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「愛犬の尿の色がいつもと違う?!」尿の色や回数、匂いの変化で考えられる病気は?

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尿の色や回数は愛犬の健康状態を知るバロメーターと言われています。

では愛犬の尿の色や匂いがいつもと違った場合、どんな病気にかかっていることが疑われるでしょうか。

今回は「尿の色や匂いが変化したときに考えられる病気」や「愛犬の尿の病気を見逃さないための注意点」を解説します。

「健康な犬の尿の回数や量」も合わせて解説しますので、愛犬の健康管理にぜひお役立てください。

健康な犬の尿の回数や量は?

愛犬が1日に何回くらい排尿して、どれくらいの量を出しているか確認したことはありますか?

排尿の回数や量を把握するのは難しいですが、愛犬の健康状態を知る大事な手がかりになるので、愛犬が普段何回トイレに行くのか、どれくらいの量を出しているかは知っておくことが大切です。

では、健康な犬の排尿回数や量はどれくらいなのでしょうか。

▼健康な犬の排尿回数

・子犬→1日7~10回程度
・成犬→3~5回程度
・シニア犬→5~6回程度

排尿回数は犬の年齢や生活環境によって変化します。

子犬の頃は膀胱も小さく機能も未熟なため排尿回数が多くなりますが、成犬になるとまとまった量の尿を膀胱に貯めることができるので、子犬のときより排尿回数は減ります。

シニア犬になると筋力や膀胱の機能の低下で排尿回数は増える傾向にあります。

上記の排尿回数はあくまで目安なので、普段から愛犬が何回くらい排尿しているかは把握しておくようにしましょう。

極端に排尿回数が減ったり増えたりした場合は、泌尿器トラブルが起きている可能性があるので注意しましょう。

▼健康な犬の尿量

健康な犬の尿量は体重1kgあたり20~45mlほどだと言われています。

犬の尿量を正確にはかるのは難しいですが「使用後のペットシーツの重さ」から「未使用のペットシーツの重さ」を引くことで大まかな尿量を知ることができます。

・「多尿」→体重1kgあたり50ml以上尿が出る状態

・「乏尿」→体重1kgあたり7ml以下しか尿が出ない状態

・「無尿」→体重1kgあたり2ml以下しか尿が出ない状態

多尿は過剰に水分を摂取したことでも起こりますが、子宮蓄膿症や糖尿病の症状としても現れます。

脱水や尿路結石になると乏尿が現れ、末期の腎臓病や腎炎になると無尿の状態になります。

尿は1日出ていない状態続くと尿毒症(老廃物や余分な水分が排出されない状態)になる可能性があり大変危険です。

毎回尿量を確認する必要はありませんが、ペットシーツの濡れ具合から愛犬がどれくらい尿を排出しているかはチェックするようにしておきましょう。

▼飲水量もあわせてチェックしよう

尿の回数や尿量と合わせて飲水量も知っておくことが大切です。

「飲水量も尿量も普段より増えている」「飲水量は増えたのに尿量が減っている」という場合は、なにか病気にかかっている可能性があります。

愛犬の異変にいち早く気づくために、愛犬がどれくらい水を飲んでいるのか把握しておきましょう。

・「犬の1日の飲水量」→体重1kgあたり50ml前後

※1日に体重1kgあたり100ml以上水を飲んでいる場合は多飲にあたります

上記の飲水量はあくまで目安で季節や運動量、食事内容(ドライフードかウェットフードか)によっても変化します。

そのため、軽量カップで水を計ってから与えるなど、愛犬が日頃からどのくらい水を飲んでいるか確認しておきましょう。

「異常?それとも正常?」犬の尿の色の変化でわかる病気

愛犬が排尿した後に「いつもと色が違うかも」と違和感を覚えたことはありませんか?

尿の色でも愛犬の病気に気づくことができます。

病気が潜んでいる尿の色を覚えておきましょう。

▼犬の尿の色

・「薄い黄色」

健康な犬の尿は薄い黄色です。

色は飲水量や体調によっても変化するので、一時的に濃くなったり薄くなったりすることもありますが、淡い黄色~黄色を保っていれば問題ありません。

・「濃い黄色」

「長時間尿を我慢していたとき」や「水分摂取量が少なかったとき」「運動の後」などは一時的に尿が濃い黄色になりがちです。

これは健康な範囲内なので、その後の尿が淡い黄色~黄色に戻れば問題ありません。

ただ濃い黄色が続いているという場合は、肝臓や胆道にトラブルが起きている可能性があるので、早めに獣医師さんに相談をしましょう。

・「赤みがかっている」

尿の中に血液のように物が混じっている、赤っぽい尿をする場合は、血尿が出ている可能性があります。

▼血尿が出る原因

・膀胱炎
・尿結石
・前立腺炎
・子宮蓄膿症
・寄生虫感染
・中毒
・ストレス

膀胱炎や尿結石ができて出血している場合もありますし、寄生虫感染(フィラリアなど)や中毒症状(玉ねぎなど)、環境の変化によるストレスなどでも血尿をだすことがあります。

