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「犬の睡眠が足りないとどうなる?」犬の睡眠不足がまねく病気や睡眠不足のサインを解説

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皆さん、愛犬の睡眠時間を気にしたことはありますか?

犬はよく眠っているイメージがありますが、蛍光灯やテレビがついた環境で寝かせていたり、日中ずっとウトウトしているといった様子が見られたら、隠れ睡眠不足に陥っているかもしれません。

今回は「犬の理想の睡眠時間」や「犬が睡眠不足になる原因」を解説します。

「愛犬が睡眠不足に陥っているときのサイン」も合わせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

愛犬の睡眠時間はどれくらい?

犬は1日にどれくらい眠っているのでしょうか。

ブリーダーナビが行った愛犬の睡眠時間に関するアンケートによると、愛犬の睡眠時間は下記のようになりました。

▼愛犬の1日の睡眠時間はどれくらい?(回答数:82)

▼愛犬の1日の睡眠時間はどれくらい? (回答数:82)

・「12時間以下」35%
・「12~15時間」32%
・「15~18時間」15%
・「ほぼずっと寝ている」18%

「12時間以下(35%)」と答えた回答が一番多く、次に「12~15時間(32%)」が多いという結果になりました。

「1日中寝ている(18%)」といった回答も意外と多く寄せられましたが、全体を見てみると家庭によって犬の睡眠時間にはばらつきが出ているようです。

では、実際のところ犬は何時間ほど寝るのが理想なのでしょうか。

犬の理想の睡眠時間は?

犬の睡眠時間は人と比べると長い傾向があり、年齢によって睡眠時間が異なります。

▼年齢ごとの犬の睡眠時間

・「子犬(1歳前後)の睡眠時間」1日あたり18~19時間程度
・「成犬(1~7歳)の睡眠時間」1日あたり12~14時間程度
・「シニア(8歳前後)犬の睡眠時間」1日あたり18~19時間程度

犬も人と同じように「レム睡眠(浅い眠り)」と「ノンレム睡眠(深い眠り)」の2種類で睡眠サイクルが回っていますが、睡眠のほとんどがレム睡眠(浅い眠り)です。

1度に深く長く眠るのではなく、浅い眠りを何度も繰り返します。

下のグラフは「若い犬とシニア犬の覚醒と睡眠のリズム」を調べた結果ですが、若い犬はレム睡眠(浅い眠り)の割合が多く、シニア犬はノンレム睡眠(深い眠り)の割合が高くなっています。

▼若齢犬と老齢犬の覚醒・睡眠リズムの変化

若いときは体力もあり活動量も多いため睡眠時間は短いですが、シニアになると体力も衰え若いときよりも長い睡眠を求めるようになります。

また、睡眠サイクルも浅い眠りより深い眠りの割合が増えるため、1日中ウトウトと眠っている状態になります。

「隠れ睡眠不足?」愛犬の睡眠不足をまねく原因

犬の年齢によって睡眠時間は異なるとお話しましたが、実は犬の生活環境も睡眠時間や睡眠の質に大きく影響を与えます。

犬は私たち飼い主の生活リズムに合わせて生活をしているので、何気なくとっている行動が犬の睡眠を妨げているかもしれません。

では、犬を睡眠不足にしてしまう原因はどんなことなのでしょうか。

原因を7つ紹介するので、自分と愛犬の生活環境を見直してしましょう。

愛犬の睡眠不足をまねく原因7つ

①「夜遅くまでテレビや明かりをつけている」
②「飼い主さんが夜ふかしをしている」
③「家族の生活リズムがバラバラ」
④「犬の体にベッドがあっていない」
⑤「ドアや窓の近く、生活動線にベッドが置いてある」
⑥「体に痛み・違和感・かゆみなどがある」
⑦「気温や湿度が睡眠に適していない」

