通常、犬には水道水で十分な飲み水が常に確保出来ていれば問題ないと言われています。
しかし、あまりにも寒い冬の時期やシニア犬の場合だと、「冷たいよりも温かい方が良いのでは?」と感じたことがある飼い主さんは多いのではないでしょうか?
そこで今回は、犬に白湯を与えることで得られる効果や与える時の注意点、愛犬に白湯を与える際の与え方についてご紹介します。
犬は白湯を飲んでもいいの?
そもそも犬は白湯を口にしても良いのでしょうか?
結論から申し上げれば、犬は基本的に白湯を飲んでも問題ありません。
普段は水道水やペット用の飲料水を口にしている犬も、あまりにも寒さが身に沁みる冬の季節や水分摂取の不足が気になる時などには、温かくした飲み物を与えることは、とても効果的です。
ただし、犬にこれと言って、何か身体的な異常がないのであれば、あえて白湯を与える必要はありません。
しかし、寒さを感じやすい小型犬やシングルコート犬種、シニア犬について言えば、特に冬の時期に見られる震え(シバリング)は、それだけで体力消耗に繋がると言われているため、白湯による効果で免疫力アップや血行促進を図ることは、オススメいたします。
最近では、加熱機能の付いた給水器やステンレス製の熱を逃がしにくいペットボウルなども販売されています。
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犬の好みにもよるところではありますが、意外にも冷水や常温よりも白湯を与えた方が水の減る量が多いという事も珍しくはなく、また、上記商品は白湯のみならずウェットフードやスープなどにも重宝するため、愛犬の好みや用途に合わせて選んであげてください。
犬に白湯を与えることで得られる効果3選
それでは、もしも犬に白湯を与えた場合、与えたことで得られる効果にはどのようなものがあるのでしょうか?
基本的に白湯によって得られる効果は人を基にしておりますが、犬の場合でも考えられる効果を以下で確認してみましょう。
白湯による効果①:冷え性改善
人で起こる冷え性は、犬でも起こる場合があります。
一般的に犬の冷え性は、いくつか種類の有る冷え性の中でも人同様【末端冷え性】という手先・足先が冷える冷え性を起こす場合がある、と言われておりますが、白湯を犬に飲ませることで、血流改善の効果から、冷え性の改善を図ることが出来ます。
白湯による効果②:便秘解消
便秘になってしまう原因には、過度なストレスや胃腸の冷えなどが挙げられますが、犬に白湯を与えることは、こういった便秘の解消効果が期待できます。
ここ最近排泄する時に力んでいる時間が長かったり、便がちょっとコロコロしているというような時には、便秘気味の可能性があるため、白湯を与えて様子を見てみましょう。
白湯による効果③:免疫力アップ
一般的に犬の免疫機能の約70%は、胃腸内で賄われていると言われており、それらの冷えや機能低下は様々な身体的悪影響を及ぼす可能性があります。
犬が白湯を飲むことは、必然的に内臓を温めることに繋がるため、特にシニア犬や寒がりな小型犬にとっては、基礎代謝の向上や免疫力アップの効果が見込めます。
犬に白湯を与える時の注意点
人において言えば、白湯を飲むには「タイミングが重要」なんてこともしばしば耳にしますが、犬の場合にはあまりそういったことは関係ありません。
しかし、犬に白湯を与える時には、与える時の温度と、保存時間・期間に注意した上で、与える必要があります。
以下で詳しい内容を確認してみましょう。
白湯を与える際の注意点①:温度
犬に白湯を与える時には、大体35℃を目安に与えましょう。
人の場合であれば、大体白湯の温度としては50℃が目安のようですが、犬は基本的には猫舌なので、最適温度としては35℃で与えるように注意し、犬の基礎体温以上(38.0℃~39.0℃前後)にならないよう注意しましょう。
白湯を与える際の注意点②:保存時間・期間
通常水は、人や犬の口に入るまでに殺菌や塩素による消毒が行われたのち、水道水として各家庭の飲み水となるため、食餌すぐの水や散歩直後に取った水などの状況を除いて言えば、頻繁に水の取り換えを行う必要はありません。
しかし、その飲み水を一旦煮沸して作る白湯については、カルキや塩素などを取り除くため、保存時間や期間は短くなります。
