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「自然乾燥はNG?!」犬をお風呂に入れた後はドライヤーと自然乾燥どちらがいいの?

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皆さんは愛犬をお風呂に入れた後、ドライヤーを使ってしっかり乾かしますか?

それともゆっくり自然乾燥させているでしょうか。

ドライヤーは時間もかかるし、皮膚や毛に熱ダメージがありそうと自然乾燥を選んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、自然乾燥も犬の皮膚や毛に良くない影響を与えます。

今回は「犬を自然乾燥させるのがNGな理由」や「愛犬をドライヤーで乾かすときの注意点」などを解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

「犬を自然乾燥させるのはNG」その理由は?

濡れた犬の毛を乾かすのはなかなか時間がかかりますね。

夏の暑い日なら自然乾燥でもいいのではとつい思ってしまいますが、犬の毛を自然乾燥させると愛犬の皮膚や毛によくない影響があります。

▼犬の毛を自然乾燥させるのがNGな理由3つ

①「菌が繁殖しやすい環境になる」
②「キューティクルが剥がれて毛質が悪くなる」
③「体温が下がりやすい」

①「菌が繁殖しやすい環境になる」

お風呂に入った犬の皮膚や毛は濡れて湿度が高くなっています。

菌は高温多湿な環境を好むので、濡れたままの毛や皮膚は菌が繁殖するのに最適な場所になってしまいます。

菌が繁殖すると炎症やかゆみなど様々な皮膚トラブルを引き起こします。

皮膚が弱い犬はもちろんですが、今まで皮膚トラブルを経験したことがない犬もトラブルを引き起こすきっかけになりかねないので、犬をお風呂に入れた後はしっかり乾かすようにしましょう。

②「キューティクルが剥がれて毛質が悪くなる」

毛の一番外側には「キューティクル」と言われるタンパク質の層があり、毛の内側をダメージから守っています。

しかし、このキューティクルは濡れると開きやすく、傷がつきやすい状態になります。

▼通常はキューティクルが閉じているが、濡れると開いて剥がれやすくなる

そのため、毛を乾かさずに放置していると摩擦などでキューティクルが剥がれ、毛質が悪くなってしまいます。

一度剥がれてしまったキューティクルは元に戻らないので、毛質を悪くしないためにも自然乾燥は避けたほうがよいでしょう。

③「体温が下がりやすい」

毛が濡れたまま過ごすと体温が下がりやすくなります。

寒くない日なら問題ないのではと思うかもしれませんが、体力のない子犬や老犬の体温が下がりすぎると体調不良をまねくきっかけになりかねません。

「愛犬のドライヤー」時短やダメージを軽減する方法は?

