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「愛犬が徘徊し始めたら?」徘徊する理由と徘徊を始めたときの接し方もご紹介

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高齢になると部屋の中をグルグル、ウロウロと歩きまわる徘徊がはじまることがあります。

目的なく動き回る様子を見て、これからどう愛犬と接していけばいいか不安に思う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は「愛犬が徘徊する5つの理由」や「徘徊し始めたときに飼い主さんができること」をご紹介します。

気をつけたほうがいい徘徊についてもお話していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

犬の徘徊ってなんですか?

徘徊は「トイレに行く」「飼い主さんの後を追う」などの目的がなく、あてもなくウロウロと歩き回っている状態をいいます。

同じ場所をグルグルと旋回することが多く、日中だけでなく夜中にも徘徊をはじめることもあります。

一度徘徊が始まると長期に渡って継続する場合が多いため、飼い主さんの負担が増え疲弊しきってしまうことも少なくありません。

老犬の介護施設や獣医師さんなどに相談をしながら、一人で抱え込まない体制を作っていくことが大切です。

愛犬が徘徊する5つの理由

では、愛犬はどうして徘徊をはじめてしまったのでしょうか。

考えられる理由を5つご紹介します。

▼愛犬が徘徊をする理由5つ

①不安やストレス
②昼間に寝ている時間が長い
③認知症
④てんかん
⑤脳腫瘍

①不安やストレス

老犬になるとストレスに敏感になります。

また体や感覚器官が衰えてくるため、今までできていたことができなかったり、体をうまく動かせず不安を感じたり苛立ちを感じやすくなります。

そういった不安な気持ちや苛立ちを紛らわせるために、ウロウロと徘徊をすることがあります。

②昼間に寝ている時間が長い

老犬になると昼間も寝ている時間が多くなります。

「起こすとかわいそう」とそのまま寝かせていると昼間の睡眠時間が長くなり、夜に起きやすかったり運動不足になりがちです。

運動不足によるストレス、空腹感などで夜中にウロウロと徘徊している可能性もあります。

③認知症

犬も年を取ると認知機能が衰え、認知症を発症することがあります。

徘徊は認知症の症状のひとつで、自分のいる場所や空間が把握できないため、あてもなく歩き続けると言われています。

徘徊だけでなく夜鳴きも同時に症状として現れることもあります。

④てんかん

「徘徊=認知症」というイメージがあるかもしれませんが、別の病気にかかっていても症状として徘徊する場合があります。

てんかんは何らかの原因で脳に異常な興奮が起こる神経疾患です。

脳が興奮状態にあると筋肉を動かす電気信号が乱れてしまい、体のコントロールがきかなくなります。

そのため、「全身が硬直する」「体の一部がけいれんする」といった症状が現れます。

そういった症状が現れた後に、ウロウロと落ち着きなく歩き回る徘徊がおこる場合があります。

⑤脳腫瘍

脳に腫瘍ができている場合も徘徊が症状としてあらわれることがあります。

年齢が上がると腫瘍の発症率は高くなります。

初期は症状が出ない場合もありますが、進行すると歩くときにふらつく、同じ場所を旋回するといった症状が現れるようになります。

愛犬が徘徊をはじめたときに飼い主さんができること

愛犬の徘徊にはいろいろな理由があることがわかりました。

では愛犬が徘徊をするようになったら、私たち飼い主にできることはなんでしょうか。

一覧にまとめてみました。

▼愛犬が徘徊をし始めたら飼い主さんができること

・動物病院に連れて行く
・無理やり徘徊を止めない
・家具の配置を見直す
・床材を見直す
・日中は適度に活動させる
・一緒にいる時間を大切にする

・動物病院に連れて行く

先ほどお話したように徘徊の影にはてんかんや脳腫瘍といった病気が隠れている場合もあります。

「年を取ったからしょうがない」「軽い認知症かも」と自己判断で放置していると、病気が進行してしまう可能性もあるので、徘徊が始まったら一度動物病院で診断を受けましょう。

愛犬の徘徊の度合いや症状によって、サプリメントやお薬を処方する場合もあります。

・無理やり徘徊を止めない

ストレスや不安感をまぎらわすために徘徊をしていることもあります。

それを無理に止めてしまうと余計にストレスがかかります。

特にてんかんが原因で徘徊をしている場合、無理に止めるとより症状が重くなる場合もあります。

愛犬の周辺環境に注意して、安全に歩ける環境を作ってあげましょう。

・家具の配置を見直す

老犬になると認知機能や感覚器が衰えるため、後ろに下がったり狭い場所で方向転換をするという動作が苦手になります。

角や家具の隙間に挟まって出られなくなることも多くなるので、愛犬の年齢が高くなったら家具の配置を見直して家具の隙間をなくすようにしましょう。

また家具の角には緩衝材をつけるとよいでしょう。

家具を動かすのが難しい場合は、子供用のビニールプールやサークルなどで歩くための空間を作ってあげるのもオススメです。

・床材を見直す

老犬になると足腰が弱り踏ん張りが効きにくくなります。

そのためすべりやすい床材(フローリングなど)だとすべって転んだり、座った状態から立ち上がりにくいといったことが起きやすくなります。

しっかりと歩けるように床にはカーペットやマットを敷くなど、愛犬が安心して歩ける床材を設置してあげましょう。

・日中は適度に活動させる

昼間の睡眠時間が長すぎると昼夜逆転の生活になりやすくなります。

朝はしっかりと朝日を浴び、日中も無理のない範囲で運動させるようにしましょう。

なかなか散歩に行きたがらない場合はお庭や公園で匂いを嗅いだり、知育トイやノーズワークマットで遊んであげるのもよい刺激になります。

・一緒にいる時間を大切にする

最初にお話したように老犬になると感覚器や体の衰えから、不安やストレスを感じやすくなります。

飼い主さんの無理のない範囲で、一緒に過ごしてあげましょう。

認知機能が衰えても、家族のことは比較的覚えていることが多いです。

声をかけたり撫でてあげると、ほっとしてストレスも和らぐので、触れ合いの時間を大切にしてあげましょう。

気をつけたほうがいい徘徊は?

犬の徘徊にはいろいろな原因がありますが、すぐに動物病院に相談したほうがよい注意が必要な徘徊もあります。

▼気をつけた方がよい徘徊

・眠らずに歩き続ける
・突進するように激しく歩く
・体を触ろうとすると嫌がったり怒ったりする
・歩き方がぎこちない

足腰に痛みがある場合、立ったり座ったりといった動作が苦痛になるため、痛みをまぎらわすために歩き回る場合があります。

また、白内障や緑内障といった目の病気にかかると、周りの状況が分かりにくくなり徘徊のような動きを見せることがあります。

認知機能の衰えからくる徘徊ではなく、別の病気による症状で徘徊に似た症状がでているケースもあるので「年だから」と見過ごさないようにしましょう。

徘徊にはいろいろな原因があります。

原因により対処法は様々ですが認知機能の衰えからの徘徊の場合、早めに動物病院に相談することで症状の進行を和らげたり改善を見込めるケースもあります。

一人で抱え込まずにかかりつけの動物病院で相談をしてみましょう。

<参考書籍>

小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド 上巻・下巻 西田 利穂 (翻訳), 石井 康夫 (翻訳), D.R.Lane B.Cooper

イヌの老いじたく 7歳からの最適な飼い方を伝授 サイエンス・アイ新書

犬もよろこぶシニア犬生活 

心や体の変化にあわせた老犬とのコミュニケーションがわかる 愛犬の友編集部

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。
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