犬は散歩の中で、日々の様々な情報を得るために色々な場所へ鼻を寄せてその時間を楽しみます。
特に公園内の草むらでは、率先して興味津々にクンクンと匂いを嗅ぎたがるワンコは多いことでしょう。
しかし、そんな時に気を付けておきたいものに、秋にどう猛化する蜂の存在があります。
そこで今回は秋にどう猛化する蜂について、その種類や生態、愛犬が蜂に刺された場合の症状や対処法などをご紹介します。
秋の蜂に愛犬が気を付けた方が良い理由
秋の蜂に愛犬が気を付けた方が良い理由には、大きく分けて2つあります。
ひとつ目は、『蜂は一般的に季節の移り変わりでその活動に対する活発性に違いが出るから。』
ふたつ目は、『愛犬の散歩時間が蜂の活動時間と被るから。』
ひとつめの『蜂の活動に対する活発化』については、基本的に蜂という生き物が、以下のような活動サイクルを経て日々を過ごしていることが関係しています。
▽『蜂の活動サイクル』
この中でも9月頃~10月頃にかけては、新女王蜂の誕生や越冬の準備などの影響で蜂たちは警戒心が強まる傾向にあり、一般的に攻撃性が高まるとされています。
そのため、誤って愛犬が蜂の巣などのある場所に踏み入ってしまった場合には、愛犬が蜂に襲われてしまう危険性があるのです。
そしてもうひとつの『愛犬の散歩時間が蜂の活動時間と被る』ことについては、蜂が一般的に朝の6時頃から暗くなるまでの21時頃までが活動時間だと言われていることと関係しています。
この活動時間は特に朝方と夕方が一番盛んに活動すると言われており、この時期、愛犬の散歩でも暑くもなく寒くもない丁度良い散歩時間帯と被ってしまうのは、犬にとっては蜂に襲われてしまう危険性が高まります。
犬は基本的に好奇心旺盛で、気になったものがあった場合にはなんでも鼻先を近付けて匂いを嗅いだり、追いかけたりする動物です。
秋の散歩をしている最中に、よく蜂と遭遇するようになったと感じた場合や、愛犬が蜂を見つけて追いかけたがってしまうような場合には、愛犬を抱き抱えて可能な限りその場を離れるよう心掛けましょう。
人や犬を刺す蜂の種類・生態とは?
蜂は膜翅目(まくしもく)に属し、アリを除いた昆虫のことを指します。
日本にはおおよそ4,000種以上の種類が存在していると言われており、この中で人や犬を刺すとされている種類は、日本では主にスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの3種類です。
人や犬を刺す蜂①:スズメバチ
人や犬を刺す蜂=スズメバチというイメージが付くほど攻撃性が高いことで知られるスズメバチは、オオスズメバチやキイロスズメバチ、ヒメスズメバチといった種類が存在しています。
一般的には何も刺激を加えなければ刺してくることはあまりないと言われていますが、誤って刺激してしまった時の攻撃性については他の蜂と比べ物にならない程、とても攻撃的でどう猛な性格をしています。
また、スズメバチの持つ有毒成分は他の蜂以上に危険性が高いため、散歩中に遭遇した際は決して愛犬が近寄らないよう注意しましょう。
人や犬を刺す蜂②:アシナガバチ
パッと見スズメバチにも似たような風貌をしているアシナガバチですが、スズメバチほど太くはなく、どちらかというと細身な見た目をしています。
アシナガバチは、基本的には穏やかな性格をしているため攻撃性は高くありません。ただし、例えば知らぬ間に愛犬が巣のある半径1m以内を横切ったとか、刺激を与えてしまったといった場合には、一斉に攻撃してくる特徴を持ち合わせています。
アシナガバチが作る巣はスズメバチにとって捕食の対象だともされているため、アシナガバチを発見した際にはスズメバチの存在にも注意しましょう。
人や犬を刺す蜂③:ミツバチ
受粉や蜜の採取などが主な仕事で、人や犬を襲うイメージが全くないミツバチは、刺激しない限りほとんど攻撃はしてこないほど温厚な性格をしています。
ただし刺激したことでミツバチが攻撃に転じた場合、ミツバチの針は刺さると蜂本体から抜けて、人や犬の皮膚から抜けなくなる特徴を持ち合わせています。
またミツバチの毒針や毒液は他の蜂を引き寄せる誘因性を持ち合わせてもいるため、「大人しい性格だから」と油断しないよう注意しましょう。
愛犬が蜂に刺された時の主な症状とは?
それでは、愛犬が万が一蜂に刺されてしまった時には、主にどのような症状が挙げられるのでしょうか?
