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犬にもUVケアが必要!知っておきたい紫外線が犬に与える怖い影響【動物看護師が解説】

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季節が変わりだんだんと日差しが強くなってきました。

日差しが強くなると気になるのが「紫外線」ですね。

この紫外線は、私たち人だけでなく犬にもさまざまな影響をもたらします。

これから日差しが強くなるこの時期に、犬の紫外線対策をしっかりと覚えておきましょう。

甘く見てはいけない犬に対する紫外線の影響

紫外線は皮膚において最も避けなければならない刺激のひとつと言われており、強い紫外線を長時間あびてしまうと、皮膚や目にダメージを受けてしまいます。

紫外線による影響
皮膚炎
●扁平上皮癌(皮膚の悪性のガン)
●天疱瘡(てんぽうそう)(皮膚に水ぶくれやただれができる)
●メラニン色素の沈着

犬によっては短時間でも皮膚炎を引き起こしたり、アレルギーのような症状が出ることもあります。

また、紫外線の影響というと上からというイメージがありますが、地面からの照り返しでお腹周りや太ももの部分に皮膚炎を起こした事例も報告されています。

肉球のやけどなども含めると、紫外線による影響で動物病院を訪れる犬はけして少なくありません。

紫外線は5月からだんだんと強くなり、6~9月頃がピークです。

甘く見ずにしっかりと紫外線対策を取ってあげましょう。

紫外線の影響を受けやすい犬は?

では、犬の中でも紫外線の影響を受けやすい犬はいるのでしょうか。

紫外線の影響を受けやすい犬
毛の色が白い犬
●淡い・明るい毛の色の犬
●短毛・無毛の犬

「メラニン色素」という言葉を聞いたことはありませんか?

毛が黒くなったり茶色になったりするのは「メラニン色素」の影響です。

この「メラニン色素」は皮膚と毛を紫外線から守る働きがあるのですが、白い毛の場合はメラニン色素が少ないのが特徴です。

そのため白い毛や淡い毛の犬の場合、紫外線の悪影響を受けやすくなってしまいます。

また短毛や無毛の犬も、紫外線から皮膚を守る毛が少なかったり短かったりするため、紫外線の影響を受けやすい傾向にあります。

愛犬が上記のような特徴を持っていたら、特に紫外線対策に力をいれてあげましょう。(黒い毛の子も背中を火傷した事例が報告されているので、毛の色にかかわらず紫外線対は必要です。)

紫外線の影響を受けやすい犬の体の部位は?

では、具体的にどの部分を紫外線から守ってあげたらいいでしょうか。

紫外線の影響を受けやすい体の部位
●鼻
●耳
●目
●お腹周り
●内太もも

毛に遮られにくい鼻や耳、毛が薄いお腹周りは、紫外線の影響を受けやすくなります。

また、お腹や内太ももは地面からの照り返しの影響を受けやすい場所です。

人では目にも紫外線の影響が出ることが知られていますが、犬にも同様の影響があるのではないかと考えられています(白内障に影響を与えるのではないかという見方もあります)。

犬用のサングラスも売られていますが、十分効果があるかまでは研究報告されていないので、日差しが強いときは外に行くのを控えるなど時間帯で調整することをオススメします。

今日からやりたい愛犬の紫外線対策

今までの内容で紫外線が犬に与える影響や影響を受けやすい部位がお分かりいただけたかと思います。

では、紫外線が強くなる時期にはどのような対策を取ればいいのでしょうか。

●散歩の時間は要チェック
●部屋の中でも紫外線対策を
●外に出るときは服や日傘で紫外線対策
●毛は極端に短くしない
●適度な日光浴をする

散歩の時間は要チェック

日差しの強い時間帯に散歩に行くのは控えましょう。

朝の10時~16時くらいまでは1日の内で紫外線が強い時間帯と言われています。

熱中症予防の面からも、この時間はできる限り避けてあげましょう。

また地面に熱が残っていることも多いので、地面に手を当てて温度を確認したり犬用の靴を履かせることも大切です。

家に帰ったら、皮膚や毛に異常が出ていないかチェックしてあげましょう。

部屋の中でも紫外線対策を

紫外線対策は、外だけではなく家の中でも必要です。

日光がよく当たるリビングや窓際でくつろぐ犬も多いのではないでしょうか。

カーテンを紫外線対策できるものに変える、紫外線を通さないフィルムを窓に貼る、よしずをかけるなど、家の中でも紫外線対策を取ってあげましょう。

外に出るときは服や日傘で紫外線対策

外に出るときは犬用の服を着せたり日傘をさしてあげるなど、紫外線を遮る工夫をしてあげましょう。

また、地面からの照り返し予防のために犬用の日焼け止め(サンスクリーン)をお腹周りにつけてあげることも大切です。

毛は極端に短くしない

熱くなってくると、暑さ対策のために毛を短く切ってあげたくなりますね。

しかしあまり毛を短くカットしてしまうと、紫外線が皮膚に届きやすくなってしまいます。

皮膚を守るためにも、あまり毛を短くしすぎないようにしましょう。

適度な日光浴をする

今まで色々な紫外線の悪影響をお伝えしましたが、良いところもあります。

日光に当たることで歯や骨を維持するのに必要なビタミンDを合成することができます。

また、睡眠を促すホルモンの分泌にも関わっているため、適度な日光浴は健康維持に役立ちます(夜泣きをする犬に効果的な場合があります)。

犬用のUVケア商品も少しずつ増えて、犬も人と同様に紫外線対策をとるという考え方が少しずつ飼い主さんに浸透してきているように思います。

紫外線の影響はすぐに出なくても、年齢を重ねて出てくることもあります。

まだ紫外線対策をしたことがないという飼い主さんは、今日から紫外線対策を始めてみませんか?

<参考文献>

アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド 岩﨑 利郎 (著)

<参考URL>

Graphic photos show young dog severely burned by sun in San Antonio
>https://www.mysanantonio.com/life/pets/article/Graphic-photos-show-young-dog-severely-burned-by-12985405.php#photo-15706308

<画像元>

Unsplash

写真AC

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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