、状態が数値化して伝えられます。
正常値内に入っていれば問題なしという判断にはなりますが、私たち人が人によって平熱や血圧が違うように犬によっても普段の数値は異なります。
その子の普段の数値がどれくらいなのかを把握しておくことは異常に気づくうえでとても大事ですし、年を重ねるごとに経過を比較することもできます。
また病気になっても「いつから症状が出てきたのか」おおよその目処をつけることができます。
➁目視ではわからない異常がわかる
私たち飼い主が普段チェックできるのは、目視で確認できる場所だけです。
また耳を触ると嫌がったり口元に触れない子は、確認するのが難しいのでチェックが甘くなりがちです。
健康診断を受ければプロの目視に加えて、目視だけではわからない内臓や骨の異常にもいち早く気づくことができます。
➂異常を早期発見できる
病気は早く発見すると、その分早く治療に取りかかることができます。
病気が進行してから治療をすると、健康な体に戻るまでに時間がかかるので、犬は辛い時間が長くなりますし飼い主さんも時間や費用の負荷が大きくなります。
早めに異常に気づいてあげることは、犬にとっても飼い主さんにとっても、プラスになることが多いのです。
④時期によってはキャンペーン価格でお得
気軽に健康診断を受けられるように、動物病院によっては季節ごとに健康診断のキャンペーンを行っているところも多いです。
普段受けると高額になりがちなレントゲンやエコーなどの検査もキャンペーン価格で手の届く範囲になっていることがあるので、キャンペーンを利用して健康診断を受けるとお得に診断を受けることができます。
➄しつけや日常生活の相談ができる
犬を飼っていると、しつけやお薬のことなど「これってどうすればいいんだろう」と悩むことがありますね。
健康診断を利用して、獣医師さんや動物看護師さんに日常生活のお悩みやしつけの相談をすることができます。
愛犬の健康診断前に飼い主さんにやってほしい3つのこと
では、健康診断を受ける前に飼い主さんが準備しておかなければならないことは何でしょうか。
ポイントを「3つ」にまとめました。
▼健康診断「前」に飼い主さんにしてほしい3つのこと
①健康診断の日は絶食
➁獣医師さんに相談する内容をメモ
➂愛犬の普段の記録を取る
①健康診断の日は絶食
健康診断の日は「血液検査」をすることが多いですね。
ごはんを食べてからあまり時間がたっていないと、血糖値があがって正常な数値が測れないことがあります。
そのため健康診断前に動物病院に連絡して、どれくらい前にごはんを済ませればいいのか絶食時間を確認してください。
➁獣医師さんに相談する内容をメモ
獣医師さんの前だと緊張してしまって、聞きたいことを忘れてしまうこともあります。
また家族でお世話をしていると、お父さんが把握していることとお母さんが把握していることが違うということもあります。
健康診断前に家族で話し合いをして、獣医師さんに相談したい内容をメモしていくようにしましょう。
➂愛犬の普段の記録を取る
愛犬がどれくらい水を飲んでいるか、何回トイレにいったか、便の状態はどうだったかなど普段状態は細かく把握していますか?
普段から愛犬のことをメモしていると、後から比較することができますし、いつから異常が起きていたのかを探ることもできます。
飼い主さんの何気ない一言が病気に気づくきっかけになることもあるので、普段から愛犬の状態は記録に残すようにしておきましょう。
愛犬には「いつまでも元気で長生きしてほしい」というのが飼い主さんの願いですね。
健康診断はそんな願いをかなえるための手段のひとつです。
まだまだ定着していない春と秋の健康診断ですが、5歳を迎えたら習慣化してみるのはいかがでしょうか。
<参考URL>
犬の健康寿命延伸を目的とした「どうぶつkokusei調査」結果公表
>https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2020/news_0200618.html
秋冬健康診断 ますみ犬猫病院
>http://masumi-ah.com/aw_kenshin
<画像元>
Unsplash
写真AC
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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