犬を自然乾燥させると犬の毛や皮膚に良くない影響があることがわかりました。

ではドライヤーで乾かした方が犬の体に優しいのでしょうか。

残念ながらドライヤーで乾かしても「熱でキューティクルが開く」「皮膚が熱刺激で乾燥する」といったダメージは起こります。

ですが自然乾燥をすると、皮膚トラブルだけでなく濡れたまま過ごすことによる体温低下や濡れていることを気にして犬が皮膚を舐め壊してしまう可能性があります。

犬の皮膚や毛に気を配りながら、しっかりドライヤーで乾かしてあげる方がよいでしょう。

犬の負担にならないようにドライヤーの時間を短縮したり、ダメージを軽減する方法を覚えておきましょう。

▼ドライヤー時間の短縮やダメージを軽減する方法

・吸水性の高いタオルで水分をしっかり吸う
・タオルでゴシゴシこすらない
・保湿をしっかりする

・吸水性の高いタオルで水分をしっかり吸う

ドライヤーの熱風を間近で長時間当てると、毛のキューティクルが剥がれたり皮膚が乾燥したりする原因になります。

ドライヤーの時間を短縮するために、吸水性の高いタオルでしっかり水分を拭き取りましょう。

また、シャンプー後は皮脂や汚れが落ちているので、毛の奥の皮膚までじっとりと濡れています。

毛の表面だけでなく、毛の奥や指の間など細かい部分もしっかりと水分を取っておきましょう。

・タオルでゴシゴシこすらない

毛は濡れるとキューティクルが開き、摩擦で傷つきやすくなります。

タオルでゴシゴシ擦るように水分を拭き取ると、キューティクルが剥がれて毛が痛みやすくなってしまいます。

また、ゴシゴシ擦ると皮膚も傷つきやすくなるので、優しく押し当てるように水分を拭きとるようにしましょう。

・保湿をしっかりする

シャンプーの後はどんな犬でも皮膚や毛が乾燥をします。

皮膚が乾燥するとかゆみや炎症といった皮膚トラブルを引き起こしやすくなります。

ドライヤーをかけると更に乾燥が進んでしまうので、シャンプーをした後は必ず保湿をしましょう。

お湯に溶かしてかけ流すタイプの保湿剤を使うと便利です。

スプレータイプの保湿剤を使うと、ドライヤー後に出た赤みや乾燥が気になるところを追加で保湿することができます。

「温度や距離は?」犬をドライヤーで乾かすときの注意点

では、ドライヤーで愛犬を乾かすときに注意をしなければならないことはなんでしょうか。

注意しなければならないポイントをまとめました。

▼愛犬をドライヤーで乾かすときの注意点

・犬の毛を乾かすときの温度は60℃前後
・ドライヤーを体に近づけすぎない
・顔から離れた場所から乾かす

・犬の毛を乾かすときの温度は60℃前後

毛を乾かすときに人用のドライヤーを使用している方もいるかもしれません。

人用のドライヤーの平均温度は100~120℃ほどと言われています。

犬にとっては暑すぎる温度で一箇所に当て続けるとやけどをする恐れもあります。

犬の毛を乾かす場合は、60℃前後に温度を設定して乾かしましょう。

温度設定ができない場合は、自分の手に風を当てて暑すぎていないか確認しましょう。

・ドライヤーを体に近づけすぎない

ドライヤーの位置が体に近いと犬がやけどをするおそれがあります。

ドライヤーは犬の体から20~30cm離れた場所から当てるようにしましょう。

・顔から離れた場所から乾かす

顔周りに風が当たるのを嫌がる犬は多いです。

また、目に熱風が当たると眼球が傷ついたりドライアイになる可能性があります。

最初は顔から離れたところから乾かすようにしましょう。

顔周りを乾かすときは、直接風が当たらないように目の部分に手をかざして乾かすようにするとよいでしょう。

犬用と人用のドライヤー、どちらで乾かすのがいいの?

ドライヤーには人用と犬用がありますね。

どちらを使って乾かすのがいいのでしょうか。

どちらか選べるのであれば、犬用のドライヤーを使って乾かすことをおすすめします。

理由は3つあります。

▼犬用のドライヤーをオススメする理由

①「温度設定が細かくできる」
②「犬の毛が入りにくい構造になっている」
③「風力が強い」

①「温度設定が細かくできる」

先ほど少し触れましたが人用のドライヤーの平均温度は100~120℃ほどで、機種によっては140℃近くになるものもあります。

犬を乾かすときは60℃前後の低温が適しているため、温度設定が細かくできる犬用ドライヤーがいいでしょう。

②「犬の毛が入りにくい構造になっている」

人用のドライヤーは犬の毛やほこりが内部に吸い込まれやすい構造になっています。

毛やほこりが内部にたまると、故障の原因になります。

犬用のドライヤーは内側に毛やほこりが入りにくい構造になっています。

③「風力が強い」

ドライヤーをかける時間を短くするにはドライヤーの風力も大切です。

犬用のドライヤーは人用と比べると風力が強く、水気をしっかりと吹き飛ばすことができます。

犬の皮膚は人よりも薄くてデリケートです。

そのため、シャンプー後にどうやって乾かすかもとても重要です。

今回ご紹介した内容を参考にして、愛犬の皮膚や毛を健やかに保ってあげてくださいね。

<参考書籍>

アジア動物スキンケア検定 公式テキスト 動物スキンケア実践ガイド 岩﨑 利郎 (著)

<画像元>

Unsplash

Canva

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。