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犬が震える理由とは?考えられる原因や対処法について解説

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寒さが厳しい冬の季節は、特に犬も人同様震えることがあるため、そういった姿を目にする飼い主さんは多いのではないでしょうか?

しかし、犬が震える理由には『寒さ』以外にも様々な事情が考えられ、時には適切な対応が迫られるものも…。

今回は、犬が震えた姿を見せた時に考えられる主な原因やその対処法についてまとめました。

犬が震える理由には何がある?

犬の体が小刻みに震えている場合、その主な理由には大きく分けて、病気やケガ・痛みから来る『震え』と、精神面や環境変化から来る『震え』が考えられます。

一般的に前者では、その言葉通り病気やケガが原因で『震え』が生じているため、獣医さんに診てもらって、適切な診断や処置をしてもらうことが最優先となります。

一方、後者では状況によって、飼い主さんの対応に慎重性が求められる場合があるかもしれません。

というのも、精神面や環境変化から来る『震え』は、比較的神経質な性格が多いと言われる小型の愛犬で見せやすく、時にはほとんど半狂乱で呼吸も荒くなってしまう状態になることが珍しくないからです。

実際に、海外の事例ではありますが、2019(令和元)年には、イギリスのサウスヨークシャー州で行われた花火大会の爆音や破裂音によって、度重なる『震え』を起こした後、最後には『心臓発作』で亡くなってしまった子犬の事例が存在します。

そのため、こういった事例が存在している以上、不安や恐怖心から来る『震え』で、尋常じゃない程怖がるようなら注意しましょう。

大切な愛犬が体を震わせている時、第一に私たち飼い主が気を付けておきたいのは、愛犬が何に対して震えているのか、震える原因は何なのか、まずはそれを特定してあげることが大切です。

病気やケガ・痛みなどの身体面が原因の『震え』

それでは、病気やケガ・痛みなどの身体面が原因で起こる『震え』には、主にどんなものがあるのでしょうか?

『震え』には、混同されがちな「振戦(しんせん)」と【痙攣(けいれん)】という言葉がありますが、実は以下のような違いがあります。

・「振戦(しんせん)」:リズミカルで反復的な筋収縮

・【痙攣(けいれん)】:不随意な筋収縮が起こり、硬直する場合もある。振戦よりもより複雑な筋収縮。

主に病気やケガ・痛みで見られる『震え』は【痙攣】によるものです。

これらを踏まえた上で、まずは考えられる原因をいくつか確認してみましょう。

てんかん

『震え』において、てんかん発作は最もイメージがある病気だと思います。一般的にてんかん発作とは、脳の神経細胞が過剰に興奮することによって生じる全身性の【痙攣】です。

通常意識はなく、飼い主さんの呼び掛けにも反応できません。

てんかん発作の多くは2~3分を目処に治まりますが、発作が起こる前には、前兆としてソワソワしたり性格に変化が見られたりするので注意深く観察するよう心掛けましょう。

尿毒症

血液のろ過機能の低下や腎臓への異常がある時、本来出すべき老廃物を正常に排出出来ない状況が続いてしまった場合に、尿毒症は発症する可能性があります。

食欲不振や嘔吐、下痢だけではなく、尿毒症性による『震え』を起こすことがあるため、腎機能などの低下が気になりだすシニア犬は特に注意しましょう。

脳炎

脳炎には、犬ジステンパーウイルスや細菌などによって起こる感染症脳炎や、パグなどの犬種で多く見られる壊死性脳炎(別名パグ脳炎)、肉芽腫などの腫瘍が原因で起こってしまう肉芽腫性髄膜脳炎など様々な脳炎があります。これらの脳炎は、運動失調やふらつき、『震え』が見られることがあります。