①「夜遅くまでテレビや明かりをつけている」

テレビの音や蛍光灯の明かりは犬の睡眠を妨げる原因になります。

犬が横になってくつろいだり、ウトウトしているといった様子が見られたら、明かりを落としたりテレビのボリュームを下げて犬が眠りにつきやすい環境を作ってあげましょう。

②「飼い主さんが夜ふかしをしている」

先ほど犬の睡眠サイクルはレム睡眠(浅い眠り)の割合が多いとお話しましたね。

眠りが浅いので、ちょっとした物音でも敏感に察知して目が覚めてしまいます。

夜ふかしをするとトイレに行ったり飲み物を入れたりとどうしても生活音が出てしまうので、そういった音が犬の眠りを妨げる可能性があります。

犬を先に寝室で寝かせるなど、犬の睡眠を妨げない環境を作ってあげましょう。

③「家族の生活リズムがバラバラ」

犬のベッドをリビングに設置している場合、「お父さんは帰りが遅い」「お母さんは起きるのが早い」といった生活リズムだと犬は慢性的な睡眠不足に陥る可能性があります。

家族の生活リズムがバラバラだと気づかない内に愛犬が睡眠不足になることもあるので、家族の生活スタイルのすり合わせをすることも大切です。

④「犬の体にベッドがあっていない」

ベッドには高反発なものと低反発なものがあり、高反発は体をしっかり支えてくれる反面柔らかさがないので包みこまれる感覚が好きな犬は寝苦しさを感じます。

低反発のベッドは体にフィットしやすいですが、足腰が弱ってくると柔らかすぎて寝返りがうまくできない可能性があります。

体にベッドがあっていないと眠りを妨げる原因になるので、愛犬がどんなベッドを好むのか、今のベッドが愛犬の体にあっているのかをチェックしましょう(ベッドを避ける、何度も寝返りをうつ場合は体にあっていない可能性あり)

⑤「ドアや窓の近く、生活動線にベッドが置いてある」

愛犬のベッドがドアや窓の近くに設置している場合、人の往来や雑音が犬の眠りを妨げる可能性があります。

また、近年リビング階段を設置して階段の下を犬の生活空間にしている場合がありますが、階段の上り下りの音を犬が気にしていないか注意してあげましょう。

⑥「体に痛み・違和感・かゆみなどがある」

関節炎や皮膚炎といった痛みやかゆみがある場合も、犬の睡眠を妨げます。

特にシニアになると睡眠時間が増え、床ずれや関節のこわばりをおこしやすくなります。

愛犬が十分眠れているか、体に違和感を感じていないか注意深く観察するようにしてください。

⑦「気温や湿度が睡眠に適していない」

犬の快適な温度は「22度前後」「湿度は40~60%」と言われています。

シニアになると体温調整機能が低下するので、暑さや寒さに敏感になります。

部屋の気温や湿度が犬に適していないと睡眠を妨げる原因になるので、犬が過ごしやすい気温と湿度になっているかもチェックしましょう。

「睡眠不足がまねく病気は?」愛犬が睡眠不足のときにみせるサイン

では、愛犬が睡眠不足になるとどういった不調が現れるのでしょうか。

症状を一覧にまとめてみました。

▼睡眠不足の犬がみせるサイン

・日中ずっとウトウトしている
・下痢や嘔吐がある
・食欲がない
・活発に動かなくなった
・疲れやすくなった
・ぼーっとしていることが多い
・問題行動が増えた(吠える・物を壊すなど)

睡眠不足が続くとストレスによって、下痢や嘔吐といった消化器症状が起きやすいことがわかっています。

また「吠えやすくなった」「過度ないたずらが増えた」といった問題行動も増えてきます。

一見、睡眠不足と結びつかない症状のようにも感じますが、上記の行動が見られる場合は飼い主さんの生活スタイルと愛犬の睡眠時間を振り返ってみるとよいでしょう。

人の場合、睡眠不足は体の不調や意欲に影響があると言われていますが、犬にも大きな影響があることがわかりました。

飼い主さんの生活リズムが犬の睡眠不足まねいてる可能性もあるので、この機会に愛犬が睡眠不足に陥っていないか確認してみてくださいね。

<参考文献>

犬と猫の睡眠

犬と猫の睡眠の重要性について にゅうた動物病院

<画像元>

Unsplash

Canva

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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