白湯を作ったのは良いものの、愛犬が丁度良いタイミングで白湯を飲んでくれなかった時には、残念ながらその白湯は処分しましょう。
犬に白湯を与える時の与え方
犬に白湯を与える際には、煮沸方法や煮沸時間、使用する水の状況によっても与える方法は変わってきます。また、しばしば『お湯と白湯の違い』なんてことを耳にすることがありますが、その『お湯と白湯の違い』には主に2つの違いが存在します。
お湯=水を約40℃以上に温めたもの
白湯=一度沸騰させた水を飲みやすい温度にまで冷ましたもの
これらを踏まえた上で、犬に白湯を与える時の与え方は次の通りです。
犬に白湯を与える際の手順(水道水の場合)
ではまず、犬に水道水を使った場合の白湯の与え方をご紹介します。
水道水の場合、ヤカンや鍋に水を入れ、最初は蓋をして強火で沸かしましょう。その後フツフツと煮立ってきたら、蓋を開けた状態でしっかりと10~20分間煮沸消毒してください。
お湯は沸いてすぐに不純物は蒸発しないため、しっかりと沸かし続けることで、カルキや塩素を除去しましょう。
そうして、しっかりと煮沸消毒が完了したら、前述でも述べましたが、大体35℃になるまで冷ました上で、愛犬に与えてあげましょう。
犬に白湯を与える際の手順(浄水の場合)
普段、愛犬に与えている水が水道水ではなく、浄水器を通した浄水である場合、この場合であれば電子レンジやポット、電気ケトルなどで沸騰させて冷ませば与えることが可能です。
基本的に浄水は、煮沸消毒をした後の水と同じような状態なので、わざわざヤカンや鍋で、煮沸消毒する必要がありません。
人の場合と違って犬ではどのタイミングが良いという概念がないため、手軽に白湯を飲ませたい場合には、浄水で白湯を作るのがおススメです。
犬に白湯は与えてOK!けれど参考程度に…
これまで、犬に白湯を与えることで得られる効果や注意点などをご紹介してきました。
ただし、冒頭でもお伝えしましたが、基本的に犬に白湯を与えてあげたい明確な理由がないのであれば、あえて白湯を与える必要はありません。
というのも、【Recent Advances in Animal Nutrition in Australia, Volume 15(オーストラリアにおける動物栄養学の最近の進歩第15巻)】の文献によると、犬は15℃(Cool)、25℃(Neutral)、35℃(Warm)に分けられた蒸留水を1日に3回摂取した場合、犬が一番好んだ温度はCoolである15℃という結果が報告されているからです。(2005年時点)
けれど一方で、直腸温や体温が低い犬に関しては、何の問題もない犬と比べて温水を好む傾向が強かった結果も示されており、直腸温が37.8℃だった犬では、温水を好む割合は、なんと30%以上との結果が。
人もそうですが犬も高齢になるにつれ、基礎代謝や免疫力は自然と低下してしまいます。
それを思うと、この結果内容も頷けますよね。
ただし、だからこそ白湯を愛犬に与える際には、あくまでも愛犬の好みやその時の状態、状況、年齢をしっかりと考慮した上で、与えるように心掛けてあげることが大切です。
まとめ
いかがでしたか?
白湯は必ずしも犬にとって取り入れなければならないものではありません。また、白湯を好む犬もいれば、そうでない犬もいます。
愛犬が好んで白湯を飲みたがる時には、煮沸消毒などの手間や温度や保存期間などに注意して、飼い主さんご自身も無理のない程度に試してみてくださいね。
<参考書籍>
イラストで分かりやすい! 愛犬との絆がぐーっと深まる本
<参考サイト>
白湯とお湯の違いとは?正しい白湯の温度や作り方・飲み方を紹介
>https://brand.cleansui.com/journal/2617.html
Water-Dogs like it cold!|水-犬は冷たい水を好む
>https://www.une.edu.au/__data/assets/pdf_file/0014/33620/rec-adv-2005-dog-water-paper.pdf
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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