低血糖症

血液中の糖分濃度が著しく低くなり、子犬によく見られる低血糖症は、体の『震え』や運動失調、元気消失、後肢の麻痺などが表れます。

低血糖症の多くは子犬で発症しますが、成犬でもすい臓がんが原因でこの病気になることがあり、また、糖尿病治療のためのインスリン過剰投与でも起こる可能性があります。

中毒

犬にとって有害物質となるチョコレートやブドウ、タマネギ、キシリトールやカフェインなどが原因で起こる中毒症状は、よだれや嘔吐、『震え』などが起こります。

犬は基本的に好奇心旺盛な生き物です。

甘い匂いがするものや犬が食べてしまうと中毒になるようなものを、犬の手が届くところに置かないよう注意しましょう。

その他『震え』症状が出る病気やケガ・痛み

これまでご紹介した症状以外にも、病気やケガ・痛みによって『震え』が起こる症状として以下のようなものがあります。

甲状腺機能低下症:代謝低下が原因で起こる寒さに対する『震え』

・低体温症:37.5℃~37.8℃以下が原因で起こる全身性の『震え』

・全身性振戦症候群:白い被毛や小型犬で起こる原因不明の『震え』

・椎間板ヘルニア:脊髄を圧迫した時に生じる痛みから来る『震え』

・ジステンパー:感染後、ジステンパー脳炎による【痙攣】

・破傷風:感染後、運動・中枢神経ダメージによる硬直【痙攣】

・狂犬病:感染後、麻痺期で見られる全身性の【痙攣】

一般的に飼い主さんご自身で振戦か痙攣かを判断するのは容易ではないと言われています。

愛犬の震えが見られた際、その震えがどちらなのか判断が付かない場合には、迷わず動物病院を受診しましょう。

精神面や環境変化などが原因の『震え』

こちらで見られる『震え』については、「振戦(しんせん)」がほとんどなので、基本的には精神ケアや環境改善を心掛けることが大切です。

では、精神面や環境変化などで起こってしまう『震え』について一つずつ確認していきましょう。

寒さ

寒さによって体温が下がると、体は体温上昇を図るために全身を震わせます。

成犬ではあまり見られないかもしれませんが、例外としてシングルコートの犬やミニチュア・ピンシャーやイタリアン・グレーハウンド、フレンチ・ブルドッグやパグといった短毛で小型の犬、幼犬やシニア犬は、寒さに対する耐性が低いため、寒さ対策を怠らないよう注意が必要です。

恐怖・不安・ストレス

冒頭でご紹介した花火といった人工的な破裂音、雷や台風などの自然災害による轟音や強風、引越しなどで変わってしまう環境による恐怖や不安で、犬は全身を震わせる場合があります。

この場合、犬種の性格や特徴も関係してくるため、愛犬がどの程度その音や環境に恐怖やストレスを感じているかをまずはしっかりと見極めて、改善策を考えてあげるように心掛けてください。

嬉しさや興奮

全身から嬉しさや興奮を表現する際も、犬は体を震わせます。

これらの場合には、飼い主さんが帰ってきたことへの喜びやおやつを貰える時の興奮によって見られる姿なので、心配する必要はありません。

ただし、興奮度があまりにも高すぎる結果、震えだけではなく、吠えや後追いなどにまで愛犬が発展してしまっている場合、その症状はもしかしたら分離不安症の可能性も考えられるため、一度獣医さんに相談することも視野に入れておいてください。

加齢による筋力の低下

シニア犬になるにつれて、後肢の筋力の低下で『震え』が見られます。

起き上がりの時や歩く時にふらつく場合は、加齢によって筋肉量が低下し、加えて高齢になれば寒さなどにも耐性がなくなるため、その結果『震え』が生じている可能性があるでしょう。

食欲低下や元気消失、体重減少などがないのであれば、しばらく様子を見ても良いですが、それらも合わせて見られるようなら、動物病院を受診しましょう。

愛犬に『震え』が起こった時の対処法とは?

大切な愛犬の体に『震え』が見られた場合、まずはそれが単なる『震え』なのか、それとも【痙攣】なのか、冷静に判断するように心掛けましょう。

『震え』の場合であれば、比較的良く見られる症状なので、寒さからきている場合は洋服を着せたり、毛布で温めてあげたりすることで『震え』は収まります。

また、恐怖や不安・ストレスによって『震え』の症状が出ている場合も、その原因となっている根本を除いてあげれば、自然と徐々に『震え』は落ち着いていくでしょう。

問題は、何度も繰り返し『震え』が起こったり、食欲の低下や元気の消失があったり、体重の減少などが見られる場合です。

通常、病気やケガ・痛みによって起こる『震え』には、『震え』が見られる前に他にも目立った症状が表れるはずですが、中には病気が進行してから症状が見られる、いわゆる「サイレントキラー」の病気の可能性もあるため、注意しましょう。

病院を受診する際には、余裕があれば動画でその時の状況を撮影し、録画をしておくと、スムーズな診察が行えるので、とてもオススメです。

まとめ

犬の『震え』にも、人同様様々な震えが存在します。

しかし犬は人とは違って、震えている原因を自ら訴えかける事は出来ません。

当然、犬の異常は『震え』だけとは限りません。

けれど、だからこそ常日頃から愛犬の健康状態をよく観察し、『震え』だけでもこれだけの種類があることを知っておくことはとても大切です。

そして、もしも万が一愛犬が震えた姿を見せるようなら、それが心理的要因であれば落ち着かせることを心掛け、病気やケガ・痛みが要因のようであれば一日でも早く動物病院を受診してあげてください。

<参考書籍>

もっともくわしい 犬の病気百科

最新版 愛犬の病気百科 気になる初期症状から最新医療までがわかる

<参考サイト>

全身性振戦症候群の犬の1例
>https://www.jstage.jst.go.jp/article/dobutsurinshoigaku/17/4/17_4_123/_pdf/-char/ja

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yukako

yukako

幼少期の頃より柴犬やシェットランド・シープドッグと生活を共にし、現在は3代目となる柴犬と暮らしております。
また、生前疾患の多かったシェットランド・シープドッグをキッカケに取得した愛玩動物飼養管理士などの様々な資格の知識を生かし、皆様に役立つような記事を提供、執筆出来ればと思っております。
何卒、よろしくお願い致します。
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