愛犬に薬を飲ませるのに苦労していませんか?
「口を開けてくれない」「薬だけ残す」など、犬に薬を飲ませるのに苦戦している飼い主さんは多いです。
一度きりならまだ頑張れますが、嫌がるなか何日も飲ませなければならないと、お薬の時間が苦痛になってしまいます。
今回は薬が苦手な犬に「上手に薬を飲ませる工夫」と「うまく飲めない時にやってはいけないこと」を解説していくので、参考にしてみてくださいね。
犬が薬を飲めないときに「やってほしい5つの工夫」
錠剤やカプセルの場合、犬の口を開けて喉の奥に押し込んで飲ませる方法があります。
しかしやってみると意外と難しく、犬が薬を吐き出してしまったり、かたくなに口を開けなくなることもあります。
そのため今回は、なるべく飼い主さんも犬も抵抗なく飲める方法をお伝えしていきます。
①薬の形状の変更
動物病院で処方される薬にはさまざまな形状があります。
・錠剤
・カプセル
・粉薬
・シロップなどの液体
錠剤は苦手だけどシロップなら飲める、粉薬は嫌がるけど錠剤は飲めるなど、形状を変更すれば犬が薬を飲むのに抵抗を感じなくなる場合があります。
挑戦したけど上手く薬が飲めなかったという場合は、獣医師さんに一度相談してみたください。同じ効果で別の形状の薬を紹介してくれます。
また錠剤やカプセルなどによっては、砕いたり中身を出しても問題ない薬もあります。
獣医師さんに相談して問題ないとの回答であれば、薬を砕いたり中身を出した方が飲みやすくなる場合もあります。
➁薬を食事に混ぜて与える
空腹時に飲ませないといけない、噛んではいけない薬、単体で与えないといけない薬には使用できませんが、問題ないのであれば食事に混ぜて与えてしまうのも一つの手です。
ただカリカリの中に錠剤を入れると薬だけ吐き出してしまったり、粉薬をフードの上にかけると不審がって食べない場合があります。
オススメなのはウェットフードやドライフードをふやかしてペースト状にした中にお薬を混ぜこんでしまう方法です。
鶏肉や豚肉をゆでた汁も一緒にかけてあげると、香りも強く立つので嫌がらずに食べてくれることが多いです。
➂薬をオヤツに包んで与える
オヤツが大好きな犬ならオヤツの中に薬を埋め込んだり、オヤツで包んだりして与えるのもオススメです。
犬が好んで食べてくれるなら「お芋」「ゆでたまご」「薄切りのお肉」「ササミ」などでもOK。ただカロリーも高いので、なるべく少量にしましょう。
与えるときは「薬が入っていないオヤツ」→「薬入りのオヤツ」→「薬が入っていないオヤツ」の順で与えると、違和感に気づかず食べてくれやすいです。
④薬をスープやヨーグルトと一緒に与える
薬によっては苦みがあったり、口触りが悪くて飲み込むのを嫌がる場合があります。
砕いていい錠剤や中身を出していいカプセル、粉薬であればヨーグルトやお肉をゆでた汁に混ぜてあげると苦みや口触りがまぎれて飲みやすくなります。
また粘度の高い「ガムシロップ」に溶かしてあげるのもオススメです(薬によっては飲み合わせが悪かったり溶けにくかったりするので獣医師さんに要相談)。
➄ピルポケットを使用する
長期的に薬を飲まなければならない場合は、一緒に与える物のカロリーも気になりますね。
薬を長期的に飲ませる場合は「ピルポケット」という薬を包んで隠すことができる投薬補助トリーツを検討してみてください。
低カロリーの商品やアレルギーに配慮した商品も出ているので、アレルギーを持っている犬も安心して使うことができます。
動物病院で取り扱っていることがあるので、飲ませるのに苦労している場合は獣医師さんに相談してみてください。
犬が薬を飲めないときに「やってはいけない3つのこと」
5つの工夫でもお話ししたように、お薬が苦手な犬は食べ物や好きな物と一緒に食べた方がすんなりと受け入れてくれやすいです。
では、お薬がなかなか飲めないという場合にやってはいけないことは一体なんでしょうか。
やってはいけないことは3つあります。
①薬の量や飲む回数を減らす
なかなかお薬を飲んでくれないとお薬の時間が苦痛になってしまいますね。
だからといって、お薬の量や回数を自己判断で減らすことは絶対に止めてください。
症状が改善されていたとしても、途中で飲むのを止めることでせっかく収まりかけていた症状がまた悪化してしまう可能性があります。
お薬の量はペットの体重や症状や年齢に合わせて処方しているので、きちんと飲み切ることで最大限の効果が得られます。
獣医師さんの判断がなく量や回数を減らすと、症状を長引かせたり悪化させる可能性があるので、上手く飲めない場合は必ず動物病院に相談しましょう。
(※薬を飲み忘れた場合も自己判断ではなく、動物病院に相談してくださいね)
➁薬を割ったりカプセルの中身を出さない
薬によっては割ったりカプセルの中身を出すと、効きにくくなったり作用が変わってしまう場合があります。
また、割ると苦みが出るなど、形状を変えることでさらに飲みにくくなってしまうことがあります。
砕くなど形状を変えて与えたい場合は、必ず獣医師さんに確認をとりましょう。
➂無理強いをして薬を飲ませる
「ちゃんと薬を飲ませないと」と意気込むと犬が警戒してなかなか飲んでくれません。
お薬は苦い物や美味しくない物が多いので、わんちゃんが嫌がるのは当然です。
かたくなに嫌がっているわんちゃんに、無理やり力ずくで薬を飲ませてしまうと、薬へのネガティブな気持ちがますます強くなってしまいます。
うまく飲めない場合は、動物病院でコツを習ったり、投薬補助トリーツを使うなどの工夫をとってあげましょう。
病気を治すためにはお薬がかかせませんが、継続的に飲ませるのは大変です。
なかなかうまく薬を飲ませられない、いつも薬を飲ませるのに苦労しているという飼い主さんは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<参考書籍>
小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド 上巻・下巻 西田 利穂 (翻訳), 石井 康夫 (翻訳), D.R.Lane B.Cooper
<参考URL>
薬を飲むのが苦手な犬・苦労する犬はどのぐらいいる? ベッツアイ
<画像元>
Unsplash
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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