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「てんかんになりやすい犬種は?」てんかんになりやすい年齢と発作時の注意点もご紹介

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「てんかん」という病気を聞いたことがあるでしょうか。

普段は普通に生活できますが、ひとたび発作が起きると「けいれん」や「意識障害」など引き起こすため、見ている飼い主さんにとっても辛い病気です。

そこで今回は「てんかんになりやすい犬種」や「発症しやすい年齢」をご紹介します。

いざというときに覚えておきたい「発作時の注意点」も合わせて紹介するので、愛犬の健康管理にぜひお役立てください。

「てんかん」ってどんな病気ですか?

てんかんは何らかの原因で脳に異常な興奮が起こる神経疾患です。

通常体を動かすときは脳から「動いて」という電気信号が筋肉へと送られますが、脳が興奮状態にあると筋肉を動かす電気信号が乱れてしまい、体のコントロールがきかなくなります。

そのためてんかんの発作では「全身が硬直する」「体の一部がけいれんする」といった症状が現れます。

一見とても珍しい病気のように感じますが、発症割合は100頭に1頭ほど推定されており、意外と私たちの身近にある病気です。

では、このてんかんが発症しやすい年齢はあるのでしょうか。

次章で詳しくみていきましょう。

「てんかん」を発症しやすい犬の年齢は?

ペット保険のアニコム損保が契約を開始した0~10歳の犬に対して行った調査によると、てんかんで通院している割合は下記のようになりました。

▼てんかんの通院割合における年齢の推移(292,290頭を対象に調査)

グラフを見てみると年齢が上がるとともに通院割合も増加傾向にあり、8歳ごろにピークを迎えていることがわかります。

また性別の発症割合を見ていくと、女の子(メス)に比べて男の子(オス)の方が通院割合が高い傾向にあります。

てんかんは大きく分けると2つ種類があり、0~6歳前後までは「特発性てんかん」高齢になってからは「症候性てんかん」を発症することが多いといわれています。

①「特発性てんかん」(0~6歳前後の発症が多い)

検査をしても原因が特定できないてんかんのこと。
遺伝的要因が関係しているのではないかという説もありますが、詳しくはまだわかっていません。

②「症候性てんかん」(高齢になってからの発症が多い)

脳への外傷や脳の病気(水頭症・脳腫瘍など)によって二次的に引き起こされるてんかんのこと。

年齢が上がるごとに通院割合が増えていく傾向があるので「男の子(オス)」「高齢」の子は

注意しておいた方がよいでしょう。

「てんかん」を発症しやすい犬種トップ5

では、特にてんかんに注意をしておいた方がよい犬種はいるのでしょうか。

同調査で犬種別に通院割合を調査したところ結果は下記のようになりました。

▼てんかんの犬種別通院割合(292,290頭を対象に調査)

▼「てんかん」になりやすい犬種トップ5

1位:「イタリアン・グレイハウンド」2.8%
2位:「ポストン・テリア」2.2%
3位:「ビーグル」2.0%
4位:「ヨークシャー・テリア」1.4%
5位:「ペキニーズ」1.4%

てんかんの通院が一番多い犬種は「イタリアン・グレイハウンド(2.8%)」で次に「ポストン・テリア(2.2%)」「ビーグル(2.0%)」の順になりました。

犬全体の平均が1.3%と報告されているので、ランキングの上位にランクインしている犬種がいかに発症しやすいかがよくわかります。

ランキングにランクインした犬種を飼っている方は、年齢が高くなってきたら特に注意をしてあげましょう。

愛犬が「てんかん」を起こしたときに注意すること

では、愛犬がてんかんを発症してしまったら飼い主さんが注意してあげられることはいったいなんでしょうか。

ポイントは3つあります。

▼てんかんが起こったときに注意すること

①発作の様子の記録
②安全を確保する
③危険な発作を覚える

①愛犬の発作の様子の記録

発作中の様子や発作の時間を知ることは、今後の治療方針や診断をする上でとても重要な情報です。

ですがてんかんの発作は「激しく両手足をバタつかせる」「手足を伸ばして体を硬直させる」といったことが起きるため、飼い主さんが見ていてショックを受けたり、動揺して発作時の様子をうまく説明できないという場合もあります。

発作が始まったら動画で犬の様子を撮影するようにしましょう。

また余裕があるようであれば、下記の情報を記録しておくと獣医師さんの診断に役立ちます。

・発作が起こった日時
・発作が起きた状況(食後・運動後など)
・発作中の様子(全身に症状が出たか、部分的か)
・意識の有無(声掛けに反応するかなど)
・発作が続いた時間
・発作が収まって元の状態に戻るまでにかかった時間
・発作が収まった後の様子

②愛犬の安全を確保する

発作中は体のコントロールがきかず、意識を失っている場合もあります。

家具にぶつかって怪我をしたり、段差から転落したりしないように、愛犬の周りのものをどけて安全を確保してあげましょう。

また発作中に体を揺すったり抱きしめると、飼い主さんが怪我をしたり発作がより激しくなる場合もあるのでやめましょう。

③危険な発作を覚える

てんかんの発作は通常であれば、2~3分ほどで元の状態に戻ると言われていますが、中には危険な発作もあります。

下記のような発作が出ると緊急性が高いので、すぐに動物病院を受診するようにしましょう。

▼覚えておきたい危険な発作

・24時間以内に2回以上発作が起こる
・数日のうちに何度も発作を繰り返す
・1回の発作が5分以上続いている
・意識が戻らないまま発作が継続している

てんかんは完治が難しく定期的に動物病院に通いながら治療を続けていく病気です。

そのため、飼い主さんのライフスタイルにも大きな影響を与えます。

発症率が低い病気ではないので、発症するリスクの高い犬種や老犬を飼っている方は発作が起こったときにいち早く行動できるように、今回ご紹介した内容を参考にしてみてくださいね。

<参考URL>

どんな子が「てんかん」になりやすい? アニコム家庭どうぶつコラム
>https://www.anicom-page.com/hakusho/column/pdf/130412.pdf

【てんかん】特許登録「モニタリングシステム」で患者と家族の負担軽減を目指す【麻布大学附属動物病院・神奈川】
>https://frenchbulldog.life/column/34631

<参考書籍>

小動物獣医看護学 小動物看護の基本と実践ガイド 上巻・下巻 西田 利穂 (翻訳), 石井 康夫 (翻訳), D.R.Lane B.Cooper

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。