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「太っていると病気にかかりやすいってホント?」 体重によってかかりやすい病気は?

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人の場合、肥満は「万病の元」と言われています。

では、犬の場合はどうでしょうか。

実は同じ犬種で比較してみても、体重が増加すると病気の発症リスクがあがると言われています。

そこで今回は「肥満が引き起こす病気」や「体重ごとの病気のかかりやすさ」を解説します。

「どのくらい体重が増加すると肥満なのか」も合わせてお話しますので、ぜひ最後までご覧ください。

日本で飼育されている犬の肥満率は?

肥満が引き起こす病気についてお話する前に、犬の肥満率はどのくらいなのかを把握しておきましょう。

株式会社オモヤがおこなった「日本の犬の肥満割合」の調査によると、日本で飼育されている犬の肥満割合は下記のようになりました。

▼日本で飼育されている犬はどのくらいの割合で肥満だと思いますか?

「4~5割」39.7%
「2~3割」16.4%
「2割未満」7.8%
「8~9割」2.8%
「9割以上」1.6%

ペットに関わる仕事に就いている方(獣医師、ドッグトレーナー等)1,010人に「日本で飼育されている犬はどのくらいの割合で肥満だと思うか?」を質問したところ、一番多い回答が「4~5割(39.7%)」で、次に「2~3割(31.7%)」「6~7割(16.4%)」という結果になりました。

半数以上の方が「4割以上の犬が肥満」と認識していると考えると、肥満の犬は非常に多いということが伺えます。

では、どうしてこんなに肥満の犬が多くなってしまうのでしょうか。

同アンケートで「肥満の原因」を訪ねたところ、一番多い回答が「高カロリーな食事(64.3%)」で次に「おやつの与えすぎ(59.1%)」「運動不足(56.7%)」という結果になりました。

喜んでいる顔が見たくてついおやつをあげたくなりますが、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが取れていないと肥満になりやすくなります。

では、肥満になるとどんな病気にかかりやすくなるのでしょうか。

肥満が引き起こす病気のリスク

愛犬が肥満になるとどんな病気のリスクがあるのでしょうか。

肥満によって引きおこしやすい病気を一枚の図にまとめてみました。

▼肥満になるとかかりやすい病気

人では肥満は「万病の元」と言われますが、それは犬も同じです。

肥満体型になると増えた体重が足や腰にかかるので、脊椎を痛めやすかったり足や指が変形したりします。

また糖尿病による失明、皮膚のたるみやシワが増えることで皮膚疾患にかかりやすいなど、別の病気も引き起こしやすくなります。

犬には「散歩でいろいろな場所を探索したい」「縄張りを点検したい」という本能的な欲求がありますが、肥満になると動くのが億劫になるので、犬としての欲求が十分満たせずストレスがたまりやすくなります。

元気に年を重ねるためには健康寿命を延ばすことが大事ですが、肥満になると病気を招きやすくするだけではなく、犬としての楽しみも満たせなくなってしまいます。

同じ犬種でも体重が重い方が病気にかかりやすい?

もうひとつ「肥満と病気の関係性について」興味深い調査があるのでご紹介します。

ペット保険のアニコム損保がおこなった調査によると、同じ犬種を体重ごとに比較した場合「発症した病気」と「発症率」に差があるということがわかりました。

▼体重別の病気の内訳

体重情報をもったシー・ズー784頭を対象に「体重が軽いグループ(6.5kg未満)」と「体重が重いグループ(6.5kg以上)」に分けてかかった病気を比較したところ、病気の内訳に違いがみられました。

▼6.5kg未満のグループがかかった病気(トップ5)

1位:「皮膚疾患」27.6%
2位:「泌尿器の疾患」14.2%
3位:「眼および付属器の疾患」12.5%
4位:「耳・呼吸器の疾患」11.8%
5位:「消化器の疾患」11.5%

▼6.5kg以上のグループがかかった病気(トップ5)

1位:「皮膚疾患」40.4%
2位:「消化器の疾患」23.5%
3位:「筋・骨格系の疾患」9.7%
4位:「耳・呼吸器の疾患」8.3%
5位:「泌尿器の疾患」5.8%

体重が重いグループは軽いグループに比べると、約1.4倍「皮膚疾患」にかかりやすく、約24.2倍「筋骨格系の疾患」が起きやすいという結果になりました。

先ほど肥満になるとかかりやすい病気で「皮膚疾患」や「関節トラブルが起こりやすい」とご紹介しましたが、この結果を見てみると体重が増えるとそれに付随する病気にかかりやすい傾向があるということがわかります。

ただ、この調査はボディコンディションスコア(脂肪のつき具合を見た目や触診で確認する方法)は考慮していないとのことなので、6.5kg以上で正常体重の子(体が大きいタイプの子)もデータに含まれます。

そのため「適正体重よりも重い=病気にかかりやすい」とは一概に言えないのですが、体重が増えると肥満に付随する病気が増えやすく、発症率も高くなるということは覚えておきましょう。

どのくらい体重が増えると肥満なの?

では、どのくらいの体重だと「肥満」になるのでしょうか。

愛犬が肥満かどうかを調べる方法は「2つ」あります。

▼肥満度をチェックする方法2つ

・ボディコンディションスコアで調べる
・パーセンテージで計算する

・BCS(ボディコンディションスコア)で調べる

犬には「BCS」という体型をチェックするための表があります。

緑色の部分が適正体型とされており「BCS4」か「BCS5」であれば、適正体型であると判断されます。

腰にくびれがほとんどない、肋骨がほとんど手に当たらないという場合は、要注意な体型です。

愛犬の体を見たり触ったりして、体型がどの数字に当てはまるのかをチェックして見ましょう。

・パーセンテージで計算する

その犬種の適正体重を15%オーバーすると肥満に入ると判断されます。

たとえば、5kgが適正体重の犬の場合、5.75kgになると肥満になります。

ちょっと増えただけのように感じますが、人で表すと40kgの人が46kgになったのと同じです。

犬の体重をチェックするときは、何%増加しているのかでチェックしましょう。

ただ、適正体重が愛犬の体型にあっていない場合もあるので、ボディコンディションスコアも合わせてチェックするとよいでしょう。

体重が増えると病気を発症するリスクはあがります。

うれしい顔がみたくてついおやつをあげてしまいたくなりますが、将来の健康を考えると体型をコントロールすることは大切です。

今回ご紹介した内容を愛犬の健康管理にぜひ役立ててくださいね。

<参考URL>

【日本のわんちゃんの肥満割合】肥満になってしまう原因は?
>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000073890.html

肥満と病気って関係あるの? アニコム家庭どうぶつコラム
>https://www.anicom-page.com/hakusho/column/pdf/121227.pdf

<画像元>

Unsplash

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伊藤さん

伊藤さん

・倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業
・(元)認定動物看護師
・一般社団法人日本小動物獣医師会 動物診療助手

やんちゃなミックス犬とおっとりトイプードルと暮らす。

大学在学中に「病気になる前の予防が一番大事」と気づき、
ペットフードやペットサプリメントの会社に就職。
「食」に関するさまざまな知識を身につける。

愛犬を亡くしたときに
「もっと色んな情報を知っておけば」と感じた後悔を
「他の飼い主さんにはさせたくない」との思いから、
ライター活動を開始。

「勉強になった・信頼・わかりやすい」を目標に情報を発信しています。