考えられる症状は以下の通りです。
▽『犬が蜂に刺された時の主な症状』
・アレルギー反応による局所的な腫れ
・患部の発赤や疼痛
・アナフィラキシーショック
蜂に愛犬が刺されてしまうと、局所的に腫れなどを引き起こして痛みを伴います。
また、刺された箇所に発赤や疼痛を抱えている場合には、患部をしきりに舐めたり、痛がっているような素振りを見せたりするため、その場合には愛犬の身体をよく観察し、どこかに異常がないか隅から隅まで確認しましょう。
ただし、蜂(中でもスズメバチ)に刺されたことで起こるアナフィラキシーショックは、多くの場合『2回目に刺された場合に発症する』と言われています。(1回目でも起こる場合あり)
愛犬が蜂に刺された直後または数分後に、嘔吐・下痢・呼吸困難・意識混濁などの症状が見られた場合、それらはアナフィラキシーショックによるもののため、急いで動物病院を受診してください。
愛犬が蜂に刺されてしまった時の対処法
犬が蜂に刺された際のベストな対処法は、蜂の種類に関わらず動物病院を早急に受診することです。
しかし、動物病院が休みであったり、愛犬が蜂に刺されているような個所をその場で見つけたりした際には、以下のような手順で応急処置をすることは可能です。
ただし、以下の応急処置に対して愛犬が暴れてしまったり、逃げ回ったりしてしまう可能性がある場合には、毒の回りを早くさせないためにも救急の動物病院で処置してもらいましょう。
それでは、それらを踏まえた上で一つずつ対処法について見ていきましょう。
針を抜く
蜂の中でも自身の命と引き換えに針を対象者に刺して絶命するミツバチに愛犬が刺されてしまった場合には、その針を出来るだけ早急に見つけて抜き取ってあげましょう。
けれどこの時、見つけたとしても慌てて手で引っこ抜こうとしてはいけません。ミツバチの針には返しが付いているため、落ち着いてピンセットや毛抜きなどでゆっくりと引き抜くようにしましょう。
もしも手元にピンセットなどがない場合には、クレジットカードなどを45°の角度で皮膚と針に押し当てスライドさせるように針を弾いて取り除いてください。
また、引き抜く際には針の先に付く毒のう(毒液の入った袋)を持つのではなく、針自体を抜くよう気を付けましょう。
患部を洗浄、流水でしっかりと洗い流す
針を無事に引き抜くことが出来たら、愛犬の患部をしっかりと石鹸などで洗浄した後、流水で洗い流してあげましょう。
この際、しっかりと患部を冷やしてあげることが大切です。痛みや腫れ、毒の広がりはしっかりと冷やすことである程度軽減することが出来ます。
これがスズメバチやアシナガバチだった場合は、流水で流しつつ愛犬が嫌がることがなければ、毒素を一緒に絞り出してあげましょう。
ただしスズメバチなどの毒素は水に溶けだしやすいため、決してご自身の口で毒素を吸い出そうとはしないでください。
動物病院などで抗生物質を処方してもらう
愛犬が蜂に刺され、幸いにも痛みや痒み程度の違和感だけでその時は済んだとしても、中には数日経ってから急性膵炎や急性腎不全などがおこってしまう事例も報告されています。
そのため、上記の応急処置が一通り済んだら出来るだけ早い内に動物病院を受診しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
秋は日中に愛犬の散歩に出掛けるのにとても最適な季節ではありますが、蜂の活動が活発化する季節でもあります。
また、蜂は黒い服装をしていたり、ニオイが強い香水や体臭をしていたりすると、敏感に感じ取って攻撃性を向けてくる恐れがあります。そのため、愛犬と散歩をする際には服装や匂いなどに気を付け、散歩中に万が一蜂と遭遇するようなことがあった場合には、慌てず騒がず、そっとその場を離れるように心掛けましょう。
<参考サイト>
ハチについて|室蘭市
>https://www.city.muroran.lg.jp/life/?content=411
蜂に刺されたら病院へ!命の危険を回避するために知るべき症状と応急処置
>https://www.sharing-tech.co.jp/hachi/hachi-sasareta/
犬がミツバチに刺された時の対処法|永福あにまるクリニック
>https://eifuku-ac.com/2021/07/16/504/#:~:text=%E3%83%BB
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
最新記事 by yukako (全て見る)
- ワンコと遊べる遊園地!那須ハイランドパーク体感レポート!<アトラクション編> - 2024年11月18日
- ペットの“もふもふプッシュ”にご用心!愛犬によって起こる火災事例や防ぐポイントを解説! - 2024年11月14日
- 犬が人に『頭突き』をするのはどうして?その心理や対応の仕方、注意点について解説! - 2024年11月9日
- 犬の『夏毛』と『冬毛』の違いって?換毛と脱毛の違いや部位によるブラシの使い分けについて - 2024年11月8日
- 愛犬と一緒にお出掛け・旅行時の事前準備や注意点、愛犬の健康チェックリストをご紹介! - 2024年11月6日