血尿が出る原因は多いので、尿に血が混じっている場合は早めに動物病院で検査をすることをオススメします。

・「白く濁っている」

「尿が白濁している」「膿のような物が混じっている」という場合は、子宮蓄膿症や前立腺炎といった生殖器の病気にかかっている可能性があります。

特に子宮蓄膿症は治療しないと命に関わる危険な病気なので、尿の色の変化を見落とさないようにしましょう。

・「キラキラしたものが混ざっている」

ペットシーツの上にキラキラしたものやザリザリした物が残っているという場合は、尿結石の兆候があります。

尿結石は尿の通り道である尿道や膀胱などに結石ができる病気で、結石が粘膜を刺激するので痛みが生じやすく、排尿するのを嫌がったり踏ん張っているのになかなか排尿しないといった行動が見られます。

尿道が完全に詰まると外科手術で取り出す必要が出てくるので、ペットシーツに結石が残っているという場合は十分注意しましょう。

「愛犬の尿のにおいがきつい」匂いの変化で考えられる病気は?

尿の色以外にも匂いの変化で気づく病気もあります。

▼尿の匂いの変化で考えられる病気

・匂いがきつい→水分不足
・甘い匂い→糖尿病
・ツンとする刺激臭→尿路感染症
・生臭い、アンモニア臭が強い→前立腺炎

尿の匂いは水分不足や投薬、フードの変更でも変わりますが、腐敗臭や刺激臭、甘い匂いなどがしたら病気にかかっている可能性があります。

特に糖尿病は生涯にわたって治療が必要となり、見落とすと命に関わる病気です。

匂いの変化も見落とさないようにしましょう。

「愛犬の尿の病気を見逃さないために」気をつけたいこと4つ

これまでの内容で病気のサインは尿に多く現れることがおわかり頂けたと思います。

では尿の病気を見落とさないために、私たち飼い主が気をつけることはなんでしょうか。

気をつけたいことを4つご紹介します。

▼尿の病気を見落とさないために気をつけること

  • 愛犬の尿の状態を知っておく
  • 愛犬の食事内容に気をつける
  • 飲水量が足りているかチェック
  • 犬の生活に変化があるときは要注意

①  愛犬の尿の状態を知っておく

愛犬の普段の尿の状態を知らないと異変と比較することができません。

もしものときに備えて、愛犬の「尿の回数」「尿の量」「尿の色」「尿の匂い」など普段の尿の状態がどうなっているのか把握しておきましょう。

②  愛犬の食事内容に気をつける

バランスのよい食事を心がけましょう。

トッピングで同じ物ばかり食べさせたり、ミネラルが多い食事ばかり取らせていると、結石を招く恐れがあります。

体質や遺伝的に結石ができやすい犬種もいるので、そういった指摘をされた子は結石ができやすい食べ物を把握してバランスのよい食事を取らせるように心がけましょう。

③  飲水量が足りているかチェック

犬はなかなか水を飲みませんね。

とくに子犬やシニア、冬場は喉の乾きに鈍感なので水分不足に陥りがちです。

水分不足は尿路感染症や結石を招きやすくするので、愛犬がどれくらい1日に水を飲んでいるかは把握しておきましょう。

なかなか水を飲まないという場合は「ウェットフードを与える」「フードをふやかして与える」など水分を意識的にとる手助けを飼い主さんがしてあげましょう。

④  犬の生活に変化があるときは要注意

ストレスは飲水量を減らしたり、排尿の習慣を乱れさせることがあります。

飼い主さんの生活パターンの変化や引っ越し、家族が増えたなど愛犬の生活に大きな変化があるときは、ストレスがかかるので尿のトラブルが起きがちです。

愛犬のまわりの環境が変わったというときは、尿の回数や色などに変化がないかチェックしておきましょう。

尿には愛犬の健康に関わるさまざまな情報が隠れています。

ときには命に関わる病気もあるので、日頃から愛犬の尿の状態を把握しておいて、いち早く病気のサインに気づいてあげたいですね。

<参考書籍>

小動物獣医看護学: 小動物看護の基本と実践ガイド 上下巻

D.R.レイン (著), B.ク-パ- (著), 西田利穂 (著)

<画像元>

Canva

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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