わが家には、大型犬グレートピレニーズの「J」がいました。
後年Jの介護をしていた時に、他の方が書いた介護のやり方がとても役に立った記憶があります。それで、私もJを介護していた時のことをお伝えしたいと思いました。
少しでも、愛犬の介護に携わる方たちのヒントになれば嬉しいです。
はじまりは、後ろ足のサポートから
老化の兆しは犬によって違いますが、Jの場合は「後ろ足のふらつき」からでした。
でも、まだ前足はしっかりしていましたし、外に出ることに喜びを感じていたので、散歩は毎日連れて行ってあげたいと思っていました。
病院の先生からも運動は勧められていたので、後ろ足専用のハーネスをつけて散歩を続けることに。
Jがいた一階の居間には、これまで以上に滑りにくい素材でできた、犬用フロアシートを購入して敷くようにしました。
それから半年ほど経った頃でしょうか。
一階の居間から庭に出るところにある、高さ15センチほどのスロープを降りる時に、Jが転んでしまうようになりました。
庭には、石やブロックもあって危険です。自力で起き上がる力もなくなってきていましたからは、庭を歩かせるときは人が付き添うようにしました。
この頃のことを思い出すと、庭を歩き疲れたJが、木陰に敷いてあった布団で気持ちよさそうに寝ていたのを思い出します。
人間の大人用介護パンツをうまく使う
後ろ足が弱くなると、足を上げてのオシッコや、しゃがんでのウンチをすることができなくなります。歩きながらのウンチとおしっこです。
庭に出ているときはいいのですが、室内でしてしまうことも。
そんな時に役立つのが、人間の大人用の介護パンツ。最初のうちは、犬用のパンツなどいろいろ試したのですが、結局一番使い勝手が良かったのが人間用の大人用の介護パンツでした。
いろんなやり方があるでしょうが、うちの場合はオシッコ取りのためだけに介護パンツを使っていました。
シッポが出る部分に、ハサミで大きく穴をあけます。ウエスト部分もゴムがきつくなりすぎないように、適当にハサミを入れて緩くします。これを時間があるときに何枚も作っておきました。
介護用パンツにもいろいろ種類がありますよね。最初は、水分でゼリー状に固まる粉が入ったものを使っていたのですが、ハサミで切ったときに細かい粉も出てきてしまいます。粉が床に落ちると掃除も大変ですし、ちょっとでも床に水分があると、落ちた粉がゼリー状になってすべりやすくなってしまうのです。
なので結局、綿が入った薄型の介護パンツを使うようになりました。尿とりパッドと併せて使うと、少し経済的です。
寝たきりになってからのサポート① 長時間寝ていても疲れにくい寝床つくり
ほぼ寝たきりの状態になると、どんな寝具にするかが重要になってきます。
うちの場合は、低反発マットとベッド用の安いマットを2つ用意し、取り替えながら使っていました。
マットの上には柔らかいタオルケットや毛布などを敷き、寝だこができないように工夫します。さらに、パンツ替えや食事の時に下がよごれないよう、顔と腰の下にペットシーツを敷きます。
最初の頃、少しの時間Jから離れて戻ったたときに、布団から落ちて硬い床の上に寝ていたことがありました。
Jがいつ動きたがるのかわからないので、それからは布団を横に2枚並べて寝だこ対策をしていました。
寝たきりになってからのサポート② 手作りの寝だこ防止グッズ
寝だこができやすい子には、手作りの寝だこ防止グッズがおススメです。
まず、タオルかエアークッションのプチプチを、筒のように丸めます。次に、それでドーナツを作り、テープで固定します。
後ろ足太ももの付け根など、出っ張っていて寝だこができやすい骨を、ドーナツで囲うように貼り付けます。
毛が長い子の場合、ドーナツを固定するのはなかなか難しいのですが、テープの重ね貼りや介護用パンツである程度は固定できます。
Jの場合、寝たきりになってからは寝だこ防止グッズを使う必要はなくなりました。どちらかと言うと、まだ歩けたときに誤って転んでしまうことがあったので、ケガを防ぐためによく使っていました。
寝たきりになってからのサポート③ 定期的な寝返りを
寝たきりになってから大切なのは、30分に1回とか1時間に1回、定期的に寝返りを打たせることだと思います。体を同じ方向に向けてばかりいると、ワンちゃんも疲れるからです。
でも、Jには「寝やすい向き」というのがあったようで、寝にくい方向を下にする時は、時間を短縮して調整していました。
寝てばかりいるのを嫌がって、ちゃんと立った姿勢になりたがるときもありました。そういうときは、体を支えて少し歩かせます。
とは言っても、足に力がないので自分では歩けません。私が支えて移動するのですが、体重が40kgくらいある大型犬です。どんなにやってあげたくても、1回につき5分から10分くらいが限界でした。
あとは、お庭が見える場所で寝かせてあげたり、家族が何かしている様子がわかるところで寝かせてあげたり、気分を変えるためにできることはやっていました。
この写真は、家族の皆が花火をやる様子を玄関先で見ているJです。
介護は、みんなで協力してこそできる
うちの場合は、母と私の2人でJの面倒を見ていました。交代で、Jの寝床の横に寝て、夜間の寝返りを行います。交代するときは、お互いにどういう世話をしたのか報告し合います。
夜、Jが頻繁に起きようとするため、数時間でも続けて寝られるようにしたいと思った母は、動物病院から睡眠薬をもらって、Jが寝る前に適量飲ませていたこともあります。でも、なぜかあんまり効き目はなかったようです。
母と私の都合がどうしても合わないときは、ペットシッターさんに何日か来てもらったこともあります。
本当に、家族がいたからこそ、Jの介護がそれなりにできたのだと思います。
ある夏の夜、一瞬私の方を見たあと、Jは静かに息を引き取りました。
私にとって、Jの介護は大変な労力を費やすとともに、大きな喜びでもありました。
最後までJに付き添って、介護をやりきることができて本当に幸せだと思います。
以上が私の介護体験記です。
初めて愛犬の介護に携わる人や、大型犬を家族として持つ飼い主さんたちへ、何かしらのヒントになれば幸いです。
愛犬カーミーと幸せに暮らしています。
カーミーは子どもであり、妹であり、友達であり、聖母様です♡
好きなこと:手作り
好きなことば:生きとし生けるものが幸せでありますように
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