夏は外耳炎が増える季節といわれています。
犬が耳を気にする、かゆがる、耳が匂うといったことはありませんか?
もしかしたら外耳炎を起こしているかもしれません。

犬の外耳炎ってどんな病気?

外耳炎は外耳(耳の入口から鼓膜まで)に起きる炎症のことをいいます。
犬に起きやすい病気ではありますが、慢性化してしまうと耳介が厚くなり、耳道が狭くなってしまいます。
外耳炎の怖いところは、外耳炎になることによって耳の中の細菌の増殖や鼓膜の変化など二次的な問題も引き起こしてしまうこと。
たれ耳の子は耳の中が蒸れやすいので、特に外耳炎に注意しましょう。
夏は犬の外耳炎が増える季節?!


アイペット損害保険株式会社の報告では、外耳炎はペットの保険金請求が多い傷病のランキング第2位でした。多くの飼い主さんが愛犬の外耳炎に悩んでいることがうかがえます。
また、夏は気温や湿度が高くなるため、蒸れやすく耳のトラブルがおきやすい季節です。動物病院の来院理由は耳トラブルを含めた皮膚病がグッと増えています。
外耳炎は一度かかると再発しやすい病気です。愛犬が外耳炎にかからないようにしっかりと注意するポイントを覚えておきましょう。
どうして犬は外耳炎になるの?

一口に外耳炎といっても実は多くの原因があり、複数の要因が絡み合い外耳炎を引き起こしている場合があります。
外耳炎の原因は、主因(外耳炎を引き起こす主な原因)、副因(外耳炎が起こったことで起きる二次的要因)、増悪因(外耳炎を悪化させる要因)、素因(発症リスクをあげる要因)の4つに分かれています。

炎症というと菌が原因ではないかと思ってしまいますが、単体で外耳炎を起こすのは主因です。
外耳炎が繰り返しやすい、治りにくいといわれるのは、主因に別の要因が重なることで重症化または慢性化することが多いからなんですね。
ミミヒゼンダニとは?
ミミヒゼンダニは犬の外耳の表面に寄生します。寄生すると外耳内で炎症が起こり、激しいかゆみを引き起こします。
犬の耳垢や皮膚組織などを餌にして成長し、卵を産んで繁殖していきます。
ミミヒゼンダニが感染すると、コーヒーカスのような黒っぽい耳垢をよく見られます。
愛犬が耳をかゆがる、耳垢が黒い場合はミミヒゼンダニによって外耳炎が引き起こされている可能性があります。
脂漏症とは?
脂漏症は皮脂腺の異常分泌や皮膚のターンオーバーがうまくいかず、皮膚のべたつきや乾燥によるフケみられる皮膚炎のことです。
脂漏症にかかると耳の中も脂っぽくなってしまうため、外耳炎を併発することが多くあります。そのため、脂漏症と外耳炎どちらも治療する必要がでてきます。
アレルギーによる外耳炎?
一見するとアレルギー疾患と外耳炎は関係がないように思えますが、犬の耳に症状がでる病気で一番発生率が高いのが、アレルギー性疾患だといわれています。
アレルギー性疾患では、耳と皮膚は関連性が深く、慢性外耳炎の犬の75%が皮膚炎を発症し、食物アレルギーを持っている犬の55%が外耳炎を併発していたと報告されています。
例えば、耳に入れるお薬の成分に反応してしまい、炎症を起こしてしまうこともあるのです。耳を治すためのお薬が外耳炎の原因になる可能性があるのは驚きですね。
犬の外耳炎を予防する方法は?


外耳炎の発症リスクを高める素因は上記のようなものがあります。
主因と違って単体で外耳炎になる確率は低いですが、発症リスクをあげる要因になります。
たれ耳などは耳の形の問題なのでコントロールすることが難しいですが、(※1) 耳毛を短くカットして通気性をよくする、良質な食事と生活で免疫の低下を防ぐなどの対策はとれそうですね。
(※1) 耳毛は異物の侵入を防ぐ働きもあるので、カットするかは獣医師さんに相談してください。また耳毛を抜くと炎症を起こし逆に外耳炎を招いてしまう可能性が示唆されています。
また、ポリープや腫瘍などが耳にできてしまうと、耳道を狭くしたり通気性を悪くするので手術を検討することも大切です。
外耳炎予防に耳のクリーナーを使っている、外耳炎で耳にお薬を入れているという場合は、クリーナーの先を清潔にするように心がけましょう。クリーナーの先に耳の中の菌が付いてしまうと、それを何度も耳の中に運んでしまいます。(耐性菌を生む原因にもなります。)

外耳炎は犬によく起きる病気ですが、いろいろな要因が絡み合って外耳炎を起こしています。
蒸し暑い季節は外耳炎を招きやすい時期です。発症リスクの原因をしっかりと覚えて、外耳炎を起こさないように対策をとってあげましょう。
<参考文献>
・わ が 国 の 犬 に お け る 皮 膚 病 の 罹 患 状 況 日本小動物獣医学会
・ペットの保険金請求が多い傷病のランキング2019 アイペット損害保険株式会社
・犬の耳ケアについて 原因&洗浄方法 獣医皮膚科専門医が解説シリーズ
・犬の外耳炎って?原因・症状・治療・予防法まとめ 獣医皮膚科専門医が解説
<画像元>
illust STAMPO
ICOOON MONO
Unsplash
イラストAC

・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手
やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。
大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。
愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。
「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。

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